[CML 032235] 朝日新聞:軍関連にもODAを 有識者懇提言、民生支援限定を転換

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2014年 6月 27日 (金) 15:11:24 JST


朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASG6V5Q6LG6VUTFK00C.html

軍関連にもODAを 有識者懇提言、民生支援限定を転換

2014年6月26日22時05分

 政府の途上国援助(ODA)の見直しについて、外務省が設けた有識者懇談会(座長=薬師寺泰蔵・慶大名誉教授)が26日、報告書を出した。災害救助などの軍事でない分野であれば、これまで禁じてきた外国軍への支援を認める内容だ。安倍内閣は報告書を踏まえ、年内に新しい大綱を閣議決定するが、実現すれば、途上国への民生支援に限って60年近く続けてきた日本のODA政策の大きな転換になる。

 政府は、軍隊に関係する支援をODAで行うことを一切禁じてきた。2003年に改定された今のODA大綱には「軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する」と書かれており、この規定に基づいている。今回の報告書は、この規定の維持は「当然」とした。

 ただ、現状はODAを通じて支援国の軍隊に武器ではない物資を送ったり、軍人に救援など軍事と関係のない技術指導をしたりすることも禁止されている。

 報告書は、こうした現状を念頭に「軍隊の非戦闘分野での活動も広がっている」と指摘。災害救助や、遺棄された地雷除去など軍事目的でない分野なら「軍が関係しているがゆえに一律に排除すべきではない」とし、支援を認めた。一方で武器を送るなど、軍事目的は引き続き禁じた。

 安倍内閣は、外国軍への支援が解禁されれば、災害対策を担う軍人を育てたり、巡視船を提供したりすることで、国際貢献できる範囲が広がるとする。

 一方で、東南アジア諸国と連携し、中国を牽制(けんせい)する狙いもある。外務省幹部によれば、外国軍への支援が解禁されれば、南シナ海をめぐって中国と対立するフィリピンなどで災害時に利用するとして軍民共用の港の整備を支援することも検討しているという。

 報告書はさらに、国民1人当たりの所得が国際基準を上回り、ODAを「卒業」した国にも支援を広げるように求めた。安倍内閣は東南アジア諸国のほか、エネルギーを頼る中東の産油国への支援の拡大を検討。政府関係者によると、こうした国を日本に引き込み、海上交通路(シーレーン)の安全確保に活用する場面を想定しているという。ここでも世界各国で多額の経済援助をする中国を意識している。

     ◇

 〈日本の途上国援助(ODA)〉 途上国に向けた個別の国への支援と国際機関にお金を出す場合の2種類がある。個別の支援では、道路や橋などの社会基盤整備に低い金利で融資する有償資金協力(円借款)▽学校建設やNGO支援などに提供する無償資金協力▽人材育成や専門家派遣などの技術協力と大きく三つに分けられる。政府が2012年にODAに使ったのは8464億円で、米英独仏に次ぐ世界5位。 		 	   		  


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