[CML 028817] 【2/2】 宇都宮健児君、立候補はおやめなさいーその19 澤藤統一郎の憲法日記

Yabuta Tohru ynntx at ybb.ne.jp
2014年 1月 9日 (木) 00:45:41 JST


http://article9.jp/wordpress/

澤藤統一郎の憲法日記

宇都宮健児君、立候補はおやめなさいーその19    【2/2】 

「見解」は、「熊谷さんについて『入社3年目』と記載されているが誤りであり、実際には2007年に入社している」。大同小異のことではあるが、誤りであれば、その点は『入社5年目』と訂正する。

「見解」は、「そもそも公選法が規定する『選挙期間』とは告示日以降の17日間に限定されるため、事務局長が『選挙運動にボランティアとして参加』していたのは17日間を超えることはありえない」という。信じがたい稚拙な論理のすり替え。こんな小細工が却って疑惑を深める。その上、法解釈としても明らかに間違っている。

私は有給休暇の取得実態を問題にしている。いったい、熊谷さんには、当時何日分の有給休暇が残っていて、選対事務局長としてフルタイム稼働したほぼ1か月間に何日を消化したのだろうか。選対事務局長としてフルタイム稼働中の有給休暇の取得実態を問題にしているのに、敢えて選挙期間の17日間に限定して問題を考察しなければならない道理はない。そのように限定する予防的な姿勢が、「1か月全期間を問題にされては都合が悪い」という疑惑を生むことになる。

また、法的にも、運動員買収罪の成立は選挙期間中の17日間に限定されるという主張は明らかな間違いである。宇都宮陣営の弁護士がこんなことを言えば、徳洲会もUE社も大喜びだろう。

私は、公職選挙法221条1項1号違反を指摘している。買収の対象となる行為は、選挙運動の定義よりはるかに広い。また、買収・供応の犯罪は、選挙期間中に限定して成立するものではない。同条の文言からも、犯罪成立の時期について何の言及もなく選挙期間に限定されるものではない。立候補届出前の運動員の行為に対する対価の支払いにつき、本罪が成立するとした最高裁判例(1965年7月22日)もある。

「見解」は、「週末や休日を含めれば十分に有給休暇で対応できる範囲内であり、また事務局長は休暇を取得しない日には勤務も行なっていた」と言うが、これは明らかな誤謬の法解釈を前提とした不十分な調査の結論である。これで、疑惑が解消になるとは、起案者自身も考えいるはずはない。

「見解」の起案者は、再度の調査をなすべきである。
そして、具体的にどのような有給休暇取得状況であったか、また岩波にはフレックスタイム制が存在するのか、存在するとしてどのようなフレックスタイム制であったのか、熊谷さんにはいつからどのようなフレックスタイム制が適用になっていたのか、さらに事務局就任以後の全期間についてどのような岩波への出勤状況であったのか、どのように岩波の業務をこなしていたのか。資料を添えて、明確にしなければならない。そうでなければ疑惑を解消したとは到底言えない。

さらに、「選対からの度重ねての要請により…任務を引き受けた」という「見解」の指摘が見逃せない。「法的見解」とされているから敢えて述べるが、岩波書店の熊谷さんへの運動員買収の疑惑は、「事務局長就任の動機が選対からの要請によるものであったか否か」とはまったく無関係である。選対が運動員買収を要請した事実のあろうはずのないことはさて措くとして、「見解」は何を論じているのかを見失っている。再三言っているとおり、私が指摘し問題にしているのは、公職選挙法上の犯罪成立の疑惑と、疑惑が立証された場合の種々のリスクなのである。「会社員などの政治参加という観点からも問題」などという立法論のレベルでの論争でも、市民感情の可非難性の有無の問題でもない。現行公選法に照らして、犯罪成立のおそれの有無を論じているのだ。「見解」の揺れる視座は、犯罪成立のおそれはないことに自信のないことを表白している。

「澤藤氏は事実と証拠に基づかない私憤に基づく憶測から事務局長らの名誉を毀損する主張を繰り返している」などと言うようでは、法的見解における弁明の放棄と解さざるを得ない。

最後が宇都宮君ご自身の運動員買収疑惑だ。私が疑惑の根拠とするところはずいぶん書いてきたが、疑惑のきっかけは次のとおりだ。

「宇都宮君が発言した。その発言内容を明確に記憶している。
『えー澤藤さん。岩波が問題なら、ボクだっておんなじだ。ボクも、事務所の事務員を選対に派遣して選挙運動をお願いしたんだから』
これには驚いた。本当は、続けて発問したかった。いったい何人を派遣した? 誰を? いつからいつまで? 選挙運動って具体的にどんな仕事だったの? 賃金はいくら払ったの? 勤怠管理はどうしたの?…。しかし、制されて私は黙った。これ以上、彼らを刺激したら、大河(わたしの息子)と、とばっちりを受けたTさんの権利救済(名誉回復)の道は途絶えてしまうと考えてしまったからだ。」(「その10」)
http://article9.jp/wordpress/?p=1797

「見解」が弁明として述べるところは、まことに乏しい。わずかに次のとおりである。
「法律事務所事務員は、熊谷事務局長と同様に、有給休暇によりボランティアとして参加したものであり、宇都宮氏に公職選挙法等の違反があるとの主張も全く理由がない」
これを読んで、疑惑の解明になっていると考える人がいるだろうか。宇都宮君の熱心な支持者であればなおのこと、これで納得できようはずはない。

もう一度繰り返さざるを得ない。
「宇都宮君は、選対要員としていったい何人を派遣した? 誰を? いつからいつまで? 選挙運動って具体的にどんな仕事だったの? 賃金はいくら払ったの? 勤怠管理はどうしたの? 派遣当時有給休暇は何日残っていた? 選対勤務のために何日有給休暇を取得したの?」

「見解」の起案者は、いったいどんな調査をしたのだろう。宇都宮君が私に喋った「ボクも、事務所の事務員を選対に派遣して選挙運動をお願いした」という真偽をどのように確認したのだろうか。それとも、一切の調査の必要はないと考えたのだろうか。

「宇都宮選挙が、公職選挙法の厳しい制限のもと、市民選挙としてきわめてクリーンに行なわれた事実を私憤に基づいて中傷誹謗するものとなっていることは、きわめて遺憾である」という文章が空しい。これは、政治文書であって、「法的見解」ではない。「私憤」「中傷誹謗」などという言葉を、「法的見解」に出している点において、反論不能を自白しているに等しい。

どう考えも弁明は無理だ。疑惑は晴れない。疑惑が晴れない内は、推してはならない。やはり、宇都宮君、立候補はおやめなさい。

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