[CML 029991] IK改憲重要情報(40)

河内 謙策 kenkawauchi at nifty.com
2014年 3月 2日 (日) 20:44:05 JST


IK改憲重要情報(40)[2014年3月2日]

 私たちは、内外の改憲をめぐる動きと9条改憲反対運動についての情報を発信しま
す。(この情報を重複して受け取られた方は失礼をお許しください。転載・転送は自
由です。)
   
弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策

連絡先:〒170-0005東京都豊島区南大塚3-4-4-203 河内謙策法律事務所
(電話03-6914-3844,FAX03-6914-3884)

 弁護士アピールを支持する市民の会
 http://2010ken.la.coocan.jp/kaiken-soshi/


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 ウクライナ情勢  オフショア・コントロール

 皆様御存知のように、ウクライナ情勢が緊迫しています。CNNは、ロシア議会は
プーチン大統領が求めたウクライナへの軍事介入を承認した、と伝えています。
http://www.cnn.co.jp/world/35044656.html

  私は、ウクライナについて勉強をしていないので、マスコミが伝える以上の情報を
もっていません。以下のサイトは、ウクライナの地政学的位置を強調しているので、
皆様が一読する価値があるかも分かりません。
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50722585.html

 私は、大国のはざまにあるウクライナの命運が日本の命運と重なって見えます(日
本は小国ではありませんが)。私が特に心配するのは、欧米諸国が適切な手段をとら
ないうちに(非軍事的手段を追求することは賛成ですが)、ロシアの侵略が既成事実
化することです。そうなれば、シリアに次いでアメリカ外交の衰弱が明らかになり、
ロシアをまねようという国が次々に出てくるのではないかと恐れるのです。習近平や
金正恩は、今頃はテレビに釘付けでしょう。

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 私は、日本の集団的自衛権問題を考える前提として、アメリカの軍事戦略、とくに
2012年1月のオバマ演説を基礎にした新軍事戦略(エア・シー・バトル)を重視しな
ければならない、と考えています。  
 ところが、最近、インターネット上で、アメリカの軍事戦略が、エア・シー・バト
ル戦略からオフショア・コントロール戦略に変わったかのような論調が散見されま
す。それで、皆様に対する問題提起の意味で、私見を書いてみることにします。

 まず、エア・シー・バトル戦略とは何か、ということですが、中国の接近拒否・領
域拒否戦略に対抗して、中国側の主要拠点に対する空と海からの攻撃能力の大幅増
強・積極的な攻撃能力の強化(中国の新型ミサイルを破壊するための共同作戦やサイ
バー攻撃等)が企図されています。
http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/review/1-2/1-2-8.pdf

簡単な解説としては、以下のサイトを見てください。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A2%A1%A6%A5%B7%A1%BC%A5%D0%A5%C8%A5%
EB

やや詳しい解説としては、以下のサイトを見てください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/gaikou/vol2/pdfs/gaikou_vol2_10.pdf

 このエア・シー・バトル戦略を批判して、米国防大研究所のT・ハメスが提唱した
のが「オフショア・コントロール」戦略です。
「中国の領空・領域に侵入して中国本土のインフラや軍事拠点を破壊することはしな
い。海上貿易を阻止して、経済的に疲弊させ、同盟国を防衛することが最大の狙い」
と言われています。

簡単な解説は、以下のサイトを見てください。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131102/amr13110208270002-n1.htm

詳しい内容は、以下のサイトを参考にしてください。
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50688844.html

エア・シー・バトル戦略は、いまだ開発中の戦略で全貌がはっきりしないこと、同戦
略が秘密のベールに覆われていることもあって、エア・シー・バトル戦略とオフショ
ア・コントロール戦略は、どちらが優れているか、両戦略の関係如何という論争が、
アメリカと日本の防衛関係者の間で起こったようなのです。
 地政学研究者の奥山真司氏は、どのように戦争を終結させるかという理論をもつ等
の理由によりオフショア・コントロール戦略に軍配をあげ、エア・シー・バトル戦略
は戦略ではないし、「兵器の戦術的な使用の仕方を説明しているにすぎない」と断言
しています。
 http://geopoli.exblog.jp/18278524/

 私は、エア・シー・バトル戦略と異なり、オフショア・コントロール戦略は、いま
だ公的に権威づけられたものでないこと、
エア・シーバトル戦略は単に武器使用の問題にとどまるものではないことを重視すべ
きだと考えます。
 私の考えに近いのは、以下のサイトの見解です。
http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/topics-column/col-049.html

 日本の民衆運動にとっては、どちらが優れているかは、あまり意味がありません。
私が重視したいのは、エア・シー・バトル戦略においては、一旦、米軍が、中国の攻
撃をさけて後方に下がる、ということです(オフショア・コントロール戦略も同様な
気がします)。もっと明確にいえば、沖縄の米軍は、本格的な米中対決になったら、
沖縄の基地をすてて、グアムなどに逃げる、沖縄は中国人民解放軍の占領にまかせる
(日本の自衛隊が守るかどうかは不明です)ということです。このことは、本当に重
要なことです(誰かこのことを具体的に国会で追及する国会議員はいないでしょう
か)。沖縄の民衆にとっては、基地を押し付けられた上に、決定的な段階で、沖縄民
衆の生命財産を米軍が守らないというのでは、踏んだり蹴ったりなのです。(日本本
土も後退線の内側になる可能性もあります)。これほど日米軍事同盟が米軍とアメリ
カをまもるためのものであり、日本と日本の民衆を守るためのものではない、ことが
裏付けられている事例は有りません。
 以上は河内の推論です。トム・クランシーの「米中開戦」でも、中国の恫喝にたい
して、米軍がいったん後退することが明確に書かれています。

 私はエア・シー・バトルについて、昨年3月の「IK改憲重要情報(6)」で問題
提起をさせていただきましたが、エア・シー・バトルについての平和運動内の議論
は、なぜか極めて低調です。昔の平和運動は、アメリカの世界戦略について、口角泡
を飛ばして議論したものです。あのような日々は、もう戻ってこないのでしょうか。

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                 以上









 





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