[CML 028897] Re: 映画『永遠のゼロ』についての考察(3)

no name spilliaert at jcom.home.ne.jp
2014年 1月 12日 (日) 16:08:28 JST


CMLの一読者ですが、まっぺんさんの長い投稿文ですが残念ながら完全な間違
いだったのでコメントします。彼の長文は映画により誘導された過ちの感動によ
り、論理的思考ができない良い例だと思います。

理由はおおむね以下2点

●1あなたは特攻隊を賞賛するのですか?
まっぺんさんは主人公宮部久蔵が「若者を死なせたくないから自分が特攻する」
行動が素晴しいと書いたが、この意見は明らかに特攻賞賛です。

もし「まともな戦争」や反戦を賞賛するなら、そしてその上で若者を死なせたく
ないなら、特攻というまともでない外道の作戦をやめればいい、降伏して戦争を
やめればいいのです。自分が特攻に行く事こそが人助け・人道的なんだ、という
受け取りは、選択肢は特攻しかない・特攻は嫌だけど必要だ、という視野狭窄の
中での誤った人道主義・誤った価値判断ですね。

 もしこの素材で正しい映画を構想するなら「若者の特攻の翌日に敗戦になる、
ああなんとむなしかったか!なぜ早く戦争をやめなかったのか!」という映画に
なる。もし映画のラストに「その翌日が終戦だった・米空母で沈んだのはわずか
だった」というテロップが”ぺろっと”出たらどうなるか、考えてみて下さい。そ
して実際に多くの日本の戦争映画はそういう構成になっていますね。ラストで必
ず敗戦がきます。

 なおまっぺんさんはこの映画は反戦ではないとしていますが、日本のまともな
戦争映画は全て反戦です。なぜなら戦後、戦争経験のある製作者も観客も99%が
戦争はいけない事だと思っていたからです。
 そして今も日本人の戦争忌避は変わらず、この映画も反戦であるべきです、商
売とはいえ「多くの観客にある思想や物語を語る映画製作」に於いておいてそれ
は正しい傾向だと思う。しかし「プライド」や「風立ちぬ」など最近では必ずし
もそうではない。だから批判するのです。


●2まっぺんさんの解釈は論理的にありえません
 まっぺんさんは主人公宮部久蔵が特攻志願した理由は「若者を死なせたくない
為」と勝手に思い込んでいますが、それは論理的にありえません。主人公は自分
は死にたくないから戦闘に参加しない(A)人であり、それが特攻機の護衛
(B)だと見殺しできず心変わりして死にたくなる、そんな事はあり得ません。

 なぜなら実際には主人公は前段Aで既に若者を「見殺し」にしているからで
す、久蔵が戦闘に参加しない間に、有力な仲間の応援を得られず多くの若者が戦
闘で死んでいるはずです、彼は戦闘空域の上空で仲間が死ぬのをただ黙って見て
いたはずです。戦友を見殺しにする点でAもBも差はないのです。

そして実際の戦争ではこれは両方ありえない事です、戦闘に参加しない事もあり
得ないし、特攻に参加しない事もありえない、両方とも軍の作戦行動であり、個
人の意思と関係ない強制です。映画「永遠の0」はそういうありえない非現実で
人工的な設定をして、観客を騙し嘘の戦争物語を語っているのです。

そのあり得ない物語が何をもたらしているかと言えば特攻のよりいっそうの美化
でしょう、前段Aで主人公をけなし後段Bで持ち上げる事で、よりいっそう特攻
する主人公を崇高な存在と勘違いさせるという仕組みでしょう。まっぺんさんは
見事にその嘘にはまったようですね。(それって洗脳?プロパガンダされた?)

以上
CMLの一読者



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