[CML 029572] 東京都知事選挙・東部地域結果分析

林田力 info at hayariki.net
2014年 2月 11日 (火) 16:46:00 JST


東京都東部地域(足立区、荒川区、江戸川区、葛飾区、江東区、墨田区、台東区)の選挙結果を分析する。分析できることは3点ある。第一に東部地域は2012年と比べて宇都宮けんじ票が伸びている。第二に東部地域は依然として全都平均の得票率を下回っている。第三に台東区を除いて宇都宮票は細川票を上回った。

第一の点について宇都宮票の増減は東高西低の傾向がある。葛飾区の増加票数約4312票は大田区7828票に次いで区市町村別増加票数2位である。江東区は3位である。東部地域の票の伸びは2012年に宇都宮支持が検討した西部地域と好対照をなしている。また、東部地域は台東区を除いた全ての区で宇都宮票が細川護煕票を上回っている。

東部地域の伸びは、東部勝手連が早い段階で宇都宮けんじ支持を決め、活動を開始したことが寄与していると考える。宇都宮けんじ氏が主張した脱原発以外の生活密着課題は東部地域で特に切実に響いた。選挙後も運動を続けると言った場合に東部地域は重点地域になる。2012年宇都宮けんじ東部勝手連のメンバーが身近な貧困問題をテーマに勉強会を開催してきた活動の方向性も正しかった。

第二の点は課題である。宇都宮票は伸びており、方向性の正しさも確認できた以上、地道に継続していくしかない。宇都宮得票率が全都平均を下回った分は舛添要一氏に流れている。舛添要一氏の得票率は台東区を除いた全ての区で全都平均を上回った。宇都宮氏を支持しない層は舛添氏を支持する傾向が強い。

これは仕方がないことである。「都政わいわい勉強会in東部地区」では2月4日に候補者の介護政策を比較したが、細川氏の政策は舛添氏以下であった(都政わいわい勉強会in東部地区:貧困問題その3 ブラック介護問題、都政でできることは)。社会保障について宇都宮氏も舛添氏も行政の責任で提供することを公約に掲げているが、細川氏は「自助・共助・公助」と行政の責任のウェイトを下げている。マスメディアが当初描いた二強対決の構図で舛添氏と細川氏の政策を比較するならば、舛添氏を選択することになる。細川氏は次善の候補者としても推すことはできない。

第三の点は宇都宮票の伸びの裏返しである。問題は舛添氏の得票率が全都平均よりも下回った台東区では細川票が次点になっていることである。舛添得票率が全都平均を下回ることと細川票が次点になることは世田谷区や武蔵野市でも見られる。これは「STOP安倍を実現する力のある候補は細川で、共産党や共産党と手を握った宇都宮氏は自民党別働隊」という攻撃を補強する事実になってしまう。

しかし、細川氏のような脱原発至上主義路線が都政課題について真面目に政策で判断する保守層の怒りを買ったことも事実である。本来ならば細川氏が獲得できる保守層は脱原発至上主義に嫌悪感を抱いている。脱原発至上主義者は細川氏を熱狂的に支援することで幾つかの地域で宇都宮票を上回る成果を出したとしても、大局的には贔屓の引き倒しになった。
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林田力Hayashida Riki
http://hayariki.net/tobu/kaihyou2.htm


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