[CML 036990] 帰還して卒業式に迎えられる感動を描く「そつぎょう」

T.kazu hamasa7491 at hotmail.com
2015年 4月 9日 (木) 12:50:56 JST


みなさま

とどいた絵本は、
『ふくしまからきた子 そつぎょう』松本春野、岩崎書店1300円+税
帯のおもてには、顔写真入で西田敏行氏のメッセージがあります。

「 ふくしまからきた子は 避難先の広島から
胸いっぱいに 希望や 喜びや 友達や 家族や
幸せを感じながら
福島に帰ります。
不安や 絶望や 悲しみや 憎しみや 孤独から
”そつぎょう”するために-ーー 」

この言葉を聞かされるお子さんを連れて県外避難した
お母さんたちは、どう思うでしょうか?

帯の裏には小さな字で高畑勲スタジオジブリ監督のコメントです。
「 春野さんの描く子はいきいきしてて、息づかいが聞こえてきそう。
すばらしいレイアウトと、水彩の絵に気持ちがあふれ、
いとしくて、心がほっこり、あたたかくな 」

作者松本春野氏の父親で、いわさきちひろの長男である松本猛氏は、
長野県安曇野にある いわさきちひろ記念館の館長ですが、
巻末に解説文を書いてます。

作品ストーリーの解説ではなく、福島の現況についてです。
言わんとすることは、
「 福島の汚染は大変で、安全になったとは必ずしも言えないが、
ひとびとは努力して安全に暮らしている 」
という趣旨で、

安斎育郎氏がアドバイスを贈っている2つの保育園の園児の線量が、
世界各国の園児のそれより低いことを示すグラフが、
猛氏の弁の裏づけとされてます。
(ちょっと待って、外国の子供たちはガラスバッチで測ったのかなあ?
空間線量計で測ったものとガラスバッチで測ったものをおなじグラフにするのは、
ルール違反ですよ)

いずれにしても、この本を直感的にヨシとすることは、
それが限りないヒューマニズムの善意であったとしても、
即、避難を続けたい人の孤立化に、組することになります。
(・・・そういう心遣いをして読む人は少数でしょう。)

春野氏の前作は避難者に心寄り添う『ふくしまからきた子』松本猛・春野共著ですから、
この第2作は、
作者春野氏の転向でもあり、避難者への転向のすすめでもあります。

西田敏行氏が作者のメッセージを代行してるとすれば、
この絵本は、避難者に帰還を促し、
そうする人たちに対してのみ連帯のゴールを示す、
「国民主義運動」の布教書なのかもしれません。 

「放射線被曝の理科・社会」が示す運動論に寄り添うものとして。


相手が洗練された「国民主義」運動だとすると、 

それへの抵抗は、ひとり孤立してできるものでは、決してありません。
「そつぎょう」できない人たちに残るのは、
西田氏が極めつけの優しさをもって恫喝したとおり、
不安や 絶望や 悲しみや 憎しみや 孤独なのですから。

ni0615田島拝
(故人は敬称略) 



CML メーリングリストの案内