[CML 034770] 今日の言葉(3)――北星学園大 来年度からその元記者を雇止め。要すれば、〈わたしどもは右翼の暴力に屈することになりました〉ということだ(辺見庸「日録1―6」2014/10/31)

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2014年 11月 1日 (土) 15:13:46 JST


辺見庸「日録1―6」(2014/10/31) から。
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要旨:
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むかし、未来社に藤森さんという大学の先輩がいて、じつにたくさんのことをおそわった。(略)富士正晴や島尾敏雄を読む
ようにすすめたのも藤森さんだったとおもう。で、富士正晴がたしか31歳で応召したのが、わたしの生年の1944年で、南京
や広州、桂林を行軍したことを知る。忘れもしないのが、そのときの富士正晴のじぶんへの「誓い」である。南京大虐殺の
ずっとあとのこと。(略)富士正晴はじぶんで「強姦はすまい」と誓ったのだった。まったく泣けてくる。二等兵で中国に行き、
じぶんは強姦しないぞとわざわざ誓約したほど、そして、そう誓約するのが奇異におもわれるほどに、「皇軍」にあってはと
きに強姦がかならずしも犯罪ではなかった、ということだ。殺(殺人)掠(略奪)姦(強姦)。中国ではかつて、それが日本軍
の表象だったのだ。だから「日本鬼子」とよばれた。富士が行軍させられた南京、広州、桂林のすべてにわたしは足をはこ
んだ。けふ、堀田善衛の『時間』を読みはじめる。昭和48年の新潮文庫、15刷。(略)『時間』は掘田の作品でもなぜか目だ
たない。なんとなく目だたないようにされたのだ。権力だけでない。しもじもも、南京大虐殺を(生体解剖も)なかったことにし
ようとした。じぶんは知らぬとおもいこんだ。ジャパンはそういふ、あるしゅ不気味な浸透圧の社会なのだ、むかしから。(略)

従軍慰安婦報道にかかわった元朝日新聞記者が非常勤講師をつとめる北星学園大が、来年度からその元記者を雇用し
ないことにするらしい。やっぱり。田村学長は「学生の安全と平穏な学習環境をまもることが最優先」と強調。大学祭などの
警備に多額の費用がかかったこと、学生からの批判や受験生の保護者から問い合わせがあったことを理由にあげている
とか。要すれば、〈わたしどもは右翼の暴力に屈することになりました〉ということだ。暴力に屈するということは、教育機関が、
脅しや暴力の威力をみとめることにほかならない。それは教育機関じしんによる知の根本的否定だ。腰抜けども!
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東本高志@大分
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