[CML 033550] 吉野健太郎逮捕と危険ドラッグ
林田力
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2014年 8月 31日 (日) 22:49:03 JST
吉野健太郎は危険ドラッグの原料を中国から輸入したとして薬事法違反(指定薬物輸入)の疑いで逮捕された。吉野健太郎は以前から脱法ハーブ関連で批判されていたが、吉野健太郎が人の言葉に耳を貸すことはなかったのだろう。その結果が逮捕である。
この吉野健太郎逮捕報道で危険ドラッグの呼称が定着した感がある。オレオレ詐欺の言い換えとは異なり、「危険ドラッグ」の表現には積極的に評価すべき要素がある。吉野健太郎事件は薬事法指定薬物、つまり違法薬物の輸入である。これは脱法ドラッグとは言えない。合法スレスレではなく、違法である。違法にすべき脱法ドラッグと既に違法なドラッグを同じ概念で説明できるメリットがある。
一方で従来の脱法ドラッグや脱法ハーブという呼称にも依然として意味がある。脱法ドラッグ販売側は合法スレスレの意味で使っていたが、批判側が脱法ドラッグをブラックな文脈で使うことで、脱法という法の隙間を追求する行為自体にブラックなイメージを与えることに成功した。これは脱法ハウスとも共通する。
法の隙間を追求するメンタリティは同じく批判されているブラック企業やブラック士業とも重なる(林田力『ブラック企業・ブラック士業』アマゾンKindle)。脱法ドラッグ売人がブラック稼業と呼ばれる所以でもある。危険ドラッグも脱法ハーブも意味のある言葉であるため、「危険ドラッグの一種である脱法ハーブ」「危険ドラッグ(脱法ハーブ)」というような表現が今後も使われるだろう。
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林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
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