[CML 029829] 細川護煕融和政策

林田力 info at hayariki.net
2014年 2月 23日 (日) 12:34:02 JST


東京都知事選挙を脱原発の視点で見ると宇都宮健児(宇都宮けんじ)氏と細川護煕(細川もりひろ)氏が競合する形になった。双方の支持者の中には互いに批判しあうのではなく、エールを交換し、共通の敵との戦いに注力しようという見解が提起された。これを宇都宮支持の立場から見て細川融和政策と名付ける。この細川融和政策について検証する。

 融和政策と言えば英国チェンバレン首相のものが有名である。融和政策と名付けたことで既に価値判断を下している。私は細川陣営の脱原発至上主義を一種のファシズムと批判した。この文脈に融和政策も位置付けている。

まず融和政策の根底にある他候補を叩くだけでなく、評価できるところは評価し、敬意を払うべきという考え方は支持する。私は「脱原発だけが都知事選の争点ではない」という点で、桝添要一陣営ともエールを交換できる。また、田母神俊雄候補を応援したデヴィ夫人も、大津市いじめ自殺事件や北本市いじめ自殺事件に対する発言を高く評価している。

 他候補をリスペクトすべきとの主張は同意するが、それは細川候補を特別扱いする理由にならない。宇都宮・細川ブロックとして、宇都宮氏と細川氏を相対的に近い関係に分類することは、一本化論の土俵に乗ってしまうことである。原発政策だけ見れば成り立つものの、福祉政策などは少なくとも公約を比較すると、どちらかと言えば桝添候補と親和性がある。

この一本化論が問題である。細川支持者から唱えられた一本化論は要するに宇都宮降ろしである。細川支持者を総体的に見れば右手で握手を求めて、左手でパンチを繰り出す状況であった。融和政策はナチスへの融和政策と同じ結果にしかならない。

もともと細川氏擁立は宇都宮氏では不十分と思ってのことである。細川支持者が同じ脱原発の仲間として宇都宮氏に好意を期待する方が甘い。宇都宮支持者は紳士的に対応しすぎて振り回された感がある。投票率向上の運動も政策を知ろうともせず、知名度だけで投票するような政治意識の低い層の大量得票を見込む細川陣営を利するものである。一緒に投票率向上の運動をしたならば、利用された感が残る。

 細川融和政策は主敵である桝添候補との戦いにもマイナスであった。今回の都知事選挙は猪瀬直樹前都知事の五千万円借り入れが発端であり、政治と金は重要なテーマになり得た。しかも、桝添候補にも金権疑惑が登場した。積極的に批判すべきところであるが、佐川急便問題を抱える細川氏への配慮から舌鋒が鈍った面もある。少なくともネット上では田母神支持者が最も熱心に批判していた。ネット右翼が赤旗の記事リンクを拡散するという面白い光景が見られた。

また、桝添候補は厚生労働大臣時代の薬害被害者への冷たい対応という批判要素もあった。薬害肝炎訴訟原告の一人は「舛添氏は『心を一つにしましょう』といったのに、官僚と心が一つになってしまった」と批判していた。しかし、これも水俣病患者に冷たい対応をした熊本県知事は誰かという問題が出てくる。

 桝添候補を批判すると細川候補へのブーメランになる。だから観念的に脱原発、脱原発と唱えるしかなくなる。桝添候補をぶった切るならば、細川候補も一緒にぶったぎるくらいの勢いが必要である。逆に言えば細川候補をぶったぎれなかった弱さが今回の敗因である。

 細川融和政策によって本来ならば行いたかった細川批判が抑制されたことは、宇都宮支持者の間にフラストレーションを蓄積させる。こちらは遠慮しているにも関わらず、向こうは執拗に一本化を押し付けてくる状況では尚更である。

 宇都宮氏の求心力が高まった要素として宇都宮氏が感情を出して一本化論を批判した『宇都宮けんじ、候補一本化問題で吠える』の動画がある。これは多くの人々に視聴された。それは宇都宮氏が怒りを代弁してくれたからという面がある。私も東急不動産消費者契約法違反訴訟(東急不動産だまし売り裁判)原告として怒りが重要な原動力であることを理解している。怒りは適切に放出する必要がある。
http://www.hayariki.net/poli/hosokawa5.html
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