[CML 034670] 本日10/26(日)毎日新聞社説「原発の賠償条約 輸出促すためではない」(ミスリードなタイトル)

qurbys at yahoo.co.jp qurbys at yahoo.co.jp
2014年 10月 26日 (日) 16:54:25 JST


紅林進です。
 
政府は10月24日の閣議で、原発事故時の国際的な損害賠償の枠組みを定めた「原子力
損害補完的補償条約」(CSC)の締結承認案と関連法案を閣議決定し、今国会での承認
を目指すということですが、 本日10月26日(日)付の『毎日新聞』は、「原発の賠償条約 
輸出促すためではない」と題する社説を載せましたが、これは「原子力損害補完的補償条
約」(CSC)が、原発メーカーを免責し、原発輸出を促進するという危険な面を正しく指摘し、
社説でこの問題を取り上げたことは積極的に評価できますが、「原発の賠償条約 輸出促
すためではない」というタイトルは、「原発の賠償条約」(CSC)は「原発輸出を促すもので
はない」というミスリードを与えかねないタイトルのつけ方だと思います。「原発輸出を促す
ものであってはならない」ならまだしもですが。

なおこの社説によると、「文科省の検討会が6年前にまとめた報告書は、CSCを『日米共通
の原子力産業の国際展開の法的基盤としても期待しうる』と位置づけていた。」とのことです。
 
                                   紅林進
                                   tkurbys at yahoo.co.jp
社説:原発の賠償条約 輸出促すためではない
毎日新聞 2014年10月26日 東京朝刊
 原発事故時の国際的な損害賠償の枠組みを定めた「原子力損害補完的補償条約」(CSC)の
締結承認案と関連法案を政府が閣議決定した。今国会での承認を目指すという。
 条約締結には、福島第1原発の廃炉作業に米国企業の参入を促す一方で、日本企業が原発を
輸出しやすくする環境を整える狙いがある。
 安倍晋三首相は成長戦略の一環として原発輸出に積極的だ。しかし、福島第1原発事故を起こ
した国として、条約締結を輸出促進の契機とするなら問題がある。優先すべきは廃炉や汚染水対
策のはずだ。締結の意義や原発輸出の在り方について、国会で十分な審議をしてもらいたい。
 CSCは、事故発生国に一定額(約470億円)以上の賠償を義務付け、その額を超えた場合は
締約国の拠出金で補完する仕組みだ。
 「異常に巨大な天災地変」の場合を除き、過失の有無にかかわらず原発事故発生時の賠償責任
を電力会社が全て負い、原発メー カーは免責される。賠償訴訟の管轄権は発生国に限られる。
米国やアラブ首長国連邦(UAE)など5カ国が加盟しており、日本の締結で発効する。
 文部科学省などによれば、米企業の従業員が福島第1原発で大量被ばくなどをした場合、米本国
で巨額の賠償訴訟を起こす懸念があった。締結で訴訟が発生国に限られれば、そうしたリスクを下
げられるという。
 このため政府は、条約加盟済みの米国企業が、福島第1原発の廃炉作業に参入しやすくなると
説明する。米政府も締結を要請していた。米は炉心溶融を起こしたスリーマイル島原発事故の経験
があり、独自の廃炉技術も持つ。福島の廃炉作業に米企業の参入が進むことは望ましい。
 ただし、日本にとって、事故時の賠償の大き な役には立たない。
 他国の事故時に日本が提供する拠出金は最大約40億円で、各国の拠出金は国連の分担金や原
発の設備容量に応じて決まる。日本での事故発生時には同70億円を受け取ることができる。これは、
福島第1原発事故の被害に比べて極めて少ない。
 効果が大きいのは、原発輸出の方だろう。日本企業の輸出先がCSC締結国なら、事故が起きても
免責される。政府はアジア諸国などに締結を働きかける方針だ。文科省の検討会が6年前にまとめた
報告書は、CSCを「日米共通の原子力産業の国際展開の法的基盤としても期待しうる」と位置づけて
いた。
 安倍政権は、原発依存度低減を掲げている。「世界一安全な原発の技術を提供できる」と輸出に前
のめりになるの は、自己矛盾ではないか。核拡散の恐れも拡大させる。政府には、慎重な対応が求
められる。


CML メーリングリストの案内