Re: [CML 031816] Re2: 美味しんぼ「鼻血問題」 福島出身の弁護士はどう見たか? ――石森雄一郎弁護士の問題提起は美味しんぼ「鼻血問題」議論の結論になりうるものではないか

森中 定治 delias at kjd.biglobe.ne.jp
2014年 6月 7日 (土) 23:11:19 JST


東本様
 
>たとえ専門家であっても、そして、そこで問題になっていることがらがたとえ「現在の通説と大きくかけ離れたものであっても、これを『真実と異なる』と簡単に断じることはすべきではない」ということでした。で、あるならば、素人ならば、すなわち一般人であるならば、素人は専門家と比べて専門的知識は圧倒的に少ないわけですから専門家さえ「簡単に断じることはすべきではない」ことならばなおさら「簡単に断じることはすべきではない」というように判断するのがふつうの態度というものではないでしょうか?
 
ここがおかしいと思います.専門家や権威は,それをそのまま信じる人がいてもおかしくはないでしょう.なぜなら、そのことに精通していると社会全般が認めているのですから.そういう自覚をもてば,偏りのない公正な結論を出すべく心がけが一番重要であることは当然のように思います.
一般人は,関心の高い人は当然ながら自分の意見を述べようとします.断定もするでしょう.自分が直接利害をもつこと以外,関係ない!知らない!では本当に寂しい世の中です.それはまさに利己的人間の社会と言えるでしょう.一般人が,この世の様々な事象に広く関心をもち考え意見を述べる社会が望ましいと私は思います.私たちは非専門家だ!専門家の意見を信頼してそれに従おうではないか・・こういう盲目の姿勢が専門家の気のゆるみを誘い,今回の福島の事故の原因になったという反省をもう忘れてしまったのでしょうか.

けれどもそれは,あくまで非専門家,権威でない方の意見であり,当然ですが受け取り側が知っています.無論,先のメールにも書いたように,悪ふざけは許されませんが,そうでなければ受け取る側が,一般人が考え書いたものだと知っているが故に問題ないでしょう.
それは,一般人が書いた内容が専門家の内容に劣るものであることを意味しません.“○○村”と言われますが,専門家の集団が私利私欲から(例えばお金をくれるとか,出世させてくれるとか),調査の結果を歪めてしまうこともこの社会には多々あります.またそうでなくとも専門家任せの姿勢では,専門家の油断を導くでしょう.そんな場合は,その専門家集団の結論よりも,一般人の率直な直感の方が正鵠をつくでしょう.
 
先に述べたノバルティスの医学知見の事例は,まさにその道の超専門家,権威者が集団でデータをある方向に歪めた結論を導いたかどうかが問われています.こういうデータはものすごい微妙なのです.そのデータが公開されて,素人がつぶさにそれを見ても簡単には見抜くことができないと思います.それゆえにそのデータを解析し結論を出す専門家が,ある特定の結果が欲しい団体からお金をもらっていたとか,お金をもらっていずとも関わっていたとか,それが考慮される訳です.これが「利益相反」の意味です.
 
国会議員の公開の席上での「鼻血」の発言は,その国会議員の立場がどうであれ,明らかに今回の「鼻血問題」のずっと前の事象であり今回の「鼻血問題」との脈絡はありません.一方,医師会の調査は3万件以上,過去のデータを多数含むということですが,「鼻血問題」が起こった後の対応であり,今回の「鼻血問題」との深い脈絡があります.前回も書きましたが,安全だ!安全だ!というデータを見せられても疑惑は消えないのです.データを公開するから文句があるならそちらで調べろと言われても,3万件以上のデータを,そんな時間も労力も取れず無理です.また先に書いたノバルティスの知見のように,素人がぱっと見せられて,どうだ!間違いないだろう!問題ないな!と言われても判断不可能です.また素人がそんな無理な判断をする必要はないのです.
 
森中


On 2014/06/07, at 10:40, higashimoto takashi wrote:

> (承前)
> 
> 第3。第1の点は基本的に「異議はありません」ということですので、この点については私もこれ以上言及しません。
> 
> 第4。第2の点について。「大学の教授や医師などその分野の専門家ではなく,著者は一般人です.一般人が自分はこう思うと断定
> しても,私は問題なかろうと思います」というご意見には賛成できません。森中さんは第1の点については基本的に「異議は」ないと
> いうことでしたが、その第1の森中さんのご主張とこの第2の森中さんのご意見には矛盾があるように思います。
> 
> というのはこういうことです。第1で私たちが確認したことは、たとえ専門家であっても、そして、そこで問題になっていることがらがた
> とえ「現在の通説と大きくかけ離れたものであっても、これを『真実と異なる』と簡単に断じることはすべきではない」ということでした。
> で、あるならば、素人ならば、すなわち一般人であるならば、素人は専門家と比べて専門的知識量は圧倒的に少ないわけですから
> 専門家さえ「簡単に断じることはすべきではない」ことならばなおさら「簡単に断じることはすべきではない」というように判断するのが
> ふつうの態度というものではないでしょうか? それを森中さんは「一般人が自分はこう思うと断定しても,私は問題なかろうと思いま
> す」とふつうの判断とは真逆の判断を示します。しかし、私は、その判断は違うと思います。それを私は「矛盾」と言っています。
> 
> かつ、この『美味しんぼ』の作者の場合はふつうの一般人とは違います。何十万人単位の読者を持つ人気漫画の原作者です。その
> 影響力の大きさを考えるとなおさら軽々に「断定」することはすべきではないということがいえるでしょう。しかも、『美味しんぼ』は漫画
> ではあってもドキュメンタリータッチの要素が強い読み物です。そうであればその「断定」をフィクションということはできませんし、読者
> もそう思って読まないでしょう。それが今回の『美味しんぼ』騒動です。「自分はこう思う」という主観的事実でしかないものを「いとも簡
> 単に客観的事実として『断定』する表現姿勢が問題」という石森弁護士の指摘は当然の指摘というべきではないでしょうか。私はそう
> 思います。
> 
> 第5。相馬郡医師会の鼻血に関する調査結果について。森中さんは「鼻血問題の騒ぎが起こる前に国会議員が公開の席上で鼻血
> を言明したこと,井戸川さんが鼻血が出ると言ったことよりも,相馬郡医師会がまとめた3万件以上の調査の結論の方が明らかに
> 信用がおけると主張されます.なぜそう断定できるのですか?」と疑問視されますが、「極めて限定された人の意見を聞いただけ」で
> 構成される事実判断よりも「4市町村の住民のべ3万2千人余りが受けた健康診断」結果の方に「鼻血」の信憑性について軍配をあ
> げるのは当然のことです。
> 
> 「相馬郡医師会はいつ調査を行ったのですか?鼻血問題が大騒ぎになった後で緊急にまとめたのではないのですか?」という点に
> ついても疑問視されていますが、今回の相馬郡医師会の調査結果は同医師会に所属する病院の3・11以前からの健康診断ファイ
> ルをまとめたものであることは先月30日の自民党環境部会での調査結果の発表の際にその説明に当たった南相馬大町病院院長
> も証言していることですし(ビデオで確認できます)、なによりも同調査結果資料に3・11以前の2010年(平成22年度)の南相馬大
> 町病院と公立相馬総合病院の「総受診者と鼻出血人数」の健康診断結果があることからも「鼻血問題が大騒ぎになった後で緊急に
> まとめた(捏造した)」ものではないことは明らかです。その公的機関の調査結果を疑う理由はありません(公的機関の調査結果をあ
> 熊でも疑問視するのであれ元データの情報開示請求をすることは可能ですし、それに不服ならば裁判をすることもできます。そういう
> リスクを冒してまで公的機関がうその調査結果を発表するということはまず考えられません)。
> http://livedoor.blogimg.jp/satsuki_katayama/imgs/d/f/df7c1f44.jpg
> http://livedoor.blogimg.jp/satsuki_katayama/imgs/d/a/da3accfe.jpg
> 
> 
> 
> この調査は鼻血問題の沈静化つまり幕引きを明確な目的としたものであることが容易に分かるし,そうではないと言い張っても,そうではないことを証明できません.
> 
> 
> 
> 相馬郡医師会はいつ調査を行ったのですか?鼻血問題が大騒ぎになった後で緊急にまとめたのではないのですか?この調査は鼻血問題の沈静化つまり幕引きを明確な目的としたものであることが容易に分かるし,そうではないと言い張っても,そうではないことを証明できません.研究あるいは調査の意図があって,その意図に沿った結果を出す.これを「利益相反」というのです.地方の医師会どころか,名だたる大病院や医科大学がいくつも集まって出した結果が「利益相反」と毎日のように新聞を賑わしているのを知りませんか.「バルサルタン」という名前はあまりに新聞で大きく出るので,とうとう覚えてしまいましたよ.
> 
> 
> 
> 
> 
> 
> 
> 
> 
> 東本高志@大分
> higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
> http://mizukith.blog91.fc2.com/
> 
> From: 森中 定治
> Sent: Friday, June 06, 2014 10:30 PM
> To: 市民のML
> Subject: Re: [CML 031800] Re1: 美味しんぼ「鼻血問題」 福島出身の弁護士はどう見たか? ――石森雄一郎弁護士の問題提起は美味しんぼ「鼻血問題」議論の結論にな
> りうるものではないか
> 
> 東本さん,さっそくの返信有り難うございます.
> 
> 第1については異議はありません.
> 文章の書き方は引っかかるところがあります(例えば現在の医学的通説と大きくかけ離れ・・など)が,多様な意見,可能性を慎重に検証する・・は必要だと思います.
> 
> 第2については,大学の教授や医師などその分野の専門家ではなく,著者は一般人です.一般人が自分はこう思うと断定しても,私は問題なかろうと思います.例えば,福島に住む人を苦しめてやろうとか,本心では思ってもいないことを面白半分で書くとか,そう言うことであれば,つまり真に悪意から出た嘘や不真面目な行為であれば私は許すことができません.しかしそうではないことは明らかです.”いとも簡単に,そして安易に”と言われますが,以前マンガを見た時の記憶では地元にも出向いて自分なりに調べていたと思います.
> 
> 森中
> 
> 
> On 2014/06/06, at 20:58, higashimoto takashi wrote:
> 
>> 森中さん、コメント拝見しました。
>> 
>> いろいろな観点からのご意見を述べておられますが、論点を整理したうえで議論させていただきたいと思います(そうでないと議論
>> が拡散してしまいます)。何往復かやりとりをしなければならなくなると思いますが、その点はご容赦ください。
>> 
>> 第1。石森弁護士の「仮に作中の『放射性物質の影響で鼻血が出る』という意見が、現在の医学的通説と大きくかけ離れたもので
>> あっても、これを『真実と異なる』と簡単に断じることはすべきではないでしょう。今後の福島の状況を慎重に判断するためには、
>> 『美味しんぼ』に出てくる意見を簡単に否定することはむしろマイナスで、多様な意見、可能性を慎重に検証する姿勢は絶対に必要
>> です」という第1の問題提起については森中さんはどう考えられますか? この点についてはご異議はないだろうと思いますが、念
>> のためお尋ねします。
>> 
>> 第2。石森弁護士は第2の問題提起として「『美味しんぼ』の作者は、『福島は危険』『福島に滞在することで鼻血が出る』という意見
>> をもつ双葉町前町長や岐阜環境医学研究所所長ら、極めて限定された人の意見を聞いただけで、いとも簡単に、そして安易に、
>> その意見が客観的に正しいと『断定』し、それが『福島の真実』であるとし」ている。「作中の『意見内容』が問題なのではなく、一つの
>> 意見にすぎないものを、ほとんど悩みを見せずに、いとも簡単に客観的事実として『断定』する表現姿勢が問題なのです」と述べてい
>> ます。この石森弁護士のは第2の問題提起についてはどのようなご意見をお持ちでしょうか?
>> 
>> まず、この2点について森中さんのご意見をお聞きしたいと思います。私の意見はその後に述べます。
>> 
>> 
>> 東本高志@大分
>> higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
>> http://mizukith.blog91.fc2.com/
>> 
>> 
>> From: 森中 定治
>> Sent: Friday, June 06, 2014 8:19 PM
>> To: 市民のML
>> Subject: Re: [CML 031797] 美味しんぼ「鼻血問題」 福島出身の弁護士はどう見たか? ――石森雄一郎弁護士の問題提起は美味しんぼ「鼻血問題」議論の結論になり
>> う るものではないか
>> 東本様
>> 
>> 石森弁護士の「鼻血問題」についての理論的、論理的な再提起を示し,これがこの議論の最終結論になりうると思うとのことですが,ならないと思います.
>> 
>> 私の住む近くに福島から嫁いできた方がいます.懇意にしています.当然その方の親族は福島に沢山います.当地に住む人が不安で,これからもずっと住んでいて安全かと役所に聞くと,国がそう言うのだから「安全」だと答えるそうです.
>> 何かおかしいと思いませんか?
>> 国そのものが,この災害に対する不誠実な対応によって信頼を失いました.私らのように遠くに住む人間には直接の影響はありませんが,福島に住む人にとっては人ごとではなく,直接の問題です.国に対して心理的な疑惑があります.疑惑をもつ人に対して,「安全だ」というデータをいくら並べても,その猜疑心は解消しないでしょう.
>> 
>> ブログを拝見しましたが,鼻血問題の騒ぎが起こる前に国会議員が公開の席上で鼻血を言明したこと,井戸川さんが鼻血が出ると言ったことよりも,相馬郡医師会がまとめた3万件以上の調査の結論の方が明らかに信用がおけると主張されます.なぜそう断定できるのですか?
>> 
>> 相馬郡医師会はいつ調査を行ったのですか?鼻血問題が大騒ぎになった後で緊急にまとめたのではないのですか?この調査は鼻血問題の沈静化つまり幕引きを明確な目的としたものであることが容易に分かるし,そうではないと言い張っても,そうではないことを証明できません.研究あるいは調査の意図があって,その意図に沿った結果を出す.これを「利益相反」というのです.地方の医師会どころか,名だたる大病院や医科大学がいくつも集まって出した結果が「利益相反」と毎日のように新聞を賑わしているのを知りませんか.「バルサルタン」という名前はあまりに新聞で大きく出るので,とうとう覚えてしまいましたよ.
>> 
>> こういう状況で,安全だ!安全だ!鼻血はない!鼻血はない!といくら繰り返しても,疑惑が解けないのではありませんか.“疑惑”を解消するには,どうすればよいと思いますか?
>> 
>> 森中
> 



CML メーリングリストの案内