[CML 034701] ラッセル法廷2014「ガザ特別セッション」評決の概要

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2014年 10月 27日 (月) 23:47:54 JST


[23]、 その期間を通じて、イスラエルの占領政策は、彼らの身体的破壊という
よりむしろパレスチナ人民の支配と服従に向けられてきたように思え る。近年
は、ウェスト・バンクとイスラエルでパレスチナの人々の家屋と宗教施設に自警
団スタイルの「値札」攻撃[訳 注9]の急増をみせた。パレスチナの人々に対する
人種差別的な恐喝を特 徴とするこうしたレトリックが、2014年の夏の間中、イ
スラエルのメディアと公的言説の表現の至るところに急速にエスカレートした。
プロテクティ ブ・エッジ作戦の規模と強烈さは、パレスチナの人々に対する先
例のない暴力のエスカレーションの兆候を示している。こうした理由のため、
RToPは、 いま初めて、イスラエルの政策に対する国際法のジェノサイド禁止令
に照らした真剣な調査を提起せざるを得ない。 

【訳注9、 「値札」攻撃(‘price tag’ attacks) :パレスチナ人に対するユダ
ヤ人入植者による暴力で、オリーブ畑を根こそぎ引き抜き、家屋、車など財産が
破壊され、パレスチナ人の子どもが虐待され、モスクや墓地が冒涜され、数多く
の悪事を働いた跡に、「price tag」の落書きを残していく。2005年 の「ガザ撤
退」に反発したことから始まった一部のユダヤ人入植者たちによる、「正当な価
格を返せ」という一連の報復テロ恐喝キャンペー ン。入植地の企業活動を制限
しようとする国家政策にも反対し、ときには政府当局者や治安部隊、警察などに
も報復テロがなされる。イスラエ ル国家はかろうじて調査はしているものの、
犯人はめったに裁判にはかけられない。日本のヤクザ言葉の「落とし前」に等し
い。】

[24]、 法廷は、2014年の夏の間、人種差別的なレトリックと扇動が痛烈に著し
い増加を誇示する証拠を聴取した。証拠は、このような 扇動が社会的また(宗
教上の)伝統的メディアで、サッカーファン、警察官、メディア・コメンテー
ター、宗教指導者、国会議員、さらに政府 閣僚からとイスラエル社会の様々な
レベルで至るところに顕在化したことを示している。これは、さまざまな程度で
の人種差別、憎悪および暴 力への教唆扇動と判断されうる。証拠は、2014年の
夏に使われた言葉づかいやスピーチが、時には、直接かつ公然たるジェノサイド
の扇動を成していると判断で きる臨界点に達したことを示している。

[25]、 この扇動のあるものは、どこかのジェノサイド的な状況と同様のやり方
で、目標集団に対する露骨な暴力の要求だけでなく、性的特化(強 姦)、性役
割の強調、また人間性を失うミーム(リチャード・ドーキンスの提唱した文化的
遺伝子の概念であるが、証言者から得られた差別的事例であると思わ れる=訳
者)、 モチーフ、そして偏見の利用においても特徴づけられている。RToPは、
こうした扇動の複数の実例証言を聞いた。ひとつの顕著な実例は、2014年7月に
広く報道されたイスラエル国会議員アイェレト・シェケドの表 現では、実際に
「すべてのパレスチナ人が敵である」と定義し、「その老人と女たち、その町々
と村々、その財産とその施設」を破壊せよと主 張し、「テロリストの母」は
「蛇を育てた肉体だから」破壊されるべきだと表明した[訳 注10]。

【訳注10、 京都大学の岡真理さんは、エレクトロニック・インティファーダか
らアリー・アブーニウマの《「強制収容所」「絶滅収容所」:イスラエル国 会の
副議長のガザ・ジェノサイド計画》を訳出紹介している(2014年8月3
日)。クネセト(イスラエル国会)の副議長、モシェ・フェイ グリンは、ガザ
のパレスチナ人の殲滅計画を発表した。フェイグリンが投稿したのは、ネタニヤ
フ宛ての書簡だが、「レジスタンスの巣を絶滅 する」などの言葉を吐いている。】

[26]、 ジェノサイドの法的定義は、たんに被保護集団に属する人々を対象にす
るのでなく、集団を破壊する意思を持っている人々を対象にしており、RToPは
犯罪者の側の特定の意思の証明が要求される点に注目する。こうした犯罪を起訴
する論点に関連ある証拠の綿密な調査に基づき、与えられた状 況でこのような
特定の意思が存在しているかどうかを確定するために国際戦犯法廷が存在する。
RToPは、 定義された個別の刑事責任の論点を越えたジェノサイドの新たなより
幅広い理解がガザの状況にも適用するよう提起されたことを指摘してお く。ガ
ザで長年続いた集団懲罰という体制の累積効果は、増大する破壊をもたらそうと
計算されてきた生存条件が集団としてのガザのパレスチ ナ人に負わされている
と考えられる。このプロセスは、ガザ封鎖の継続と再建能力の拒絶をともないプ
ロテクティブ・エッジ作戦の大規模な暴 力でさらに悪化させられた。本法廷
は、事実上、ジェノサイドとなる上記第珪蓮平容擦紡个垢觝瓠砲馬西擇気譴燭
うな迫害体制の潜在的影響 力を強調する。2014年夏にガザに対して展開された
物理的かつレトリカルな暴力の明らかなエスカレーションの観点から、本法廷
は、 「ジェノサイドの諸行為の禁止と防止のために締約国が適切と認める国連
憲章に基づく措置をとること」という1948年のジェノサイド条約のすべての締約
国の責務を強調する[訳注11]。

【訳注11、 ジェノサイド条約第8条[国連による措置]には、「締約国は、国
際連合の権威ある機関がジェノサイドおよび第3条に列挙された他の行為を 禁
止し防止するため適当と認める国際連合憲章に基づく措置を執るように、これら
機関に要求することができる。」とある。】



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