[CML 032011] ローマ法王パレスチナ訪問2題(その2)
Yasuaki Matsumoto
y_matsu29 at ybb.ne.jp
2014年 6月 17日 (火) 21:21:45 JST
もうひとり のイスラエル首相ゴルダ・メイアは、1969年 に英国の全国紙サン
デー・タイムズ に次のように語りました。*「まるでパレスチナにパレスチナ
の人々がいたというわけではあるまいし、われわれが来て彼らを追い出し彼らの
地を取り上げただけだ。」*彼女は言 いました。*「彼らは存在しなかった。」***
この拒絶の 方法論は、最近のシオニスト指導者の一群によって今日も継続して
います。オスロ合意以降、イスラエル閣僚の多くのメンバーに擁護され保護 さ
れた入植運動の形態をとってパレスチナに対する植民地化と民族浄化の新しい顔
が現れました。
はっきり言 えば、ウクライナ出身の悪党アヴィグドール・リーベルマン外相
は、西岸にあるこれらの植民地主義者の不法入植地のひとつノクディムに住ん
でいます。
シオニストたちによれば、上に述べたすべてが彼らの特別な 神によって定めら
れています。ウラディミーリ・ジャボティンスキーが語ったように、*「われわ
れユダヤ人は神に感謝す る。東に欲しいものは何もない。イスラームの魂はエ
レツ・イスラエルから一掃されねばならない。」***
イスラエル のすべての前提は彼らが東に属していたことだったと私は考えまし
た。それゆえ、現在のイスラエル首相ネタニヤフ氏によれば、多くの儀式に お
ける声明では彼らは占領者ではなく帰還者であると言うことらしいのですが、
どっちなんでしょうね?
あ らゆる機会に、あらゆるところで、イスラエルの人々はホロコーストを引き
合いに出します。彼らの叫びは「二度と御免だ」です。私は同意し ます。それ
は世界 の誰にもどこでも二度と起こってはならないことです。イスラエルの
人々が故意に忘れていることは、そのホロコーストにパレスチナ人がまっ たく
何の役割も果 たしていなかったことです。
その証拠 に、シオニズムは、ホロコーストに先立つ50年 前、その先住民所有者
パレスチナ民 族からパレスチナを強奪することを正当化するために、利己的に
神を利用した無神論者によって考案されたものでした。
私 たちは今なお、イスラエルの人々のせいで私たち自身のホロコーストを被っ
ています。さらに、もし普遍的に認められている人権を訴えたり抵 抗したり頭
をもた げようものなら、イスラエルのもうひとつの植民地アメリカ合州国議会
によってテロリストの烙印を押され、私たちは野蛮な力で押さえつけら れるの
です。これ は悲劇的な皮肉です。
1948年 のイスラエル国家創設以来、徐々に ですが、パレスチナの状況は非常に
悪くなっています。さらなる虐殺と殺戮、家屋破壊と経済基盤の破壊、土地の没
収、牧草地の焼却、何百年 も育っているオリーブの老木の根扱ぎ、農 地の汚
染、強制退去、男たち・女たち・子どもたちに対する裁判なしの投獄と囚人の拷
問、自然資源の窃盗、ユダヤ人専用の入植地と道路 の建設、検問所、挙句の果
てに、ジャボティンスキー氏が何年も前に必要な鉄の壁と語っていた分離壁。
キリスト教 徒とイスラム教徒双方の聖地に対する冒涜が同じペースで続いてい
ます。2,3日 のうちに、フランシス法王が聖地を 訪問するといいます。入植地
の狂信者たちは、彼らの神が他者のものより勝っていると優越性を証明するため
「値札(プライス・タグ)」攻撃 (注1) と称するもので、人種差別のスロー
ガンや冒涜の言葉を教会やモスクに吹きかけました。
【訳注1、「値札(プライス・タグ)」攻撃: 過激入植者による「値札」攻撃は
「価格を支払え」という脅迫のメッセージ。アリエル・シャロンの首相時代2005
年8月 のガザ地区の入植地撤去に対するユダヤ人入植者の抗議に始まるが、その
後、西岸でこの暴力的なキャンペーンが広がった。主にパレスチナ人 の村落や
農地、オ リーブ、家畜、車など資産の破壊、殺人を含む人身攻撃、キリスト教
会やイスラム教モスクの破壊などを攻撃目標にしている。ときには、入植地を縮
小しようとするイスラエル 政府や彼らを取り締まるイスラエル警察、治安部隊
に対しても「値札」攻撃がなされる。イ スラエル政府は公式には彼らの暴力行
為を非難しているが、彼らが逮捕され処罰されることはほとんどない。何千本も
のオリーブの樹を焼 き尽くしたり、何十頭 もの妊娠した羊を焼却したり、モス
クや教会に放火したり、狼藉を重ねては「アラブ人を殺せ」「アラブ人に死を」
などとともに「値札 (プライス・タグ)」の 落書きを残していく。】
私がこれを 書いているときにも、アル・アクサ・モスクとイスラーム第三の聖
なる寺院、岩のドームとともに8世 紀に造築されたハラム・アッシャ リーフ
(神殿の丘)の敷地内でユダヤ人の儀式や祈りをできるよう入植者やその他の者
たちに許可する法案をイスラエル議会(クネセト)が通 過させようとしています。
さらに危険 なことに、この古代の最も神聖な場所を実際に破壊して入植者たち
が第三神殿と呼ぶものに置き換える計画もあります。このイスラエル人の特別な
神のさらにもうひとつの具体化とし て、私たちのすべての上に力づくでそれを
設置するというのです。
ナクバ(NAKBA) が起きたとき、私は5歳 でした。75万 人のパレスチナ人が、
シオニスト・ ギャング団によって彼らの故郷から強制的に追放されました。そ
して、500以 上の町や村が地図上から抹消されま した。この悲劇は、終りも見
えず今なお進行中です。
この特別な神の改造によって、たとえどんなにパレスチナ人 の犠牲者が増えよ
うとも、それは十分ではありません。イスラエル人はゲームのルールを変え続け
ています。そしてワシントンのコーラスはその承認をオウム返 しに繰り返しま
す。すべてが、この特別な神によって命じられたように。
ジャボティンスキー氏が1923年に返事を書いたように:*「将来の合意への唯一
の道は、合 意に向かう現在のどんな試みをも無条件に拒絶することである。」*
わ が同胞よ、こうした心的態度の人々と和平を前に進める努力は、事実上の不
可能事であるというのは今日明らかなことです。これらの会談の発 案者につい
てあな た方が何も知らないなら、あなた方の敵対者の大義名分の勝利です。ど
うか、蜃気楼を追って無駄な時間と資源を浪費するのを止めてくださ い。
どうか、4週 間前に署名した(注2) 真実で強固な前進的方針という統一 合意
を実現させてください。地位と目的の統一なしには、すべてが失われるでしょう。
【訳注2、4週間前に 署名:2014年4月23日に発表さ れたPLOとハマースの和
解声明。】
シオニスト とその支持者たちが非常に早い段階から私たちに対して展開した、
そしてまだ終わっていない、これが究極の対抗手段です。
聖書、欽定訳、申命記1章7節:*「身をめぐらして道に進み、アモ リびとの山地
に行き、その近隣のすべての所、アラバ、山地、低地、ネゲブ、海べ、カナンび
との地、またレバノンに行き、大川ユフラテ にまで行きなさい。」*
まことに、 じつに特別な神ではある。
Source:Salem-News.com
<http://www.salem-news.com/articles/may212014/particular-god-jr.php>
(以上、 翻訳終り)
【ご参 考:著者の申命記の引用個所につづいて、8節は*「見よ、わたしはこの
地をあなたがたの前に置いた。こ の地にはいって、それを自分のものとしなさ
い。これは主が、あ なたがたの先祖アブラハム、イサク、ヤコブに誓って、彼
らとその後の子孫に与えると言われた所である』。」*となっている。ユ ダヤ教
を利用するシオニストたちが典拠とする個所のひとつでもある。】
(その3に つ づく)
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