[CML 035355] Re: 深層news-激論-慰安婦問題を世界はどう見ているか-誤解と批判-日本はどうする

森中 定治 delias at kjd.biglobe.ne.jp
2014年 12月 6日 (土) 17:57:03 JST


前田さん

私は人権の問題として広く関心はありますが,特別に慰安婦問題について専門的に調べている訳ではなく,詳細,正確な知識がありません.それであくまで一般の市民,素人としてDVDを拝見しました.前田さんは,終止落ち着いて言葉も柔らかく,素晴らしかったです.相手は詰まったり,慌てたり,相手の言葉を止めたり,特別に酷いというのではないのですが,前田さんと比べると見苦しさが感じられました.やはりその分野に詳しいというか,自ら調べて疑問を放置しておかないという日頃の努力とそこから生まれる自信,正しいことのためにやるという目的の違いだと思いました.

>事前の打ち合わせでは、ディレクターも司会も西岡さんも、ぜひ話してほしい、とのことだったのですが、実際には話せませんでした。途中で旗色が悪くなったために、これ以上前田に自由にしゃべらせるとまずいという判断だったのでしょう。

へえー,そう言うこともあるのですね.

>西岡さんはひたすら「朝鮮半島では奴隷狩りはなかった」と繰り返し、そこから「だからすべての奴隷狩りがなかった」とすり替える努力をしていました。私が中国、フィリピン、インドネシア等々における奴隷狩りを指摘すると、自分は朝鮮の専門家だから中国やフィリピンのことは知らないと言いました。「慰安婦」問題の全体像を解明して解決を探ることには全く関心がないのです。

全くその通りです.朝鮮半島ではそれはなかったということを主張するためだけのようでした.ご指摘のように,細かい地域でどうだったかということではなく日本軍の行動につい広く関心があるので,朝鮮の地だけ細かい一点のみに絞って云々しても意味がないと私も思います.私だけでなくて,ある地域ではなかったと言って,何の価値があるのでしょう.その狭い地での事象を確定し,その確定した結果を全戦線に敷衍するというのは論理的に成り立たないことは自明です.

素人の私の意見(一般論)ですが,新聞に一つ嘘か間違いがあって,新聞社が詫びてそれを取り消したからと言って,慰安婦や強制連行がなかったということと関係がないと思います.ブラックスワンと同じです.”黒い白鳥はいない”という結論を出すことは論理的には不可能です.敗戦時,日本軍は証拠隠滅のために殆どの文書を焼きました.もし総てが焼かれず残っていて,その文書を全部調べても慰安婦や強制連行の指示や示唆に係わるものが一つもなく,逆に日本軍は神軍であるから,もしそのような行為をした兵隊がいたらその場で銃殺に処すなどと書かれた指示書が見つかれば,さすがに正義の日本軍!やせても枯れてもそんなことはやっていないと世界に訴えることができ,世界も納得するでしょう.でも姑息にも文書を全部焼いてしまったことで,そもそもそんな話題をもちだすことすらおこがましいように思います.自分たちがやったことを示す文書を焼いてしまうような姑息な奴が何を言うか!!この問題については,ありていに言えば世界はそう見ているでしょう.

これからも頑張ってください.

森中





On 2014/12/06, at 10:18, <maeda at zokei.ac.jp> <maeda at zokei.ac.jp> wrote:

> 前田 朗です。
> 12月6日
> 
> 森中さん
> 
> ありがとうございます。
> 
> 日テレで、司会の一人が読売新聞編集委員ですから、かなり限界があることは最
> 初からわかっていましたので、最低限言えることを言っておこうという心構えで
> 臨みました。もっとも、あれも言わなければ、これも・・・と、結局言えずに終
> わったことがたくさんあります。
> 
> 例えば、1996年4月の国連人権委員会で、日本政府が提出しようとして結局
> 取り下げた幻の報告書を巡るエピソードです。各国政府から「国際法の解釈が間
> 違っている」「特別報告者を侮辱している」と批判されたためにあわてて取り下
> げました。私はそのコピーを入手して、当時、多くの人にコピーを配布しました。
> 96年5月、参議院法務委員会で国会質問もやってもらいました。日本政府は存
> 在を秘密にしました。今年、産経新聞が「スクープ」などと称して報道したもの
> です。この件を喋る予定でした。事前の打ち合わせでは、ディレクターも司会も
> 西岡さんも、ぜひ話してほしい、とのことだったのですが、実際には話せません
> でした。途中で旗色が悪くなったために、これ以上前田に自由にしゃべらせると
> まずいという判断だったのでしょう。
> 
> さて、本題は、武力紛争下における性暴力をいかに予防し、対処するかの国際的
> 討論です。クマラスワミさんは「女性に対する暴力特別報告者」です。家庭にお
> ける暴力(DV、ネグレクトなど)、社会における暴力(レイプ、セクシュアル・
> ハラスメントなど)、国家による暴力(戦時強姦、監獄における強姦、性奴隷制
> など)について、女性の人権をいかに守るかです。もう一人、「慰安婦」問題の
> 報告書を書いたマクドゥーガルさんは「戦時組織的強姦・性奴隷制特別報告者」
> です。
> 
> ところが、司会の一人と西岡さんは、このことにまったく関心がないことがわか
> ります。西岡さんはひたすら「朝鮮半島では奴隷狩りはなかった」と繰り返し、
> そこから「だからすべての奴隷狩りがなかった」とすり替える努力をしていまし
> た。私が中国、フィリピン、インドネシア等々における奴隷狩りを指摘すると、
> 自分は朝鮮の専門家だから中国やフィリピンのことは知らないと言いました。
> 「慰安婦」問題の全体像を解明して解決を探ることには全く関心がないのです。
> 司会の一人も、日韓外交関係の問題だけに絞り込む立場です。土井美穂さんだけ
> が、女性に対する暴力の問題を解決する必要性を指摘しました。
> 
> 一般の視聴者にどう伝わったかはわかりませんが、白色奴隷(White Slave)条
> 約や国外移送目的誘拐罪のことは、知らない方が多いので、話せてよかったと思
> います。
> 
> それから、森中さん、「先生」はやめてください。よろしく。
> 
> 
> ----- Original Message -----
>> 森中です.
>> 
>> 前田先生から示された下記のDVDを観ました.考え方の異なる専門家の対論と
>> して大変興味深く拝見しました..
>> お二人の話をお聴きした私の印象として大枠から言えば,巨悪がありそのなか
>>> ごく一部分について正しいいや間違っていると争っている構図です.
>> しかもそのごく一部分についてふさわしくない過大な注目を世界から招いたの
> は,
>> 世界を驚かすほどの非適切な対応をしてきたからで,そうなってしまってから
> その
>> 一部分だけ,それは事実じゃないと言ってももう取り返しはつかず今後さらに
> 深く
>> 墓穴を掘るだろうと感じました.
>> 事実じゃないと強く主張することは国内では喜ばれ,いろんな利益を得られる
>>> ろうけれど,言えば言うほど世界的にはより悪意をもたれ,日本そのものを毀
>>> していくことになるように思います.
>> ゆえに日本の利益を考えるなら,その一部分が事実か事実でないか世界の舞台
>>> 論争することも,事実じゃないと主張することも,要するに現時点においては
>> その部分だけを取り上げること自体がまずいと思います.
>> 前田先生は,対論で非常に冷静で好印象を受けました.
>> 日本が世界から理解を得るためには,日本が世界から好意を持たれなければな
>>> ないでしょう.このようなデリケートな問題についてまず日本が世界から誠実
>>> 国として好意を持たれなくては,理解はないということを忘れていると思いま
> す.
>> ます好印象をもたれるということが,外交の基本でもあり,また人間と人間の
>> 対応の基本のように思いますが,いかがでしょうか.
>> 
>> 
>> 
>> On 2014/12/06, at 0:01, <maeda at zokei.ac.jp> <maeda at zokei.ac.jp> wrote:
>> 
>>> 前田 朗です。
>>> 12月5日
>>> 
>>> 下記にアップされています。
>>> http://www.dailymotion.com/video/x2bpi86_
>>> 
>>> 深層news-激論-慰安婦問題を世界はどう見ているか-誤解と批判-日本は
> どう
>>> する-141203_news
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>>> 
>>> 
>> 
>> 
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