[CML 031548] パレスチナの「分離壁」 占領下の苦難に想像力を

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2014年 5月 26日 (月) 07:38:41 JST


      檜原転石です。

テロ国家イスラエル問題については、まともな意見は少ないが、

以下は読む価値あり。


      ■社説


      パレスチナの「分離壁」 占領下の苦難に想像力を


      05月25日(日)

http://www.shinmai.co.jp/news/20140525/KT140524ETI090007000.php

 パレスチナ・ヨルダン川西岸地区。イスラエルとの境界に近いジャイユース村
は、西岸をイスラ エルから隔離するように建設された「分離壁」によって、農
地と村の家々が隔てられた。ジャーナリス


トの土井敏邦さんが撮影・監督した記録映画「侵蝕(しんしょく)」(2009
年)は、壁がパレスチナの人々に何をもたらしているかを 描き出す。

 畑へ行くにはイスラエル兵が一日3回開けるゲートを通るしかない。時には何
日もゲートは閉鎖される。ある畑ではオリーブの木を重機 が次々となぎ倒して
いく。

 分離壁は「自爆犯の侵入防止」を理由に02年からイスラエルが建設を始め
た。全長700キロに及び、西岸側に大きく食い込む。

 ジャイユース村は、水源もすべて壁の向こうになった。「土地と水を奪い、こ
こに住めなくするためだ」と村人は憤る―。

 1967年の第3次中東戦争でイスラエルはヨルダン川西岸とガザ地区を占領
した。93年、イスラエルとパレスチナ解放機構 (PLO)がオスロ合意を結
び、パレスチナの自治に道を開いたが、20年を経た今も占領は続いている。

 昨年、3年ぶりに再開したイスラエルとパレスチナ自治政府の和平交渉は、進
展がないまま今年4月の期限に至り、頓挫した。

 交渉はパレスチナ国家の樹立による「2国家共存」を目指している。その一方
でパレスチナの経済、社会の基盤は壊され、「共存」の前 提が崩されている。

 イスラエルは、オスロ合意後も西岸で入植地(ユダヤ人居住区)の建設を続け
てきた。西岸全域に広がる入植地と、至るところにある検 問所、入植地を結ぶ
ユダヤ人専用の道路網が、パレスチナの人々の生活圏を分断している。

 「テロとの戦い」を掲げるイスラエルの軍事攻撃もやまない。08年末からの
ガザへの侵攻では、空爆と地上攻撃で1400人近い住民 が死亡し、3500
軒以上の家屋が全壊した。

 パレスチナ人の自爆攻撃やロケット弾による攻撃で、イスラエルにも犠牲者が
出ているが、米国を後ろ盾とするイスラエルの軍事力は圧 倒的だ。その力で土
地を奪い、家を破壊し、生きる権利さえ押しつぶしていくような状況が、憎悪を
生み、パレスチナの若者を自爆攻撃に 駆り立ててきた。

   <連帯する行動も>

 イスラエルは、ナチス・ドイツによる虐殺に行き着いた欧州でのユダヤ人迫害
の歴史を背景に「ユダヤ人の国家」として48年に建国さ れた。それはパレス
チナ人の排除という新たな迫害を生んだ。

 建国に伴う第1次中東戦争とその後の追放政策で、90万人を超すパレスチナ
人がイスラエル領内から逃れた。帰還をイスラエルは拒否 し、西岸やガザ、周
辺国に今も多くの難民が暮らす。

 イスラエルとパレスチナの争いの奥には、過酷な占領の現実があり、故郷を奪
われたまま60年以上が過ぎる難民の存在がある。

 写真家の高橋美香さんは、分離壁への抗議行動を続ける西岸の村、ビリンを取
材してきた。そこには、村人と連帯して闘うイスラエル人 の姿もある。

 「壁の向こうの土地を返せ」「閉じ込められるのはもうたくさんだ」。村人た
ちが声を上げ、横断幕を掲げて歩く毎週金曜日のデモ。一 緒に行動するイスラ
エル人は5、6人のときも、20人近いこともあるという。

 占領を問う声はイスラエル国内でも上がっている。占領地で軍務に就いた経験
がある若者たちのグループは、自らの体験を語り、軍によ る弾圧を告発してい
る。パレスチナの元戦闘員と対話するイスラエルの元兵士たちもいる。

 彼らの行動がイスラエルの社会を動かすには至っていない。けれど、占領に異
議を申し立て、断絶を超えてパレスチナの人々と関係を築 こうとする人たちが
現れてきたことは、状況を変えていく一つの手がかりを示している。

   <日本の私たちは>

 パレスチナは日本から遠く離れている。私たちに直接何かができるわけではな
いとしても、困難な状況の中に生きる人々への想像力を持 ち、目を向け続けたい。

 今月、イスラエルのネタニヤフ首相が来日し、安倍首相と、防衛分野の協力を
進めることで合意した。日本政府はイスラエル、米国など との最新鋭戦闘機
F35の共同開発にもすでに加わっている。

 パレスチナへの武力行使に日本が加担するのを防ぐこと。それは私たちにでき
ることだ。



CML メーリングリストの案内