[CML 032358] 今日の言葉2 ――小説家の2014年7月2日の昼下がりのまどろみ 青いインク瓶のようにして記憶をしまう。ことし最初の白いサルスベリが咲いていて、もう風にさらさら散っていた

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2014年 7月 2日 (水) 22:01:38 JST


今日の言葉 ――辺見庸「日録24」(2014/07/02午後)から。
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要旨:
国会前で徹夜抗議をしていた友人が、暗がりで不意に、テルアビブの話をしだした。なにも大した話ではないのだが、なぜだろう、
荒くれていた気分がいくぶんおちついた。(略)わたしも、夕方、テルアビブのアロマにいって、カプチーノを飲みたくなった。できれ
ば犬と。この数日、いやもっと長くか。荒んだ。言葉がむくみ、みにくくたわんだ。このままではこのクニがダメになるといわれた。
だからどうした。もうとっくにダメになってるぜ。もっともっとダメになればいい。おもっていても、いいはしない。戦争になる。わたし
もいい、ひともいう。戦争になれよ、やれよ、ガンガンやりゃあいい、きれいさっぱりぜんぶなくなりゃいい。そういいはしない。言葉
が水腫みたいでいやになる。(略)なんとかいう首相の話なんか、ほんとうはこんりんざいしたくない。ばからしい。おそろしくばから
しい。なんでしたかといえば、あいつをヤラないと、こちらがヤラれる、とおもったからだ。(略)正義の言葉くらい安っぽい言葉はな
い。平和の言葉もおおむねチープだ。殺人者が犯行直後にもらす、わけのわからない譫語のほうが、すうばいマシだ。(略)『迷子
の警察音楽隊』をおもいだす。あれ、いいな。かわいた空。かわいた土。濃紺の夜。青いインク瓶のようにして記憶をしまう、か。
「なにも約束するな」か。よくわからないけれど、ほんとうにそうだとおもう。(略)わからないから、死ぬまでは、なんとなく生きていら
れる。みあげたら、ことし最初の白いサルスベリが咲いていて、もう風にさらさら散っていた(辺見庸「日録24」2014/07/02午後)


東本高志@大分
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