[CML 031825] 阿部治平さんの村の「憲法九条を守る会」のハナシ ――集まる人はいつも同じで、在来の村の人の中に拡大できない。時勢に応じた具体的な主張をしてこなかったからではないか
higashimoto takashi
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2014年 6月 7日 (土) 18:51:10 JST
以下の阿部治平さん(教育者・中国研究者)の指摘。まさにそのとおりだと思います。阿部治平さんの村だけでなく、多くの村
(の「革新」グループ)、町(の「革新」グループ)、団体(「革新」団体、グル―プ)でもおそらく同じ問題を抱えているはずです。
長野の村のハナシは私たちのムラ(グループ)のハナシでもあるでしょう。そう思いませんか? まず、長野の八ヶ岳山麓の
村の「憲法九条を守る会」のハナシを聴いてみましょう。
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■村の「憲法九条を守る会」(リベラル21 阿部治平 2014.06.07)
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2807.html
先日、「憲法九条を守る会」の総会に参加した。
20人近くの参加者がいたが、ほとんどが新来村民つまり別荘をわが村に建て定年退職後移住定着した人々である。会の
代表者は在来村民元教師だが、事務局は新来の人だ。この日は日曜日の午後だったし、農繁期に入ったことがあって在
来村民の参加は少なく、村生まれ村育ちは2人だけだった。
2013年5月から今年5月までの活動報告、会計報告、今後の活動方針などが示され、拍手で承認した。この1年間の活動
は「月例会」「平和スタンディング」「憲法九条を守ろうの意見広告」「平和行進」「憲法講話」などなど、まとめてみるとかなり
のものであった。「平和スタンディング」とは毎週金曜日村の中心の交差点で護憲を訴える活動で、毎回10人くらいが参加
している。
活動方針の中に「私たちは『憲法を守れ』と主張するだけでなく、憲法を具現化した生活、憲法を暮らしに生かすことを視野
に入れた運動が必要だ。そのために運動の幅を広げていきたい」といった文言があった。私はこれに注目した。
議長が「意見や質問があるか」というので私は発言した。
――集まる人はいつも同じで、在来の村の人の中に拡大できない。ひとつの原因は我々が「憲法九条を守れ」といっている
だけで、時勢に応じた具体的な主張をしてこなかったからではないか。安倍晋三首相の方は集団安全保障に関連して、グ
レーゾーンの事態として「漁民を装った武装集団がわが国の離島(すなわち尖閣諸島)に上陸する」といった例を挙げ「これ
にどう対処するか」と迫っている。こうした相手側の問題提起にどう反論していくか。村の「九条の会」としても答を示さなけ
ればならないのではないか。
議長席の人はこう答えた。
――「平和スタンディング」をやっているときも、通りがかりの人から「中国が上陸したらどうするか」という質問があった。私
は武力攻撃には自衛隊で応える、わが国には専守防衛の原則で自衛隊があると答えた。わが国の防衛予算は世界第7
位くらいだし自衛隊の戦力はかなり高い。
別の人がこう発言した。
――ちょっと待って。自衛隊で反撃するというのはおかしい。そのような武力衝突を避ける外交を展開しなくてはならない。
それが「九条を守る」ということではないか。相手国が武力を行使しないような国際関係を作ることが重要だ。
議長は2,3やりとりのあと、(時間が迫っていたので)こんなふうに議論をまとめた。
――我々はこうした問題をつっこんで議論したことはない。今後は具体的な問題を勉強する機会を作りましょう。
会議のあと、ちょっと個人的な話合いがあった。箇条書きにする。
○平和外交というが、領土問題で交渉ができるかな。
○領土交渉を始めるなら日本政府は民主党政権時代からの「領有権問題は存在しない」という前提を放棄しなければなら
ない。これを国民が許すか。
○前提を放棄しなくてもその気になれば交渉はやれるのではないか。
○かりに交渉に入れば、両国政府は国民にそれぞれ相手側の領有権をめぐる主張をわからせなければならない。そうで
なければ妥協は難しい。
○中国メディアが日本の主張を国民に知らせるとは思えない。
○日本は尖閣領有の正統性を国際的に主張してこなかったのではないか。
○日本人も中国の言分が何だかわかっていない。
各種の世論調査をみると「改憲」反対は6割に達し、「集団的自衛権」反対も5割前後になる。だが国政選挙のたびに改
憲派は絶対的多数を確保する。これは我々護憲派がカラ念仏を唱えるだけで、情勢に即応した政策を出してこなかった
からだと私は思う。
だが、習近平政権はアメリカに接近し日本とは経済関係を維持する一方で、海洋領土については力づくの攻勢に出てい
る。中国の国内事情によっては、南シナ海だけでなく尖閣近海にも大量の武装漁船と警備艇を送ってくる可能性がある。
偶発的な武力衝突が起きるかもしれない。そのときは日本世論は「解釈改憲」どころか、文字通りの改憲を支持する方
向に一気に進むだろう。
村の「憲法九条を守る会」では多くの人が尖閣は当然日本領と考え、中国がこれ以上の攻勢に出るとは考えないようだ
った。迫りくる難局を想定しないのである。
「憲法九条を守る会」など護憲勢力は、いつ起こるかわからない事態に急いで対応すべきだと思う。それは(中国が攻勢
に出る前に)「行きがかりを捨て交渉を」というスローガンを立てることである。もう遅いかもしれないが。
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東本高志@大分
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