[CML 030260] ウクライナ、クリミア情勢の見方 ――浅井基文さん&Paul Craig Robertsの見方

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2014年 3月 17日 (月) 11:26:53 JST


ウクライナ、クリミア情勢について、日本では、あいかわらず西側メディアの情報に偏頗した「ロシア叩き」とでもいうべき不公正
な報道に満ち溢れていますが、以下の浅井基文さん(元外交官、政治学者)の主権国家に対する内政不干渉と民族自決原則
という国際法上の二大原則のうち自国に都合のよい原則のみ主張する大国(アメリカ、ロシア双方を含む)のご都合主義、また、
クリミアの独立についての「米欧諸国の身勝手な二重基準」の指摘は、この問題を公正に考えようとする上で大変参考になりま
す。また、「マスコミに載らない海外記事」(2014年3月16日付)に掲載されたPaul 
Craig Roberts(ウオール・ストリート・ジャーナル
元共同編集者)の論は私はやや極端にすぎるのではないかという感想を持ちますが、その点は措いておいて、この論も参考に
なります。本エントリは「教わることの多い『ウクライナの危機』に関して日本のマスメディアの報道とは違う浅井基文さん(政治学
者)、岩月浩二さん(弁護士)、田中宇さん(ジャーナリスト)の三人の『識者』」の見方」の続きとして書いています。

■ウクライナ情勢(中国政府の立場と見解)(浅井基文 2014.03.16)
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2014/585.html

前のコラムでクリミア問題を取り上げましたが、ウクライナ情勢そのものに関しても、中国は重大な関心を持って見守っています
し、習近平政権になってから積極外交を推進する姿勢を鮮明にしていますが、そのことはウクライナ問題についても如実に示さ
れています。このコラムでは、中国外交部HPが掲載した習近平主席、李克強首相、楊潔篪国務委員(外交問題担当)、王毅外
交部長、程国平外務次官の各国カウンターパートとの会談における発言、王毅の記者会見発言及び外交部スポークスマンの定
例記者会見での関連発言を紹介します。

主権国家に対する内政不干渉及び領土保全という原則は国連憲章に規定されている国際法上の大原則です。他方、前回紹介
しましたように、民族(人民)自決原則もまた国連憲章で確認された国際法上の大原則とされています。クリミア問題の難しさは、
前者の原則を全面に押し出すウクライナ暫定政権及びこれを支持する米欧諸国と、後者の原則を押し出すクリミア自治共和国
及びこれを支持するロシアとが真っ向からぶつかり合っていることです。しかも、それぞれが自らの立場を正当化する材料を持
っていますから、黒白をつけることは至難です。

中国政府は以上をふまえて、いずれか一方の側を支持するのではなく、対話と外交によるソフト・ランディングを主張しています。
中国政府がこの立場を堅持するのは、史上最良レベルにある中露関係(後述の王毅発言)を背景に、クリミア問題の歴史的経
緯(前回のコラムで一端を紹介)、米欧諸国の身勝手な二重基準(別の機会に紹介しますが、米欧はコソボの対セルビア独立を
支持したのに、クリミアでは一方的にウクライナ暫定政権(コソボ問題におけるセルビアに当たる)を支持することに対する中国
国内の批判は極めて強い)、ウクライナ暫定政権の正統性に関する疑義(中国国内では、2月21日のヤヌコビッチ大統領と反対
派(現在の暫定政権)との合意直後に、反対派がクーデター的に大統領を罷免する行動に出たことは認められないというロシア
の主張が正しいとするのが一般的)などの要素も働いているようです。したがって中国はウクライナ暫定政権とは接触していない
ようですが、他方で主権国家に対する内政不干渉及び領土保全の原則もまた中国が一貫して主張してきたことでもあり、それら
の考慮の総合的結果がこれから紹介する中国側立場となっているのだと思います。
                                                                    (以下、省略)


■ドイツ指導部の破綻、メルケル、ワシントンに身売り(マスコミに載らない海外記事 
 2014年3月16日)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-e7ed.html

2014年3月13日

Paul Craig Roberts

従順だが愚かなNATO傀儡諸国によって支えられたアメリカ政府は、ウクライナの状況を一層戦争に近づけている。

ドイツのメルケル首相は、ドイツと、ヨーロッパと、世界の平和を見捨ててしまった。ドイツはEUとNATOの強みなのだ。メルケルが
ロシア経済封鎖に“ノー”と言っていれば、アメリカ政府が醸成している危機は終わっていたろうが、危機が戦争になる手前で終
える可能性は少なくなった。

だがメルケルは、ドイツ国家主権を署名して譲渡し、アメリカ帝国の州として、ドイツの運命を委ねてしまった。かくして、メルケル
と軟弱ドイツ指導部は、世界を戦争に追い込んだのだ。既に第一次世界大戦と第二次世界大戦の原因と責められながら、今や
ドイツは第三次世界大戦の原因と責められることになる。

アメリカ政府がウクライナ・クーデターの管理に失敗したおかげで、ロシアから黒海という不凍港海軍基地を奪う為、何より欲しが
っていたクリミアをアメリカは失った。更に、選挙で選ばれたウクライナ政権打倒を管理し損ねて、東ウクライナのロシアの諸都市
を失いかねない脅威となっている。東ウクライナは、クリミア同様、1950年代に、フルシチョフがウクライナにつけた旧ロシア地域
だ。

クリミアを取り戻すという、明らかに無益で゛無意味な取り組みで、アメリカ政府が、ロシアに、クリミアに介入して、クリミアがウクラ
イナから分離独立するのを防ぐよう要求している、。もしロシア政府がアメリカ政府の命令に従うのを拒否すれば、アメリカ政府は、
ロシアに対し“悪影響を及ぼす経済制裁”を実施すると宣言した。当初、EU諸国は、アメリカ政府に同調するのを嫌がっていたが、
賄賂と脅しで、アメリカ政府はメルケルを征服し、ヨーロッパの傀儡連中を、命令に従おうとして順番に行列させている。

アメリカ政府は、経済制裁は、ロシアにとって、黒海海軍基地を喪失するより遥かに小さな脅威であることを理解している。東と南
ウクライナの何百万人ものロシア人が、ワシントンがキエフ据えた、反ロシア派で、選挙で選ばれていない政権のなすがままの状
態で、見捨てることなど、到底プーチンにはできないことも、アメリカ政府はわかっている。アメリカ政府は経済制裁の脅威が無意
味であることを理解しながら、一体なぜそんなことをするのだろう?

危機を戦争へと押しやる為というのが答えだ。アメリカ政府のネオコン・ナチは、ロシアとの戦争を長らく煽動してきた。連中は、ア
メリカ世界覇権の制約である残り三カ国(ロシア、中国、イラン)の一国を除去したがっているのだ。これらの国々が別の通貨圏を
形成して、米ドル使用を避ける前に、アメリカ政府は、BRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)を崩壊させたがっている。

ロシアは、アメリカ政府の経済制裁に対し同様の対応をするだろう。ヨーロッパ国民と、欧米の銀行と大企業が損害を被るだろう。
ヨーロッパへのロシアのエネルギー遮断に代わって、フラッキングで、アメリカの水資源を汚染して実現した、アメリカの天然ガス
を、ヨーロッパに送る手段をアメリカが手に入れるまでには少なくともニ、三年かかるだろう。

欧米売女マスコミは、誰が喧嘩を始めたのかを無視して、経済制裁に対するロシアの対応を大げさに表現し、ロシアを悪魔化して
描き出し、アメリカ政府が、アメリカ国民を戦争にそなえさせる後押しをするのだ。どちらの側も戦争に負けるわけには行かないの
で、核兵器が使用されるだろう。勝者など存在するまい。

第一次世界大戦に至った、出来事の進展の結果が明らかだったのと同様に、こうしたこと全て、完全に明白だ。現在、当時同様
に、結果が見えている人々は、それを止めるには無力だ。妄想が支配している。おごりと思い上がりが満ちあふれている。声明と
行動は益々無謀となり、そのツケはなんとも厄介だ。

もしアメリカ国民とヨーロッパの国民が、多少でも現実を認識していれば、アメリカ政府の気の触れた犯罪人達が世界をそれに向
けて追いやっている、来るべき戦争に反対して、街頭で激しく抗議しているはずなのだ。 


それどころか、ドイツ首相、フランス大統領、イギリス首相と欧米売女マスコミは、嘘をつき続けている。欧米が、コソヴォをセルビ
アから盗み取ったり、ウクライナ政府を盗み取るのは正当だったが、クリミアのロシア住民が自決権を行使して、ロシアに戻るの
は、正当ではないのだ。アメリカとそのEU傀儡諸国は、選挙で選ばれたウクライナ政権を打倒し、選挙されていない政権を据えつ
けた後で、クリミアの自決は、アメリカ政府が破壊してしまった為、もはや存在しないウクライナ憲法に違反している等という、とん
でもない声明を出すほど大胆不敵だ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、
スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼の
インターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。(略)

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/03/13/failure-german-leadership-merkel-whores-washington/

(以下、省略)



東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
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