Re: 「ホワイト企業」と書けてしまう愚者 Re: [CML 037014] 世界で起きていることと日本のトンデモ和製英語「ブラック」の氾濫――面目ない、間が悪い、恥ずかしい、しまらない

ishigaki motoei at jcom.home.ne.jp
2015年 4月 13日 (月) 10:34:19 JST


檜原転石さん
お世話様です。
周知の通り、今米国での丸腰「黒人」青年が射殺され、
「黒人」に対する差別問題が再燃しています。
放映を見ても、『白人』青年なら射殺はされないであろう、
と思います。
「人種差別は良くない」と言っている人が
「ブラック企業」表現について、肯定することは
矛盾しています。
「黒人」がこの事実を知ったらどう思うか、という想像力が
欠けているようです。
                 石垣敏夫



――面目ない、間が悪い、恥ずかしい、しまらない

檜原転石です。

石垣さん、こんちは。


日本人はあらゆる悪を含意させたトンデモ和製英語「ブラック」を氾濫させて、
結局は和製英語の「ブラック」を白人英語のblackの意味に限りなく近づけ、そ
うやって言葉遣いでも白人英語のblackを完璧に使う名誉白を完成させたわけ
です。

これはお笑いの悲劇ですが、本人たちには自覚はないでしょう。流行語だから
無理矢理使っているだけかもしれません。繰り返すと、殺人言語の英語に管理さ
れた「幸せな奴隷」はトンデモ和製英語「ブラック」を使って名誉白人になった。

おおざっぱにいえば日本人が英語を学ぶとは、昔から“白人英語を学ぶ”というこ
とでやってきたわけです。これが意味するものは、英語の発音を学ぶ時は白人の
英語話者を手本とすることや、英語の教材においても、たとえば歴史を学ぶにも
白人から見た歴史を学ぶということをやってきました。そうしてアジアでも欧米
植民地主義の真似をして、アジア人を2000万人以上も殺して、強欲企業は大
儲けしました。

白人英語を白人に習うから、日本人がトンデモ和製英語「ブラック」(「ブラッ
ク企業」・「ブラック大学」など)を多用し、「ブラック」の対義語として「ホ
ワイト企業」「ホワイト大学」などと使う可能性は決して排除できないのですけ
ど、私などはたとえ1億円貰っても、「ホワイト企業」などとは書けません。

トンデモネット卑語群――「ブラック企業」・「放射脳」・「除鮮」、これらのう
ち、日本の「良識派」は「ブラック企業」だけは採用してしまいました。この愚
行――日本語軽視とブラックに黒人の意味があることの無知、人種主義を広める、
色に価値を持ち込む非科学を広める、米国の黒人の抵抗の歴史への無知を公に晒
すことなど――は、日本に住む人びとの今日以後の知的退廃を加速させる元凶の1
つとなるかもしれません。


▼大石俊一『英語帝国主義に抗する理念 「思想」論としての「英語」論』明石
書店、2005年


頁163――(第6章 英語帝国主義の憂鬱)


  (6)はなはだしい人種差別の温床となっているからである。もろもろの例
がある。英語国では、肌の色の雑多な人々が英語を話しているのに、この国の学
校環境で英語を話しているのは“白人”だけである。「どうせ習うならブロンド美
人がいい!英会話スクールの金髪先生大集合」とは実際にあった雑誌の記事。英
会話学校は、その求人広告を見てアメリカの“黒人”が応募してくると「おそれい
りますが、イギリス・アクセントの英語を話す教師がほしいのです」と断り、イ
ギリス圏の“黒人”が応募してくると「ごめんなさい、実は、アメリカ訛りの英語
を話す教師を望んでいるのです」と断るのを基本戦術としている!


▼津田幸男『英語支配とは何か――私の国際言語政策論』明石書店、2003年

頁111――

●英語の差別イデオロギー
言語には差別的機能が備わっており、英語も例外ではない。人間にはもとも
と、自分や自分の属しているグループには、プラスのレッテルを貼り、他人や他
集団――特に敵対していたり、軽蔑、あるいは支配している場合――に対しては、マ
イナスのレッテルを貼り、差別しようという意識があるようだ。(これは社会学
では、「ラベリング」(注15)と呼んでいる)。

・・・

それでは、‘black’の意味はどうであろうか。再び、前出の『ランダムハウス
英和大辞典』を調べてみよう。‘black’の形容詞の部分には15項目が掲げられ
ているが、そのうち、わずかにプラスの意味を含むものは、「全くの、徹底的
な」(第14項目)の一つのみで、残りのほとんどは著しく否定的な意味を含む
ものばかりである。
それらは、「よごれた、きたない」(第4項目)、「まっ暗の、やみの」(第5
項目)、「陰気な」(第6項目)、「不吉な、険悪な」(第7項目)、「故意
の、たくらんだ」(第6項目)、「腹黒い、よこしまな」(第9項目)、「荒廃
地の」(第10項目)、「非難されるべき、不名誉な」(第11項目)、そして
「不正な、やみ値の」(第15項目)の、合計9項目にわたり、‘black’がいか
に、マイナスのレッテルとして使われているかがよくわかる。このように
‘white’がおおむね「善と公正」を指し示すために使われ、‘black’が、「悪と不
正と汚れ」を示すために使われていることと、‘white’が白人を指し、‘black’が
黒人をさすということばの使われ方は、任意のものではなく、作為的なものであ
ろう。



On 2015/04/11 9:58, ishigaki wrote:
> 檜原転石さん
> お世話様
> 「トルコ風呂」という言葉が廃語に
> なったのは、トルコ人(当事者)が抗議したからです、
> 日本人は当事者から言われなければ、残念ながら、
> 真面目に反省し、直すことはほとんどしませんよ。
> 石垣敏夫
> 



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