[CML 034043] Re: 民衆は国家に命令する〜カミュの素姓は、植民地人〜

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2014年 9月 22日 (月) 18:31:25 JST


檜原転石です。

坂井さん、こんちは。

アルベール・カミュは私もいつも以下の言葉を引用しています。

「釣り合いをとるためには、死刑に処せられる犯罪人は、自分の犠牲者に、あら
かじめ恐るべき死を強制する日を予告し、そのとき以後、相手を何ヶ月 もの
間、自分の意のままに監禁しつづけた人間でなければならないだろう。そこまで
極悪非道な人間は、通常は見られない。(『ギロチン』アルベー ル・カミュよ
り、注:『死の影の谷間から』ムミア・アブ=ジャマール/今井恭平訳/現代人
文社より孫引き)。

ただし、エドワードサイードによれば、「カミュの素姓は、植民地人」となります。

私も映画『最初の人間』を見ましたが、以下に説明があります。

▼映画『最初の人間』
http://www.zaziefilms.com/ningen/camus.html

極右植民地主義勢力は軍の一部を巻き込んで、自分たちの権益をまもるためにイ
スラム教徒に譲歩する気配はなく、カミュの講演会を自分等に対する挑 戦と受
け止め、当日、講演会の会場周辺の広場には千人をこえる極右のデモ隊が押し寄
せた。他方、アルジェリア人も千人を越える数でいざというとき に備え
広場の近辺に待機していた。映画にあるカミュの講演会はこうした雰囲気のなか
で行われたのである。
デモ隊の中から発せられた「カミュを銃殺せよ」の声は彼にとって大きな衝撃で
あったろう。さらにその二週間後、内閣が変わり、アルジェ総督に強硬 派のラ
コストが任命された。これによってカミュは、自分の構想が活かされる場がない
ことを悟ったのだろう、以後、アルジェで逮捕された友人の釈放 運動には関与
したが、アルジェリア問題について発言をすることは一切拒否するようになる。
カミュのこの沈黙はしばしば批判の対象になった。フランス軍による残虐行為、
拷問が明るみに出たときに、多くの知識人が抗議の声をあげたが、カ ミュは発
言をしなかった。しかし1957年ノーベル賞を受賞したときにはこの沈黙を破
らざるを得なかった。ストックホルムでの多くの質問が此の点 に集中したから
である。しかし、双方の側の暴力と殺人を拒否するという、それまでに語ってき
た以上のことを語りえたわけではない。学生たちの討論 会の席上での一つの発
言はよく知られている。
「私は正義を信ずる。しかし正義より前に私の母を守るであろう」。 ・・・


▼映画『最初の人間』と、カミュの素姓は、植民地人
http://blogs.yahoo.co.jp/henatyokokakumei/38654060.html

・・・特に後期の作品については、彼が1950年代後半にアルジェリア独立に
強く反対していたという事実から始まります。


・・・『異邦人』 L'Etranger (1942)に出てくる主人公ムルソーはアラブ人を
殺しますが、カミュはこのアラブ人に名前も素性も与えていません。小説の終わ
りの方で、ムルソーが裁判 にかけられる場面の着想は、完全に思想的フィク
ションです。植民地時代のアルジェリアで、アラブ人を殺したかどで裁判にかけ
られたフランス人など 存在しません。これは偽りです。彼は虚構を構築するの
です。

(2014/09/21 22:48), donko at ac.csf.ne.jp wrote:
>  坂井貴司です。
>  
>  『異邦人』、『ペスト』などで日本を含む世界中で読まれているフランスの小
> 説家でノーベル文学賞受賞者のアルベール・カミュ(1913年 - 1960年)。
>
>  そのカミュが、広島への原子爆弾投下について社説を書いていました。
>
>  驚くべきことは、原爆に関する情報がほとんど無かったにもかかわらず、原爆
> の非人間性を見抜き、核兵器廃絶を主張したことです。そして戦争を二度と起こ
> さないよう、大国も小国も平等な権利を持つ国際協力の仕組みを作る必要性を訴
> えました。
>
>  慧眼の小説家でした。
>
> (ここから)
>
>  2014年8月7日付け西日本新聞夕刊
>
> ワールド望遠鏡
> 「原爆・・カミュの社説」
>
>  「異邦人」で知られるフランスの作家アルベール・カミュ(1913年 - 1960年)
> は、第2次世界大戦中に生まれた新聞「コンバ(闘争)」の編集長も努めた。4
> 5年8月8日には、広島への原爆投下について社説を書いている。長崎原爆投下
> の前日だ。その一部を拙訳で紹介する。
>
>  「機械文明はその野蛮さの極点に達した。人類は遅かれ早かれ、集団自殺か、
> 科学的成果の知的利用か、どちらかを選ばなくてはならないだろう」
>
>  「もし日本が広島の破壊と、威嚇によって降伏するならば喜ばしい。だが、こ
> の重大なできごとから、人類の知恵が惨禍と帰する戦争が特定の国の欲望や主義
> で引き起こされないように、大国も中小国も等しい権利を持つ国際社会の建設を
> 進めるという結論を導き出さないとしたら、断固拒否する」
>
>  「人類の前に広がる恐怖の眺望は、平和こそが行うに値する闘いであることに、
> はっきりと気づかせてくれる。それはもはや祈りではなく、それぞれの国で、国
> 民から政府へとのぼっていく命令である。地獄か理性かを決定的に選ぶことを迫
> る命令である」
>
> (ここまで)
>
>  民衆は国家に対して、平和を求めることを命令する。
>
>  私達が安倍首相たちに求めることは、このことではないでしょうか。 
>  
> 坂井貴司
> 福岡県
> E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
> ======================================
> 「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
> その現実がここに書かれています・
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> 私も編集委員をしています(^^;)
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