[CML 029949] 「風知草」(毎日新聞)コラム筆者の山田孝男記者(編集委員)の「日本維新の会」ばりの認識を批判する

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2014年 2月 28日 (金) 19:43:24 JST


「風知草」の筆者である 毎日新聞の山田孝男記者(編集委員)はそのコラムの「残念な現状」(2014年02月24日付)という一文は
次のような書き出しで始まっています。「情けも時にアダとなる。善意が曲解され、心の通わぬことがある」。なにを「情け」というの
か? また、なにが「善意」なのか? また、なにを「曲解」というのか? また、なにが「残念」なのか?

「残念な現状」という一文を一通り読んでみると、「情け」とはいわゆる「従軍慰安婦」問題について日本側として「日本政府の責
任を認め、謝罪」した「河野談話」を発表したこと。「情け」とあるからには「河野談話」はお慈悲で出してあげたもの、という認識
でしょう。「善意」もやはり「河野談話」のこと。「曲解」とは韓国側によってその「河野談話」が「性奴隷(sex Slave)制度の証拠」
とされたこと。また、「残念」とはそうしたことの一切合切。要するに山田孝男氏の「従軍慰安婦」問題についての認識は、同コラ
ムのモーメントともなっている2月20日の衆院予算委員会で「河野談話」を攻撃し、その見直しを強行に求めた泣く子も黙る(す
なわち右翼の)日本維新の会の山田宏議員の認識と寸部違いません。表現がやや文学的(コラム風)になっているだけのこと
です。

私は山田孝男記者の正体見たり、と思いました。山田記者は3・11以後、同紙の連載コラム「風知草」でこの国の記者としては
珍しくいわゆる傍観者=記者の立場を超えて<脱原発>の旗幟を鮮明にした反原発のオピニオン記事を精力的に書き続けて
きました、とそのように見えました(たとえば、私の批判まじりの評価ではあるものの、「『僕のお父さんは東電の社員です』という
書き出しで始まる小6男児の手紙について考える」(弊ブログ 2011.05.28付)を参照)。 

http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-317.html
しかし、今年の8月26日に同紙『風知草』に掲載された「小泉純一郎の『原発』ゼロ」というコラム記事がその記事の内容の意外
性から「政界」と「世間」の双方からで評判になりだしたあたりからこの人の正味の正体が見え隠れしはじめます。その前座の役
割を担ったのが毎日新聞の10月5日付けの社説。社説は、「原発をめぐる小泉氏の主張は毎日新聞のコラム『風知草』(8月2
6日付)が取り上げ、強い関心を集めるようになった」と自社の小泉「脱原発」発言報道に先見の明があったかのように自画自賛
します。そういうこともあってか、10月14日付けの「風知草」は、さらに自信を深めた様子で現役キャリア官僚の覆面筆者の『原
発ホワイトアウト』(講談社)という新刊本の紹介の形をとって「自民党における小泉純一郎元首相の造反を見よ。原発推進勢力
はなお強力だが、政府・与党の亀裂は深まり、動揺が広がっている」と自身の小泉発言評価記事の先見の明をやはり自画自賛
する体の手前味噌を重ねます。この人の正味の正体が露見する記事の書き草(ぶり)でした。この人は基本的に思想的に保守
の範囲の人で、ジャーナリストというよりもジャーナリストという「世間的名声」に胡坐をかくたぐいの増上慢の人だということがわ
かります。

小泉純一郎の「フィンランドの核廃棄物最終処分場『オンカロ』見学の旅は、「三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部
とゼネコン幹部、計5人が同行した」(同上「風知草」)旅でもあったこと、そうした道中での「脱原発」発言であったこと、同元首相
は2005年10月に自民党の首相として『原子力政策大綱』を閣議決定し、2006年6月には『原子力立国計画』を政府として策
定した張本人であったことなどなどを顧慮すると、「自民党における小泉純一郎元首相の造反を見よ。」などとどうして能天気に
書くことができるでしょう。この人にはジャーナリストとしての眼、考察と洞察があまりにもなさすぎると評価せざるをえません。

かつて辺見庸はいわゆるジャーナリストの現在のありさまについて次のように語っていたことがあります。

      「二〇〇二年に私がだした『永遠の不服従のために』(毎日新聞社刊、講談社文庫)という本で書いたことがあります。
      やつら記者は「糞バエだ」と。友人のなかには何度も撤回しろという者もいました。でも私は拷問にかけられても撤回す
      る気はない。糞バエなのです。ああいう話を黙って聞く記者、これを糞バエというのです。(略)許せないのは、二〇〇
      三年十二月九日、首相官邸に立って、あのファシストの話を黙って聞いていた記者たち。世の中の裁定者面をしたマス
      コミ大手の傲岸な記者たち。あれは正真正銘の、立派な背広を着た糞バエたちです。彼らは権力のまく餌と権力の排
      泄物にどこまでもたかりつく。(『いまここに在ることの恥』毎日新聞社 2006)

山田孝男記者もその例外だとは私は思いません。同記者の「残念な現状」(「風知草」)という記事を読んでそのことが一段とはっ
きりとしました。繰り返しますが、山田記者が同記事で示している認識は右翼の 日本維新の会の山田宏議員の認識と寸部違わ
ないのです。

下記に山田記者の「残念な現状」(「風知草」)という記事の全文を掲げておきます。各自で山田記者の認識の無残さをご確認く
ださい。

また、以下に「小林久公氏(「強制動員真相究明ネットワーク」事務局長)の指摘 石原元官房副長官の国会証言「河野談話に
裏付は無い」はウソ」という弊ブログ記事のURLも示しておきます。こちらは同記事でリンクを張っている重要資料がかなり大量
にありますので直接以下のURLを開いてお読みいただく方がよいと思います。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-792.html

以下、山田記者の「残念な現状」(「風知草」)の全文。

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■風知草:残念な現状=山田孝男(毎日新聞 2014年02月24日)
http://mainichi.jp/shimen/news/20140224ddm003070068000c.html

情けも時にアダとなる。善意が曲解され、心の通わぬことがある。いわゆる従軍慰安婦問題をめぐる「河野洋平官房長官談話」
(1993年)がそうだ。

先週の国会の話題は、この談話の作成に携わった石原信雄参考人(87)=元内閣官房副長官=の証言だった。今はどう思う
か、と聞かれ、こう答えた。

「……最近に至って韓国政府自身が、これ(慰安婦への補償)を再び提起するという状況を見ておりまして、当時の日本政府の
善意というものが生かされていないということで非常に残念に思っております」(20日、衆院予算委)

未来志向の日韓関係を目指し、韓国側当事者の申し立てを尊重して日本政府の責任を認め、謝罪したにもかかわらず、未来
志向にはならなかった。石原証言のミソはここだ??。

質問に立ったのは山田宏衆院議員(56)=日本維新の会。昨年、慰安婦像が設置された米カリフォルニア州グレンデール市で、
日系の子どもたちが中傷に苦しんでいるという調査を示して政府を追及した。

いわく善意の河野談話だったが、善意のおわびが国際社会では性奴隷(sex slave)制度の証拠と曲解された。各国で対日非
難決議の連鎖を招いた。

こうなった以上、談話の唯一の根拠である韓国人元慰安婦16人の聞き取り調査資料を公開、検証して談話自体を見直せ??。
これが質問の趣旨である。

談話の文言は当時の日韓政府関係者が丹念にすり合わせた。慰安婦募集には軍の「意向」を受けた業者が当たった??という
日本案に対し、韓国側が軍の「指示」へ修正を要求。

指示した根拠はなく「要望」でどうかと日本側が返すと、ならば「要請」(強く請いもとめること=広辞苑)で??と韓国側が押し切っ
た。山田は産経新聞の調査報道を引き、関係者の証言を例示した。

日本維新の会は談話の責任者である河野洋平元衆院議長(77)の出席を求めていた。自民党が「元議長招致は例がない」と
退け、石原の出番になった。

首相官邸の高官から石原に出席要請がなされたのは前日の19日である。野党第2党(維新の会)は談話作成の責任者に対
する質疑を重視。予算の円満採決、与野党協調を探る政府・与党が石原を口説いた。

石原は元自治(現・総務)事務次官。竹下内閣から村山内閣まで7代にわたって官房副長官を務めた。事実経過を淡々と述べ
て貫禄を示したが、心境を問われた時のみ、「非常に残念」と感情をにじませた。

後日、「気持ちが入りましたね」と話しかけると、石原はこう応じた。「これはもう、率直な感想ですからねえ。昔は(日韓間に)信
頼がありましたよ」

日韓は65年の基本条約と付属協定で、韓国の日本に対する請求権の最終解決を確認したものの、韓国には不満が残ってい
る。河野談話の後、95年から2002年にかけ、民間の「アジア女性基金」による補償が行われた。その後は韓国が慰安婦へ
の補償要求をエスカレートさせている。

河野談話の資料が封印されているのは、性交渉を強要された被害者の証言という事柄の性格による。政府は資料開示、談話
見直しともに慎重で、応諾の言質を与えてはいない。

なお隠忍自重か、談話見直しか。世論は割れているが、日韓合意を焦る必要はない。新たな善意に基づく不用意な譲歩で混乱
を広げるべきではない。沈黙は必ずしも金ならず。対外発信を練る時だ。(敬称略)
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東本高志@大分
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