[CML 037223] 変革のアソシエシンポジウム報告

まっぺん mappen at red-mole.net
2015年 4月 26日 (日) 15:48:49 JST


変革のアソシエシンポジウム報告

4月25日、明治大学において「東アジアと日本の選択」というテーマで講演が行われ
ました。

東アジア経済に詳しい平川均・国士舘大学教授は、戦後、とりわけ最近の20〜30年間
の東アジアにおける劇的な経済変動を、様々な角度からのデータを使って解説してく
れました。戦後のアジア経済は圧倒的に日本経済によって支えられリードされてきて
おり、日本の経済変動がそのまま東アジア全体の経済変動に直結していました。しか
し21世紀以後それは変化を遂げ、2010年にはついに中国GDPが日本のそれを追い抜い
た。その結果東アジア経済の変動はいまや中国経済の変動に左右されています。こう
した状況を背景に、世界経済の中での東アジア経済の拡大が注目されています。中国
が提唱したアジアインフラ投資銀行が日米を除く世界の金融界から注目を浴びている
のは周知のとおり。こうした流れを見ると、およそ300年ものあいだアングロサクソ
ン中心主義によって築き上げられてきた世界資本主義経済の中心軸がいまや中国を通
じて東アジアに移行していると言っていいのではないかという感想を持ちます。

さて、一方でイ・ヨンチェ・恵泉女学園大学准教授は東アジア経済、とりわけ韓国経
済に焦点をあて、内部矛盾、端的には貧困問題がどのように経済と政治とに影響を与
えているかについて鋭い指摘を加えていました。韓国の歴史が独裁体制の中でどのよ
うな経済プランをたててきたのか、また日本との関係の中で戦争責任問題、あるいは
アメリカのアジア政策を通じてそれが政治と経済にどのように影響を与えてきたの
か、またそれが近年、双方が成し遂げてきた文化交流の中でどのように変化してきた
のか。その中で今後の日・韓・中・朝の関係が構築されていくのかを分析していまし
た。

両者それぞれの分析は、平川さんはマクロな視点からアジア諸国を経済的に見ること
で今後の予測と期待を語り、一方イさんは各国の経済格差や歴史的な政治問題を通じ
て、いわばミクロな視点から問題解決の方向性を語るという、言い換えれば一方は各
国の地理的拡がりと横のつながりの中から全体を見る方法、他方は各国の階級的格差
を重視しながら問題をタテ方向に見るという方法であったと言ってもいいでしょう。
平川さんは、世界経済というおおきな「パイ」を東アジアが大きな部分を切り取るこ
とができるようになっただけでなく、その内部構成が(日本から中国へ)変化してき
た実体を見せてくれました。一方イさんは、そのパイはどのように各国で分け合った
としてもそれぞれの各部分は、一番上にクリームが載っていて、その下にパイ生地が
乗り、一番下は焦げ目が拡がっているという構図が切り口から見えることに注目する
というものでした。

両者の分析の切り口は全く異なるもので、両者それぞれ独自の講演だけでも充分に聞
き応えのあるものでしたが、この「変革のアソシエシンポジウム」でお二人が出会
い、双方のお話を続けて聞くことによって、私は東アジア経済を、横と縦との双方か
ら「立体的に構成された実体」として把握することができるという、希有な機会に恵
まれることになったと実感しました。実に良い講演会だった。変革のアソシエが前期
5年を経て後期に入り2年目に至って、実によいシンポジウムを開催できたと思いま
した。お話しの内容はいずれ詳しく。(^-^)



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