[CML 028685] ブラック企業を東京都知事選の争点に

林田力Hayashida Riki info at hayariki.net
2014年 1月 3日 (金) 12:39:36 JST


東京都知事選ではブラック企業を争点にすべきである。ブラック企業は若者にとって切実な問題である。ブラック企業は流行語大賞のトップテンにランクインした。ブラック企業と戦うテレビドラマ『ダンダリン 労働基準監督官』(日本テレビ系)も放送された。 

ブラック企業は右も左もない国民的課題である。ブラック企業問題は保守派もYESと言える多数派が賛成する政策になる。自民党代議士の薗浦健太郎も『ブラック企業は国賊だ』との書籍を出している。保守思想にはブラック企業や貧困ビジネスなどの社会悪を許せないという正義感がある。 

その正義感は「生活保護不正受給は許せない」「組合活動ばかりで働かない公務員は許せない」という正義感にもつながる。それ故に左翼は忌避する傾向があるが、ブラック企業批判ならば取り込むことが可能である。現実に参院選で日本共産党はブラック企業批判で躍進したが、そこには衆院選で日本維新の会に投票した有権者の支持があった。 

多数派が賛成する政策を主要公約に掲げることは当選後の都政運営にとっても重要である。現実に市民派候補が当選したとして、現在の東京都議会でどこまでできるか、という問題がある。ブラック企業対策条例ならば、どの党も建前は批判できない。市民派知事の実績になる。特定秘密保護法反対など国政への打撃しか考えていないならば別であるが、それだけでは都民のための都政運営にはならない。 

ブラック企業はネットスラングとして発祥した言葉である。そのためにシニア世代などネット文化に馴染みのない層には違和感を抱く向きもあるだろう。「ブラック企業」と言う言葉を使わず、たとえば労働者搾取企業と別の言葉を用いても表現は不可能ではない。しかし、それでは心が動かない。 

重要なことは苦しむ若者の側に近づく姿勢を持つか否かである。労働組合も革新政党も若者離れに悩まされてきたが、ブラック企業という言葉を使用することで支持を広げている。「大企業の内部留保云々」と演説しても聞いてもらえなかったが、ブラック企業批判をすれば立ち止まってビラを受け取ってもらえたという例はいくらでもある。政策は正しい内容を訴えるだけでなく、誰にどのようなアプローチでコミュニケーションするかが問題である。 
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マルクス主義者にとって資本が労働者を搾取することは自明である。過去の大学生は政治でも経済でも歴史でもマルクス主義を学んだかもしれない。しかし、今は異なる。労働者搾取企業と言ったところで全く響かない。マルクス主義を学べと上から目線で押し付けるならば左翼は嫌われるだけである。だから右傾化にも理由がある。庶民はインテリ左翼の上から目線に本能的に嫌悪感を有している。 

これはマルクス主義を否定するものではない。むしろ、オルタナティブに見られるコミュニティビジネス的な傾向にも懸念がある。それはマルクスがとうの昔に否定した空想的社会主義の議論が完全に当てはまるケースもある。少なくとも入口は相手の目線に立たなければ耳を傾けてもらえない。
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林田力Hayashida Riki
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