[CML 031389] 美味しんぼ鼻血描写問題についての私見

まっぺん mappen at red-mole.net
2014年 5月 17日 (土) 16:11:31 JST


まっぺんです。
FBに流したものを短縮して紹介します。転載・転送自由です。

鼻血が被曝によるものかどうかは議論の余地があり、僕は否定派、肯定派どちらか一方の見解に立つ者ではないけど、報道の仕方はおかしいと感じている。確たる証拠もなしに推定だけで意見を述べることが一切禁じられるのであれば、それはもはや言論弾圧に等しい。鼻血が被曝によるものではないかという意見は、チェルノブイリ事故における多数の例からの援用だと思われるが、一方、チェルノブイリの場合はもっと被曝量が高い場合であって、線量が低い場合はそのような事はないという意見もあるが、いずれも推定の域を出るものではなく、どちらかの意見が確定しているわけではない。(中略)

例えば犯罪が行われた時、確たる証拠がなければ「疑わしきは罰せず」というのが刑法の基本的考え方だ。これは現在以前に行われ、現在では完結してしまっている犯罪だから、そのように対処するべきであろう。しかし環境問題のような、犯人を特定はできないがいまだにその「犯罪的状態」が続いているような場合は、少なくとも疑うに十分と思われる要素については停止させるということである。これがリスクマネージメントの基本であるべきだ。福島全体では普通の統計的数値を超える数の子供たちに甲状腺の異常が見つかっている。また鼻血については統計的数値がどうかはわからないが「以前よりも鼻血が出やすくなった」と証言する例がある。これはまだ統計数値となってはいないと思うが、チェルノブイリでの多数の実例に基づいて福島での危険性が疑われているのは事実だ。

このように「原因」として疑わしい放射能被害については、「確かに原因が福島事故にある」と証明されるまで放置しておくのではなく、「証明されてはいないが疑わしい」という早い段階から手を打つべきなのである。リスクマネージメントとはそういう事である。「必ず起こる」とは限らない、しかし「起こるかも知れない」危険に対して警鐘を鳴らすのが危機回避の重要なカギなのである。だから、「美味しんぼ」における鼻血描写に対して「腫れ物」にでも触るような態度で表現を抹殺し、この作者・雁屋哲氏を攻撃するのはおかしい。その描写が正しいかまちがっているかにかかわらず、起こりうる可能性として許容すべきなのだと思う。表現されたものについて、それをひとつの問題提起と受け取って、こちらがどう考えるかなのであって、表現そのものを弾圧するのはまちがっている。


CML メーリングリストの案内