[CML 031809] 片山さつきまで使ってのトンデモ批判

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2014年 6月 7日 (土) 07:52:49 JST


檜原転石です。

東本さん、こんちは。

鼻血は放射線被曝では当たり前のこと。そしてどう考えても放射線被曝は全身症
状を悪化させる。たとえばチェルノブイリ事故後には放射線が心臓病の 原因に
なるという知見も得られた。この意味では鼻血程度で――白血病などに起因する鼻
血は除く――騒いでいるのは愚劣の極まりだ。

日本政府は本来は放射線管理区域に指定すべき場所に住民を住まわさせていると
いう現実がある。ちなみにウクライナでの居住禁止地区は年間5ミリ シーベル
トで、文科省が定めた学校施設使用の放射線許容限度は8月までは年間20ミリ
シーベルトだった。

こういう惨い現実でもあなたは勤勉に脱原発運動批判を続ける。実に見上げたお
方だ。

忙がしいときに、以下のように正直に書いてくれると私はありがたい。

>なお、先月30日に福島県相馬郡医師会は原発事故前とくらべて同事故後に鼻
血の症状を訴える人は増えていないとする調査結果を発表しましたが、 そのこ
とについてはこちらに書いています。同記事で私が言いたかったことは、右派的
傾向の強い片山さつき議員の「美味しんぼ」批判は正論である、 と言わなけれ
ばならないところに、いまの一部の「脱原発」運動の陥っている悲惨な「淀み」
と「現実」がある、と言うことでした。ご参照ください。

片山さつきはこう言っている――「申告件数を比較しても、事故後に鼻血が急増し
たとはいえない。専門家によると、鼻血が出るほどの健康被害が出る には、一
度に1000ミリシーベ ルト以上被ばくしなければならない。相馬郡の線量は
それには届かないし、もっと第1原発に近い双葉町などは(民主党政権下で)全
町民が早い時期に避難し た」。

 要するにチェルノブイリ事故後の放射線被害に完全に無知である、この核・原
発マフィアの人間の「美味しんぼ」批判の戯言があなたは正論だとい う。何度
も言っているが、「無知は力」のあなたはバンダジェフスキーの著作とか『調査
報告 チェルノブイリ被害の全貌』とかをなんで読まないのか?もし読めば、あ
なたのように片山さつきまで使ってのトンデモ批判はできない。

 チェルノブイリ事故以後の疫学調査で明らかになったことは、鼻血などは放射
線被曝被害では当たり前の事。ただし被曝量を含め個人差もあるし、出 ない人
もいるし出る人もいる。要するに、20%が鼻血を訴えても、80%は鼻血を訴
えない。チェルノブイリ事故後の重汚染地域で子どもの2.3% が鼻血を訴え
ても97.7%は鼻血を訴えない。しかし低汚染地域では鼻血を訴えたのは
0.5%。“この現実の意味があなたには分からない?”

またチェルノブイリ事故後の鼻血と放射線の関係を知っている医者と知らない医
者とでは、健康診断での結果の違い出るのか出ないのか?私は体験的に も医者
の実力のピンキリを知っているが、チェルノブイリ事故以後の疫学調査に精通し
ている医者が日本にどれだけいるのか?、多分ほとんどいない。

まあいろいろありますが、私にはある疫学調査での以下の記事が一番よく分かり
やすかった。「双葉町全町民が早い時期に避難し た」(アホの片山がいう」と
いわれる双葉町民の疫学調査で鼻血の症状が出ている。

■報告書
低レベル放射線曝露と自覚症状・疾病罹患の関連に関する疫学調査
―調査対象地域3町での比較と双葉町住民内での比較―
http://www.saflan.jp/wp-content/uploads/47617c7eef782d8bf8b74f48f6c53acb.pdf

・・・
今回の調査の第一段階の解析では、所属する自治体を一つの曝露指標として利用
した。
自治体への所属が避難生活によるストレスや被ばくなどに関連していると考え
た。双葉町
では、避難生活によるストレスや初期の高濃度な被ばく(注:継続的に被ばくを
受けてい
る住民もいると思われる)、丸森町では避難生活はないが長期的な低濃度の被ば
くの可能性が考えられる。今回、木之本町に比べて、双葉町において調 査当時
の主観的健康観が悪く、体の具合の悪い所が多く、平成23年3月11日以降発症し
た疾患・治療中の疾患が多いことなどは、原子力発電所の事 故により避難生活
を強いられたこと、又は被ばくの影響、どちらか片方だけの影響に説明を求める
ことは難しいと思われる。しかしながら、避難生活を 強いられていない丸森町
でも、調査当時に体がだるい、頭痛、めまい、目のかすみ、鼻血、吐き気、疲れ
やすいなどの症状が増加していること、表8で 有意な結果を示す循環系疾患や
アレルギー性疾患、痛風や腰痛のような代謝性・筋骨格系疾患など、様々な病気
の発症が木之本町に比べ丸森・双葉両町 でも発症していることを鑑みると、被
ばくとの関連性を否定できない。特に、鼻血は今回の調査だけでなく、被ばくを
受けた住民の訴えとしてよく聞か れており、被ばくによる何らかの粘膜障害も
しくは微細血管障害が考えられるのではないかと思われる。



■「美味しんぼ」騒動 「鼻血急増」データなし 自民・片山氏、風評被害払拭へ

2014.05.30
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http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140530/plt1405301532003-n1.htm




 漫画「美味しんぼ」による風評被害に、自民党が本格的に取り組み始めた。
30日の党環境部会では、福島第1原発に近い福島県相馬地方(相馬市、 南相
馬市、新地町、飯舘村)で行われた「住民の健康状態に関するアンケート結果」
が公表されたが、2011年3月の原発事故の前後で「鼻血の症 状」に関する
変化はほぼなかったのだ。同部会長の片山さつき参院議員を直撃した。

 「部会では、漫画の中で『私も鼻血が出る』と語っていた井戸川克隆元双葉町
長に党本部に来ていただき、意見を聞くべきだ、との意見も出ました が、それ
よりも、もっと包括的データが大事だと考えました」

 片山氏はこう語った。

 注目のアンケートは、「相馬地方市町村会」と「相馬郡医師会」に、「事故前
と比較して鼻血が出るようになったという症状を訴えた人がいたか」と 聞いた
もの。

 相馬地方市町村会では、11年度に計8695人、12年度に計1万1710
人、13年度に計1万1705人の健康診断を行ったが、「鼻血が出る ように
なった」と回答した人はゼロだった。

 相馬郡医師会には医療機関66カ所があるが、「鼻血の症状を訴えた」と回答
したのは南相馬市の3カ所(5・8%)。聞き取り調査に、「11年度 のみ1
人。気になる程度」(内科)、「検診も受けており心配のない患者だった」(内
科)、「若干増えているように思う。高齢者の受診者が増えたた めと考える」
(耳鼻科)と回答した。

 市町村会でも、医師会でも、血小板が減少して内出血する「血小板減少性紫斑
病」と診断した患者はゼロだった。

 片山氏は「申告件数を比較しても、事故後に鼻血が急増したとはいえない。専
門家によると、鼻血が出るほどの健康被害が出るには、一度に1000 ミリ
シーベルト以上被ばくしなければならない。相馬郡の線量はそれには届かない
し、もっと第1原発に近い双葉町などは(民主党政権下で)全町民が 早い時期
に避難した」という。

 しかし、「鼻血騒動」は風評被害を生みだしている。震災から3年が過ぎ、
やっと福島県への観光客数が回復し始めたのに、県内の温泉地などでキャ ンセ
ルが相次いでいるという。

 片山氏は「心ない風評は、復興に頑張っている人の心をくじいてしまう。私た
ちは与党として正確な情報を入手し、国民のみなさんに真実を知らせる 義務が
ある。安倍晋三首相からも『積極的な情報戦略で反転攻勢してほしい』と電話を
いただいた」と語る。

 党環境部会では今後も、地元の医療機関や医師から意見を聴き、客観的データ
を集めて、国内外に発信していくという。 (ジャーナリスト・安積明 子)




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