[CML 032380] 醍醐聰さんのNHK批判 ――「クローズアップ現代」がおかしい(醍醐聰のブログ 2014年7月3日)

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2014年 7月 3日 (木) 21:32:58 JST


NHKの受信料支払いの凍結を呼びかけるなど先進的な市民運動のオーガナイザーとしても活躍されている醍醐聰さん
(東大名誉教授)が「『クローズアップ現代』がおかしい」という記事を書いて、「集団的自衛権」問題に関するNHKの不作
為の報道姿勢のあり方を批判しています。

■「クローズアップ現代」がおかしい(醍醐聰のブログ 2014年7月3日)
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-eff0.html

醍醐さんの問題提起はNHK批判にとどまらず、「総体としてのNHKの報道番組を評価するにあたって欠かせない視点」
の問題を提起してNHK視聴者の同局報道番組の評価姿勢のありかたをも問うものになっています。その醍醐さんの問
題提起は、さらに新聞、雑誌メディアを含むメディア総体に対する読者、視聴者の評価姿勢のありかたの問題としても
敷衍できるものでしょう。大切な視点だと思います。

以下、醍醐聰さんの上記記事の要約です。全文は同氏のブログを開いてお読みください。 


要約:
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籾井氏がNHK会長に就任して以降、政府が行う特定秘密の指定や解除が適切かどうかをチェックするために国会に常
設される「情報監視審査会」の権限、実効性を定める改正国会法が成立したのは、この6月20日。この間の国会審議は
籾井氏がNHK会長に就任して以降である。ところが、NHKスペシャルやクローズアップ現代はこの改正国会法について
も、取り上げたことは皆無だった。(略)もちろん、この時期に「クローズアップ現代」が放送した番組の中には、NHKの取
材力、企画力を存分に発揮した貴重な番組も少なくなかった。例えば、4月16日に放送された「イラク派遣 10年の真実」
(略)また、5月21日(水)に放送された「戸籍のない子どもたち」(略)

しかし、この時期、「クローズアップ現代」が沈黙を続けたのは特定秘密保護法だけではなかった。7月1日のニュース7
で、「戦後日本の安全保障政策の大転換」と表現した集団的自衛権の行使を安倍政権が閣議決定で容認しようとした
今年の前半(1~6月期)に「クローズアップ現代」は一度もこの問題を取り上げなかった。このこと自体、異常といってよ
い。(略)その一方で、「なぜこのテーマを今?」と、首をかしげたくなる番組もあった。例えば、6月23日には、「四国遍路
1400キロ 増える若者たち」が放送された。(略)また、政府が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をした翌7月2
日に、「クローズアップ現代」が「“野球女子” 私が球場に行く理由」と題する番組を放送したのには唖然とした。(略)

なぜこの日なのか? なぜ、お昼の時間帯ではいけないのか?・・・・疑問を拭えなかった。と訝しがっていた昨夜、NHK
ONLINEで「クローズアップ現代」の専用サイトを見ると、「集団的自衛権 菅官房長官に問う」を今夜(7月3日)放送すると
いう予告が目に飛び込んだ。(略)「時の政権の要である官房長官に閣議決定の趣旨、今後の政権運営の抱負を聞い
てなにがおかしい」という意見があるかも知れない。しかし、NHKは政府広報の放送局ではない。官房長官に、「なぜ今、
集団的自衛権の行使容認が必要なのか」を問えても、「過半の世論の反対があるなか、集団的自衛権の行使を憲法
改正を経ず、閣議決定で容認したのは立憲主義に照らして正当化できるのか」と正面から質せるのか、そう質す気概が
原記者にあるのか? 多様な意見を反映させるというなら、解釈改憲反対論者、さらには集団的自衛権の行使にそもそ
も異議を唱える論者をなぜ登場させないのか?(略)政府見解を独演させる場にならないか?(略)

NHK問題に関心を持つ人々の集まりに出かけ、(略)スピーチをすると、必ずと言ってよいほど、「NHKの制作現場のスタ
ッフは(略)優れた番組を作ろうと必死に頑張っている人々がいるし、現に優れた番組も放送されている。だから、批判
ばかりでなく、激励も大事だ」という意見が必ず出る。(略)しかし、最近、私はこうしたやりとりに懐疑的な見方をしている。
(略)今、NHKの報道番組が向き合うべき死活的テーマは、国の憲法体制の根幹を揺り動かす集団的自衛権の解禁問
題であり、わが国の言論の自由に甚大な影響を及ぼす特定秘密保護法の法整備をめぐる動きである。(略)このような
大局的観点に立つと、(略)優れた番組を数多く輩出してきた「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」も、集団的自衛
権や特定秘密保護法を封印している現実を直視することが、総体としてのNHKの報道番組を評価するにあたって欠かせ
ない視点である。それなしに、個々の優れた番組を取り上げ、「激励を送ろう」と呼びかけるのは、視聴者運動のすすむ
べき方向を誤らせる恐れさえある、と私は感じている。(略)批判にせよ、激励にせよ、理性に裏付けられた大局観が欠
かせない。
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東本高志@大分
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