[CML 030316] 「組織化されない”ばらけた”小さな2.26事件」の頻発が続いている ――私たちは「なにかが起こった」(ジョセフ・ヘラー)の超特急列車のもの言わぬ乗客になってはならない

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2014年 3月 19日 (水) 17:15:46 JST


藤原新也さんは「組織化されない“ばらけた”小さな2.26事件について」(2014年3月8日付)という記事において、最近の一連の事件
の特徴を「一見無目的な、そして偶発的とも見える困窮層の起こす事件が、ひとつのイデオロギーの外套をまといはじめ」ていると指
摘していました。
http://www.fujiwarashinya.com/talk/index.php?mode=cal_view&no=20140308

その記事で藤原さんが「組織化されない“ばらけた”小さな2.26事件」と呼んでいたのは次のような事件でした。

逮捕後に「社会への報復(飛行機をハイジャックしスカイツリーに突っ込む)」などと口走っていたという青年(24)が起こした柏通り魔
事件。「人をはねて殺すつもりでやった」と名古屋駅近くの交差点の歩道に乗用車が突っ込み、歩行者13人をはねた青年(30)が起
こした名古屋車暴走事件。生後8か月の長女の顔に熱湯をかけてやけどを負わせた青年(23)が起こした町田市幼児虐待事件。ア
クリフーズ群馬工場で冷凍食品に農薬「マラチオン」を混入させたとして逮捕された派遣社員の中年男性(49)が起こした冷凍食品農
薬混入事件。2008年のトヨタ系下請け契約社員の青年(25)が起こした秋葉原無差別殺傷事件。そして、「アンネの日記」の破断事
件(この事件の犯人と目される男(36)は最近逮捕されました)。

藤原さんの指摘は、上記に見るような事件を「2.26事件時代を襲った不況と不安は、(現代の)その特定の困窮階層においてのみ
非常に近似している」。「この平成にあっては貧富の階層化が起こり、富める者は富み、窮する者は大貧民のごとく社会の底辺におい
て抑圧され悶々としてストレスを溜めている」。そうした「大貧民」のストレスのはけ口として生じた「一見無目的な、そして偶発的とも見
える困窮層の起こ」した事件というべきではないか、と着眼した上で、その「偶発的とも見える困窮層の起こ」した事件が「ひとつのイデ
オロギーの外套をまといはじめ」ているという藤原さんの目で見た現在の「右傾化」するニッポンへの強い危機意識と危惧の念を表明
し、警告を発するものでした。

藤原さんは上記の指摘に続けて次のように言っています。

「連行の最中「ヤフーチャット万歳!(ネットアンダーグラウンド礼賛とも受け取れる)」「ジョアク(除悪)連合万歳!」と叫んだ竹井聖寿
容疑者が「大日本帝国万歳!」と叫びいつつ、イデオロギーという鎧を纏いはじめてもおかしくないということである」。

その「イデオロギーの外套をまといはじめた事件として注視しておかなくてはならない」と藤原さんが警告を発していた「アンネの日記」
破断事件の容疑者とみられる男はつい先日逮捕されました。容疑者は東京都小平市に住む無職の男(36)。この男は、ジュンク堂
書店池袋本店にビラを貼る目的で立ち入ったとして別件で逮捕された無断ビラ貼り(建造物侵入)容疑のときは同ビラに漫画家の写
真が添えられ、「アシスタントとゴーストライターは違います」などと意味不明の言葉が手書きされていたといいます。また、そういうこと
を含めてこの男の供述にはあいまいな点が多く、この男を逮捕した警視庁捜査1課は刑事責任能力の有無についても慎重に調べて
いるといいます。この男にも「大貧民のごとく社会の底辺において抑圧され悶々としてストレスを溜めて」いた疑いが濃厚です。それも、
相当に精神を犯されていた気配が濃厚です。でなければ、「アシスタントとゴーストライターは違います」などという意味不明の言葉は
叫ばないでしょう。そして、かつ、その精神の犯されようには右翼的な「イデオロギーという鎧」が纏わりついている。やはり、上記にあ
げた犯罪の構造と似ています(「アンネの日記:破損容疑、書店侵入の男再逮捕 供述通り紙片発見」毎日新聞 2014年03月14日)。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140314dde041040046000c.html

これも先日来問題になっている「外国人お断り」の浦和レッズ差別主義横断幕問題についても同様のことが言えそうです(「『外国人
お断り』-浦和レッズのゴール裏に差別主義横断幕」連載jp 2014.03.08)。
http://rensai.jp/?p=67645

さらに神戸市が「中立性損なう」という理由で今年5月3日に予定されている「神戸憲法集会」の「後援」要請を拒絶した問題について
も同様のことが言えそうです。神戸市の「後援」要請拒絶は上記の「犯罪」とは少し異質ですが、右翼的な「イデオロギーという鎧」に
犯された事件としては共通しているように思います(「『政治的中立』という名目での政治的偏向」澤藤統一郎の憲法日記 2014年3月
13日)。
http://article9.jp/wordpress/?p=2259

「組織化されない”ばらけた”小さな2.26事件」の頻発は、このニッポンという国がただならぬ方角に向かって驀進している明らかな
予兆のように私には見えます。


東本高志@大分
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