[CML 029429] ブラック介護問題、都政でできることは

林田力 info at hayariki.net
2014年 2月 5日 (水) 23:30:17 JST


林田力(都政わいわい勉強会東部地区実行委員会)から「東京都政シールアンケート・介護政策比較」を報告した。江東区や足立区、葛飾区の商店街などにおいて、東京都政で重視する項目を尋ねるシールアンケートを行った。

 最多得票は「医療・介護・福祉」である。2位は「子育て支援・教育」である。3位は「脱原発・被曝」である。「暮らし・住宅」、「防災・減災」、「ブラック企業規制・雇用」が続く。「オリンピック・パラリンピック」は最下位であった。脱原発のみを争点とする陣営もあるが、脱原発は重要な争点の一つであっても、唯一の争点ではない。生活に密着した課題を重視する点は新聞の調査も同じである。

 続いて東京都知事選立候補者の介護政策比較である。全候補者を対象とした政策比較は都政わいわい勉強会in東部地区に掲載している。ここでは届け出順で元日弁連会長、元厚労相、元首相の主要三候補の政策を比較する。

まず介護を含む福祉分野への市政である。元日弁連会長と元厚労相は意外と共通する姿勢を持っている。介護を個別の問題ではなく、子育てや医療など人生の様々なステージの一要素として総合的に捉えている。また、行政の責任で社会保障サービスを提供しようとしている点も同じである。

 元日弁連会長は条例制定を公約に掲げており、制度化を目指している。これに比べると元厚労相「全力をあげます」は努力だけである。但し、条例は議会が制定するもので、都知事だけでできるものではない。元厚労相は「母親の介護の経験、厚生労働大臣時代の経験を生かし」と個人の経験をアピールしている。

 元日弁連会長や元厚労相に比べると元首相の総論は抽象度が高い。また、元日弁連会長や元厚労相は「生活保障システムをつくります」「社会保障の充実に全力をあげます」と行政の責任で社会保障サービスの提供を掲げるが、元首相は「自助・共助・公助」と行政の責任のウェイトを下げている。自助とは自分で何とかしろ、共助とはコミュニティで何とかしろ、ということであり、行政の占める割合は小さくなる。

 3人とも表現は違うが、高齢者が自宅で自由に安心して生活できるようにする点では共通する。施設に入るよりも自宅で住み続けたいという声があることは確かである。そのための具体的に都政でできることは何かという点は考えなければならない問題である。

 自宅に住み続けたいというニーズがある一方で、特養ホーム待機者は切実な問題である。元日弁連会長も元厚労相も高齢者向け施設の拡充を訴える。元日弁連会長は待機者ゼロを目指すと明言する。また、量の拡充だけでなく、人員も増やすことで質的にも拡充を目指している。元首相は言及していない。

 新しい介護サービスについて元日弁連会長と元厚労相が言及し、元首相の言及はない。元日弁連会長は「訪問介護・訪問看護を同時に行う24時間型巡回型在宅ケア」、元厚労相は医療と介護の連携を述べ、意外と方向性は似ている。

 今回のテーマはブラック介護である。ブラック介護をなくすためには介護労働者の労働環境の改善が必要である。元日弁連会長はブラック企業規制条例など様々な労働者保護政策を公約に掲げている。これに対して元厚労相や元首相は経済成長・規制緩和による雇用環境改善を志向する。このような方向で雇用環境が改善されるか、現場の声をうかがいたい。

 最後に介護する家族への支援や保険料負担の軽減、生活困窮者への配慮については、元日弁連会長のみが公約で言及している。
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林田力Hayashida Riki
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