[CML 031257] 放射線はがん死を増やすだけではないのですが

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2014年 5月 11日 (日) 07:22:06 JST


檜原転石です。

藪田さん、こんちは。

放射線はがん死を増やすだけではないのですが(※注1)、放射線の発がんの推 
定に「しきい値なし直線(LNT)モデル」を採用して、「1mSvの 被ばくで 
10,000人中1人ががんになり、そのがんの半分が致死的」。これについてはいろ 
いろな言い方があります。

■国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告(Pub.103)の国内制度等へ 
の取入れに係る審議状況について
  http://www.nsr.go.jp/archive/mext/b_menu/shingi/housha/sonota/__icsFiles/afieldfile/2010/02/16/1290219_001.pdf

3)電離放射線の健康影響
低線量における直線反応を仮定すると、過剰のがんと遺伝的影響による損害は、 
1990年勧告に引き続き1シーベルト当たり約5%としている。

******

1Sv当たり約5%
1mSv当たり約0.005%
1mSvの被ばくで 10,000人中1人ががんになり、そのがんの半分が致死的
100mSvの被ばくで、10,000人中100人ががんになり、そのがんの半分(50人)が 
致死的
100mSvの被ばくで、1000人中10人ががんになり、その半分(5人)が致死的

■RR番号 24-02
原爆被爆者の死亡率調査 第13報 固形がんおよびがん以外の疾患による死亡 
率:1950-1997年
http://www.rerf.jp/library/scidata/lssrepor/rr24-02.htm

  ・・・47年間の追跡調査期間中、9,335人が固形がんで、31,881人ががん以外の疾 
患で死亡しており、固形がんによる死亡の 19%、およびがん以外の疾患による 
死亡の 15%が、今回延長した7年間の追跡調査期間中に発生した。約440例 
(5%)の固形がんによる死亡と 250例(0.8%)のがん以外の疾患による死亡 
が、放射線被曝に関連していると考えられる。固形がんの過剰リスクは、 
0-150mSvの線量範囲におい ても線量に関して線形であるようだ。

■[Part1] ICRP幹部にパリで会った
http://globe.asahi.com/feature/110619/01_1.html


東電の原発事故から3カ月余り。この間に日本政府がとった対策の「よりどこ 
ろ」をたどると、多くの場合、ICRPという組織に行きつく。 International 
Commission on Radiological Protection(国際放射線防護委員会)のことだ

・・・

長い期間かけて累計100ミリシーベルトの放射線を浴びた場合、将来的に致死性 
のがん・白血病になる確率が0.5%増える、というのがその答え だ。1000人の集 
団ならばがんでの死者が5人増えるという意味になる。がんになった場合の平均 
余命の損失は、平均13~20年程度とも見込む。



被曝量と発がんリスクは、ほぼ直線的に比例するという見方もとっている。累積 
200ミリシーベルトなら発がんリスクは1%。逆に20ミリシーベル トならば 
0.1%、つまり「1000人に1人」になる計算だ。

ただ、100ミリシーベルト以下の「低線量被曝」については、他の要因による発 
がんに比べリスクが小さくなるため確かなことはいえず、比例関係が 続くとい 
うのは対策をとるうえでの「仮説」だ。

・・・

■飯舘村初期外部被曝評価プロジェクトの報告

2014/04/30
http://www.cnic.jp/5809

・・・
この値を飯舘村全体(6,132人)に換算すると42.7人・シーベルトとなる。被曝 
にともなうガン死リスク係数を、ICRP(国際放射線防護委 員会)勧告に従って 
1シーベルト当たり0.055件とすると、飯舘村の人々に予測される将来のガン死 
増加は2.3件となり、米国のゴフマン博士に 従って1シーベルト当たり0.4件と 
すると17件のガン死増加となる。“日本人の2人にひとりはガンになって、3人 
にひとりはガンで死亡する”こ とを考えるなら、人口約6,000の飯舘村民のうち 
約2,000人の方は原発事故がなくてもガン死するであろう。我々のリスク評価に 
基づくと、飯 舘村の初期外部被曝はその上に2~17件のガン死を上乗させる、 
つまり約0.1から1%のガン死増加ということになる。

****

 被曝にともなうがん死リスク係数今まで通りで約5%(1シーベルト当たり 
0.05件)でもいいが、ICRPの 2007 年の勧告では、次のようなので――[・・・損害 
で調整されたがんリスクの名目確率係数として、全集団に対して 5.5×10-2Sv- 
1、また成人作業者に対しては 4.1×10-2Sv-1 の値を提案する。] 、 「被曝に 
ともなうガン死リスク係数を、ICRP(国際放射線防護委員会)勧告に従って1 
シーベルト当たり0.055件」とすると、となるようだ。

  ■被ばくによってガンで死亡するリスクについて
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/cancerRisk.html


※注1:■チェルノブイリ大惨事による 健康影響の実相:二つの報告書から
 ―― 無視され続けてきたがん以外の健康被害  崎山比早子
http://takasas.main.jp/down/Kagaku_201111_Sakiyama.pdf



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