[CML 032856] 東急電鉄・箱根ターンパイクの失敗

林田力 info at hayariki.net
2014年 7月 28日 (月) 21:27:48 JST


東急電鉄の有料自動車道路事業は失敗であった。東急ターンパイクは認可されず、湘南ターンパイクも実現しなかった。箱根ターンパイクのみは認可を受け、1965年(昭和40年)に開業した。しかし、東急電鉄グループの箱根ターンパイク管理は無駄だらけであった。結局、東急電鉄は箱根ターンパイクを手放し、オーストラリアの投資銀行マッコーリーグループに2004年に買収された。

マッコーリーは買収前に二次下請け会社だった企業を対象にして工事の入札を実施した。その結果、東急電鉄グループが保有していた頃に比べて人件費を除いた維持管理費を8割程度に減らした。休憩施設の改修、運営改善、イベント開催、命名権(ネーミングライツ)売却などの取り組みが奏功し、赤字だった事業が黒字転換した。

 東急電鉄の箱根ターンパイクの失敗は民間が効率的とは言えない事例である。非効率は市場原理が機能しないために起きる。東急電鉄のような自然独占企業の体質では政府の失敗と同じような非効率が起きる。それは東急不動産消費者契約法違反訴訟のような消費者無視の企業体質につながる(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。

 箱根ターンパイクは神奈川県小田原市から足柄下郡箱根町を経由し、同県足柄下郡湯河原町に至る、延長15.782kmの有料道路(一般自動車専用道)である。かつて豊臣秀吉が小田原攻めに向かう際に、この道を通過したとされる。
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 箱根ターンパイクは1991年には220万台を超える通行量があったが、徐々に減少した。マッコーリー買収時の通行台数は年間約100万台で、買収金額は11億5700万円とされる。マッコーリーの日本法人はマッコーリージャパンである。2007年には東洋ゴム工業が命名権を取得し、「TOYO TIRES ターンパイク」という名前となった。

2014年には中日本高速道路会社が箱根ターンパイクの事業を豪投資銀行のマッコーリーグループから取得した(「【売買】箱根ターンパイクを中日本高速道路が買収」日経不動産マーケット情報2014年7月25日)。道路の名称は2014年8月1日から「マツダ ターンパイク箱根」になる。命名権をマツダが取得した。
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林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
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