[CML 033629] 空き家活用陳情と住宅・土地統計調査

林田力 info at hayariki.net
2014年 9月 4日 (木) 22:10:21 JST


希望のまち東京in東部陳情が三区三様の回答となった理由として、陳情提出のタイミングの可能性もある。最初に提出した江東区の回答作成と前後して、総務省は7月29日に「平成25年住宅・土地統計調査」を発表した。これは5年毎の統計である。

2013年10月1日時点での総住宅数は6063万戸で、5年前(平成20年住宅・土地統計調査)と比較する305万戸も増加した。そのうちの820万戸が空き家である。空き家率は13.5%(819万6400戸)と2008年の前回調査と比べて0.4ポイント増加し、過去最高を更新した。東京都の空き家の割合は11.1%である。

 空き家の内訳は、賃貸用の住宅が52.4%(429万戸)、売却用の住宅が3.8%(31万戸)である。住んでもらいたくても住まい手がいないといった住宅が空き家の過半数を占めている(「空き家率は13.5%、崩れる住宅市場の需給バランス」ケンプラッツ2014年8月8日)。

この空き家増加という統計結果は深刻に受け止められ、報道でも空き家活用が提言されている。「利活用されていない空き家は、見方を変えれば「使いこなしてください」と言っている資源だ」(「820万の空き家と住まいダービー」ケンプラッツ2014年8月1日)。

 「全国の820万戸の空き家もまた、寂しさを訴えているのかもしれない。とすれば、子育て世代向けの賃貸住宅やグループホームに転用するなどして、人のにぎわいを取り戻してやりたい」(「産経抄」産経新聞2014年8月4日)。

 回答文書の日付からすると、江東区回答は「平成25年住宅・土地統計調査」を踏まえていない可能性がある。葛飾区回答は「平成25年住宅・土地統計調査」を踏まえた可能性があり、それが「空き家(部屋)の利活用につきましては、宅建団体との情報共有を図っていきたい」の回答になった可能性がある。提出が遅れたために「平成25年住宅・土地統計調査」と統計への反響を十分に把握できた足立区回答が最も好意的であったことは筋が通る。

ここからすると既存施策の説明資料を同封するという熱心さのあった江東区回答が、この統計と統計結果に対する反響を前提としたならば、別の回答があったのではないかと考えたくなる。逆に言えば今回の陳情には先進性があったことになる。今後も空き家活用に取り組んでいきたい。

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林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
http://hayariki.net/tobu/akiya2.html


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