[CML 035023] 今日の言葉 ――そもそもなぜ沖縄に米軍基地がなければいけないのか。その軍略的意味・政治史的意味のごまかしの歴史とそのことへの沖縄県民の怒りが知事選に示された(内田樹Twitter 2014年11月17日)

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2014年 11月 17日 (月) 18:22:58 JST


内田樹Twitter(2014年11月17日)から。
https://twitter.com/levinassien

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
新聞読んでたら、沖縄県知事選の結果についての分析にいらついてきました。間違っているというのじゃないんです。どうして
話がこう「せこい」のか。そもそもなぜ沖縄に米軍基地がなければいけないのか、その軍略的意味・政治史的意味について誰
も掘り下げない。沖縄に米軍基地の76%が集中し、北海道に一つも基地がないのは、日本列島に展開された米軍基地構想
が「対ソ戦」を想定していたものだからでしょう。それ以外に説明のしようがない。ソ連軍が北から侵攻してきて、自衛隊を撃破
して、九州南端まで到達しても、まだ米軍主力は沖縄に温存されている。そのための沖縄への基地集中なわけですから、米ソ
の東西冷戦構造が解体した時点で、沖縄基地の軍略的意味はまったく変わったわけです。 


でも、「沖縄基地の軍略的重要性にはなんの変化もない」と日米政府は言い続けています。地政学的環境の激変にもかかわ
らずその戦略的重要性がすこしも変化しない基地があるとすれば、それは論理的に考えて「地政学的環境とは無縁な軍事施
設」だということです。沖縄の米軍基地は「日本はアメリカの属国である」ということを確認するための政治的記号です。

在韓米軍基地は大幅に縮小されました。ソウル駅前の龍山基地は移転が決定しています。フィリピンでは米軍の海外最大の
基地であったクラーク、スービック両基地がフィリピン政府の要求で返還されました。西太平洋のアメリカの同盟国の基地の
かたちはそのつどの政情に応じてどんどん変わっています。別に韓比両国が「平和志向」になったわけではありません。米軍
がいると「鬱陶しい」と思えば「出て行け」と言い、軍事支援が要ると思うと「戻って来てくれ」と言う。そういう身勝手な話です。
まず自国の国益、ついで同盟国の事情に配慮する。それが「ふつうの主権国家」のやり方です。

日本だけが違います。国際政治の環境がどれほど変わっても「沖縄基地の軍事的重要性に変化がない」という話になってい
る。ですから、このあと例えば、北朝鮮が民主化しても、中国やロシアが衰微しても、「沖縄基地の軍事的重要性には変化が
ない」とアメリカは言い続けるでしょう。それは沖縄が日本がアメリカに差し出した「従属国の人質」だからです。東アジアの地
政学的環境がどう変わっても、日米関係が主従関係である限り、沖縄の米軍基地は返還されない。100年経ったも返還され
ない。そのことへの怒りが知事選に示されたのだと僕は思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



CML メーリングリストの案内