[CML 029692] 国共合作批判

林田力 info at hayariki.net
2014年 2月 16日 (日) 23:56:39 JST


東京都知事選挙(2014年2月9日)で市民派にしこりが残ったとすれば、細川護煕氏への一本化要求(宇都宮けんじ降ろし)である。自分が望まない道を強いられるならば反発が生じる。

 一本化要求には国共合作の歴史が援用された。これは歴史に依拠しているようで、歴史を軽視した論法である。国共合作は国民党の蒋介石にとって嫌々ながら行ったものに過ぎない。蒋介石は日本の侵略を皮膚病に、中国共産党を内臓疾患にたとえた。命の危険がある病気は後者であるとした。蒋介石の主張の正しさは、その後の歴史が示している。この歴史を踏まえれば国民党的な存在に国共合作を持ちかけても歓迎されない。

それでは共産党は喜ぶか。当時の中国共産党の側にも国共合作はソビエト連邦の意向という外在的要因があった。ソ連が国共合作を求めた理由は日本軍を中国が引き受け、ソ連の安全を図るという一国社会主義であった。この歴史は日本共産党に一本化を求める際に致命的なほど逆効果になる。

 日本共産党はソ連共産党にしても中国共産党にしても外部からの支配を嫌う。日本共産党に国共合作を援用して一本化を求めることは、東急不動産だまし売り被害者に東急不動産のマンションを勧めるようなものである。このようなところにも一本化失敗の理由を見出だせる。というよりも真面目に日本共産党を説得できると考えていたかも疑わしい。国共合作という言葉が出るところには日本共産党への無理解か軽視がある。

さらにコスモポリタンな視点からすれば、国共合作も所詮はナショナリズムである。国共合作は日本という非道な侵略者に対抗したから歴史的意義があった。現代日本で安易な国共合作の称揚はナショナリズムに取り込まれかねない。
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林田力Hayashida Riki
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