[CML 029691] 細川護煕候補の脱原発至上主義は戦略ミス

林田力 info at hayariki.net
2014年 2月 16日 (日) 23:49:26 JST


東京都知事選挙(2014年2月9日)において細川護煕・元首相は3位に落ち込んだ。これは細川陣営が脱原発至上主義(脱原発オンリー路線)を採用したことによる戦略ミスである。東急不動産だまし売り裁判を出発点とする私にとって、「原発だけが争点」「原発以外は知らない」という政治姿勢は到底受け入れられないものである。

 細川陣営は終盤で様々な政策に言及するようになったものの、序盤の「原発だけが争点」が尾を引いた。最初に脱原発至上主義を聞いてしまうと、仮に後から別の政治課題で良いことを聞いたとしても、「どうせ、やる気がない」と感じてしまう。

シングルイシューが悪いと主張するつもりはない(林田力「シングルイシューの重要性」PJニュース2010年5月28日)。消費税反対の土井たか子現象もシングルイシューであった。小泉劇場も手法自体は右翼・左翼関係なく評価できるところがある。問題は都民の生活課題と離れたイシューに限定し、生活課題を切り捨てたことである。他陣営の選挙戦は政治であったが、細川陣営は世論工作でしかなかった。

 脱原発至上主義批判に対しては「脱原発をブレイクスルーにして日本の社会経済の構造を変えるものである」との反論が寄せられる。その論調は左翼小児病ならぬ脱原発小児病と呼びたくなるものである。

 私は2012年東京都知事選挙も2014年東京都知事選挙でも宇都宮勝手連に属したが、2012年選挙での宇都宮陣営の脱原発オンリーという傾向にも消極的な評価をしていた。それ故に「東京都知事選の争点は原発だけではない」と言える状況に逆にモチベーションは高まった。「東京都知事選の争点は原発だけではない」という点では保守層ともエールを交換できた。「細川氏は論外」は話の出発点となり、まともな候補者として宇都宮氏を紹介しやすくなった。

 同じ脱原発候補としてエールを交換し合うべきという意見も提示されたが、細川候補にエールを送る意義を見出せない。細川氏にエールを送る意義があるとすれば、宇都宮氏では手が届かない保守票を舛添氏から引き剥がして票を分散してくれることである。ところが、細川氏は脱原発至上主義によって真面目に政策で判断する保守層の怒りを買った。細川氏の選挙戦略は脱原発の宇都宮票を奪うことしか機能していなかった。その最たるものが事実上の細川応援団による一本化要求(宇都宮辞退要求)である。

 細川陣営の合理的な戦略として、細川元首相や小泉純一郎元首相というネームバリューある人物を擁していることを活かし、保守層に食い込むことに注力すべきであった。保守層から胡散臭く思われている脱原発至上主義者などをあてにし、宇都宮陣営への工作にリソースを費やすことは戦略ミスである。本来ならば細川氏が獲得できる保守層は脱原発至上主義に嫌悪感を抱いている。脱原発至上主義者は細川氏を熱狂的に支援することで贔屓の引き倒しになった。

 最も辛辣な見方として細川氏の出馬は宇都宮潰しが目的とする見解がある。これが正しいならば目的を果たしたことになる。一方で細川氏の出馬には、民主党が失墜し、第三極も分裂気味という状況で政治勢力を再構築するという可能性があった。この点を真剣に考えるならば脱原発至上主義は遠ざけた方がいい。これが私からの細川陣営へのエールである。
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林田力Hayashida Riki
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