[CML 030081] 脱被曝

林田力 info at hayariki.net
2014年 3月 6日 (木) 22:40:37 JST


2014年東京都知事選挙において宇都宮健児(宇都宮けんじ)氏は脱原発と共に脱被曝を訴えた。宇都宮氏が脱被爆を訴えたことは、脱被曝にとってはマイナスイメージを払拭し、洗練させる効果があった。

 脱被曝という政策にとっての不幸は、放射脳カルトと反共の玩具になっていることである。放射能危険デマを拡散し、放射能詐欺で金儲けを企む悪徳業者は脱被曝を拠り所にしている。また、日本共産党を叩きたい人々も「共産党の脱原発は偽物」と主張したいがために脱被曝を持ち出している。この手の脱被曝に対して平均的有権者が胡散臭さを感じ、拒否感を抱くことは当然である。

 脱被曝がまともな政策として市民的支持を得るためには放射脳カルトと反共の玩具になっている状態を克服する必要がある。宇都宮氏は両方の問題を克服できる。まず反共の方は簡単である。日本共産党の推薦候補である宇都宮氏が脱被曝を唱えることは、「共産党は脱被曝でないからダメ」という議論の土台を破壊する。

 放射脳カルトの問題も、日弁連会長時代に福島第一原発事故被害者救済に奔走した実績から、放射脳カルト的な脱被曝と一線を画すことを示せる。放射脳カルトが嫌われる最大の理由は、福島や東日本への差別にある。放射脳カルトの言動は多くの人々の心を傷つけ、市民社会との軋轢を生んだ。しかし、被害者救済に奔走した宇都宮氏ならば脱被曝を主張しても差別を助長することにはならないと安心して支持できる。反ヘイトスピーチの活動実績も、差別助長にならない安心材料になる。

 宇都宮陣営は具体的な政策や運動面でも放射脳カルトと一線を画した。被災地復興を妨げず、被災者も歓迎できる東京オリンピック推進の公約は、放射能汚染デマと衝突する。好評だった「宇都宮けんじ2・2ベビーカー大行進@銀座」も、放射脳カルトに言わせれば放射能汚染された東京に赤ちゃんを連れ回すことは狂気の沙汰となる。これらの放射脳カルトと対立する言動も市民には安心材料になる。

 放射脳カルトへの嫌悪感は守旧派だけでなく、進歩的な住民運動にも広がっている。世田谷区の住民運動主催のシンポジウム「せまりくる危険から身を守る〜防災の日にみんなで考えよう〜」(2012年9月1日)では大久保利晃・財団法人放射線影響研究所理事長が「放射能による健康リスクとフクシマ・せたがや」と題して講演し、放射能危険デマや軽率な自主避難を戒めた。

このシンポジウムを主催したグループは他区に先駆けて重層長屋規制条例を推進した人々を中心とする。まちづくりについて先進的に取り組む人々によって上記内容のシンポジウムが開催されたことは、反放射脳カルトの社会意識を示すものになる。

 脱被曝を政策として唱える場合、被害者救済の視点を持つか否かが、市民的支持を得るためのメルクマールとなる。脱被曝を唱えるとすれば、福島県民も支持できる脱被曝が求められる。
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林田力Hayashida Riki
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