[CML 034238] チョスドフスキィ教授2篇:「イスラム国」(ISIL)は米国の構想したもの、国連は共犯2

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2014年 10月 2日 (木) 23:39:29 JST


*カリフ制プロジェクトと米国家情報会議(NIC)リポート*

プロパガンダの新たな噴出が口火を切った。現在、故人となってい るイラクと
アル=シャームのイスラム国(ISIS)の指導者アブーバクル・アル=バグダー
ディがイスラム国の樹立を宣言した: 

『グループが宣言した「カリフであるイブラヒーム・イブン・アワド」 に忠実
な戦士たち、また、つい7月1日日曜日に知られることになったアブーバクル・
アル=バグダー ディは、ラーシドゥーン・カリーファ(複数の賢いカリフたち=
訳者)に鼓舞された。それらのカリフたちは、7世紀に預言 者ムハンマドの後継
者となり大部分のムスリム世界に崇敬されている。』(デイリー・テレグラフ、
2014年6月30日)

痛烈な皮肉であるが、プロパガンダの道具としてのカリフ制プロジェクトは、10
年 以上にわたって米諜報機関で計画中であった。ブッシュ政権下の2004年12
月、国家情報会議(NIC)は、2020年 には西地中海から中央アジアおよび東
南アジアに広がる新カリフ制が現れ、欧米民主主義と西洋的価値を脅かすことに
なろうと予測していた。

国家情報会議の「討議結果」は、機密解除された「世界未来図」と題される123
ペー ジの報告書で公表された。http://web.archive.org/web/20060524021758
/http://www.dni.gov/nic/NIC_globaltrend2020.html
<http://web.archive.org/web/20060524021758/http:/www.dni.gov/nic/NIC_globaltrend2020.html>

__

「過激な宗教と一体となった政争に焚き付けられた世界の動向が、 いかに*世界
システムの基盤である西洋的規範と価値への 挑戦を成したか*という実例を新カ
リフ制は提供する。」(強調付加)

機密解除のNIC2004年報告書は、ほとんどばかげている。それは単 に歴史
的、地政学的な分析を与えるもので、諜報などではまったくない。その見せかけ
の話にもかかわらず、ISIS指導者アブーバクル・ア ル=バグダーディによる
カリフ制イスラム国家の樹立という2014年6月29日の宣言とは看過できない類似
点がある。

NICリポートは、2020年に家族の身内に宛てたビン・ラーディンの 架空の孫
の書簡のいわゆる虚構のシナリオを提示している。にもかかわらずそれは、西側
世界と西洋文明にとってカリフ制は現実の脅威である とほのめかすのだ。その
最終目標は、軍事アジェンダを続行する意図でムスリム世界を悪魔化することで
ある:

以下に描かれた架空のシナリオは、*過激な宗教と一体になることで焚き付けら
れた世界の動向 がどのように現れたかという実例*を提供する。

このシナリオのもとで新カリフ制が宣言され、広くアピールされた 強力な対抗
イデオロギーを首尾よく前進させるのだ。

*それは、ビン・ラーディン の架空の孫から2020年に家族の身内に宛てた仮想の
手紙形式で描写されてい る。***

**

伝統的な体制および紛争と混乱から支配力をもぎ取ろうとするカリ フの闘いを
彼は詳しく語っている。全ムスリムと合衆国、ヨーロッパ、ロシア、中国との間
の外側とムスリム世界の双方でその闘いを確実にす る。多様な支援の動員に
よってカリフが成功するなら、中東にある全ムスリムの中心がアフリカやアジア
といったもっと外側に配置され、彼の アピールの効果で激しい動乱が引き起こ
される。

シナリオは、かつての歴史的なカリフ制の実際であったテリトリー全域にカリフ
が精 神的・世俗的双方の権威を確立する前に終わっている。われわれはシナリ
オの結末で、「世界未来図」に描かれた教訓を確認することになる。83ページ。 

写真キャプション:リポート90ペー ジ

この「権威ある」NICリポートはホワイトハウス、米国議会および米国防総省
に提示されただけでなく、それはまた、アメリカの同盟諸国にも手早く送られて
いた。(カリフ制プロジェクトを含む)ムスリム 世界から現れる脅威は、US-
NATO軍事ドクトリンの中にしっかりと据え置かれ ている。

NIC文書は、トップ高官に読まれることが目的であった。概して言えば、
「トップ高官」(TOPOFF)へ のプロパガンダ・キャンペーンの一部をなしてお
り、「アメリカ製」アル=カーイダ は欧米世界の安全保障にとって脅威であると
考え続ける学者や研究者ではなく、外交および軍事の上級意思決定者をターゲッ
トにしている。

カリフ制シナリオの土台は「文明の衝突」である。世論から見る と、それは世
界テロ対策アジェンダの一部として世界大に介入するアメリカに正当化を与える
ことである。

NICリポートに関連するディック・チェイニーの2004年の見解で は:

「7世紀のカリフ制を参考にしたものを再建したいと彼らは語っている。 イスラ
ム教あるいはイスラムの人々が、西洋のポルトガルとスペインから、北アフリカ
に面する地中海全域、北アフリカ全体、中東、バルカン 半島の中、中央アジア
の共和国群、ロシアの南端、インドの肥沃な地域、そして今日のインドネシア周
辺、ある意味ではバリおよびジャカルタ の端から、他方の端のマドリッドま
で、これらすべてを支配していた時期、事実上1200年 か1300年に編成されたも
の、これが世界であった。」ディック・チェイニー

地政学的観点から見ると、カリフ制は米国がその経済的・戦略的な 影響力を拡
大しようとしているその地域である。今日のコンテキストでチェイニーが説明し
ていることは、米国およびその同盟諸国が軍事的か つ諜報作戦上で直接関与す
る地中海から中央アジアに広がる広範な地域である。



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