[CML 028804] 【京都新聞 社説】「核燃料サイクル  今こそ撤退する勇気を」

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2014年 1月 8日 (水) 17:43:48 JST


京都新聞の本日(1月8日)の社説です。ブラボー!

核燃料サイクル  今こそ撤退する勇気を
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20140108_4.html

 日本原燃は青森県六ケ所村に建設中の使用済み核燃料再処理工場について、原子力規制委員会に安全審査を申請した。今年10月の完成を目指すという。

 危険でカネを食うばかりの再処理にいつまで固執するのか。安倍晋三政権は「原発回帰」に傾斜しているが、原子力規制委は公正かつ厳格な姿勢を貫き判断すべきだ。

 再処理工場は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを抽出、再利用する「核燃料サイクル」の中核施設だ。しかし本格稼働させるには問題があまりにも多い。

 六ケ所村の再処理工場はトラブル続きで完成の時期が21回も延期され、安全性が疑問視される。大気や海に漏れる放射性物質も心配だ。しかも、再処理するほど費用は膨れ、核兵器の材料となるプルトニウムを生み出してしまう。

 福島第1原発事故後、全国の原発が停止し、国民世論は脱原発を求めている。核燃サイクルを推進してきた政府と原子力関係者は、その破綻を認めるべきだ。

 再処理コストは膨大だ。電気事業連合会は10年前、再処理工場を40年間稼働させた場合、処理し切れない「核のごみ」の管理費などを合わせ、約19兆円かかると試算した。再処理費用は既に電気料金に上乗せされている。再処理工場が寿命を迎え、新施設を建設すればさらにコストがかさむ。

 しかも、原発のネックである使用済み核燃料の処分問題は再処理でも解決しない。量は減らせても核のごみは発生するからだ。

 英仏に再処理を委託してきた日本は、国内外に核弾頭5千発以上に相当する44トンの余剰プルトニウムを保有している。テロリストや核開発国に狙われる恐れがあり、米国などは懸念を強めている。

 日本は余剰プルトニウムを持たないと国際社会に宣言している。しかし、プルトニウム燃料の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)は事故続きで運転再開の見通しはない。プルトニウムを混ぜたMOX燃料を使う苦肉の策プルサーマルも全原発停止で頓挫している。

 ところが、政府は今月閣議決定するエネルギー基本計画で、原発を「基盤となる重要なベース電源」とし、核燃サイクル推進を打ち出す。安倍首相は原発再稼働に意欲を示している。こうした姿勢は民意に反するばかりか、コスト面や安全性、国際的な核不拡散の見地からも疑問と言わざるをえない。

 技術的に難しい使用済み核燃料の再処理をあきらめ、コスト面でも優位な地層への直接処分が世界の主流になりつつある。日本も真剣に検討すべきだろう。今こそ再処理から撤退する勇気を求める。

[京都新聞 2014年01月08日掲載] 		 	   		  


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