[CML 033328] 今日の言葉~抜録~「黒子のバスケ」事件に求刑どおり懲役4年6月の実刑判決 ――毎日新聞(2014年08月22日)から
higashimoto takashi
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2014年 8月 22日 (金) 19:41:01 JST
今日の言葉~抜録~「黒子のバスケ」事件に求刑どおり懲役4年6月の実刑判決
――毎日新聞(2014年08月22日)から
人気漫画「黒子のバスケ」を巡る連続脅迫事件で、威力業務妨害罪に問われた元派遣社員、渡辺博史被告(36)
に対し、東京地裁は21日、求刑通り法定刑の上限に当たる懲役4年6月の実刑判決を言い渡した。前田巌裁判
長は「動機は理不尽極まりなく、同種事件でも類例を見ないほど重大で悪質」と述べた。判決は動機を「作者の学
歴や、漫画家としての成功に対する妬み」と認定。イベントが中止されたり、関連商品が撤去されたりしたことから
「影響が広範囲で、経済的損害も莫大」と指摘した。さらに「マスコミに犯行声明を送るなど自己顕示欲を満たす行
動に終始した」と批判。公判で渡辺被告が「反省する気はない」と話したことにも触れ「くむべき点(情状)など一切
ない」と述べた。渡辺被告は公判で、「小学生の時いじめられていたが、周囲が助けてくれなかった」と振り返り「自
分の人生は汚くて醜くて無残」などと語っていた。判決後、交流のあるジャーナリストを通じ「想定通りで、特別な感
慨はない。刑務所に4年以上も住まわせていただけることが決定したことを喜んでいる」とのコメントを出した。判決
によると、渡辺被告は2012年10月〜13年11月、作者の藤巻忠俊さんの出身校である上智大(東京都千代田
区)の体育館に硫化水素を発生させたプラスチック容器を置くなど、8件の事件を起こした。(「『黒子のバスケ』脅
迫:実刑、懲役4年6月 「動機は理不尽」−−東京地裁判決」毎日新聞 2014年08月22日)
http://mainichi.jp/shimen/news/20140822ddm041040157000c.html
引用者注:
私の知る限り、判決に「類例を見ないほど重大で悪質」「くむべき点(情状)など一切ない」などとあるのは、裁判所
が検察の求刑どおりの刑期を言い渡すときの常套文句です。すなわち、紋切り型の判決文。裁判長よ。あなたは
「黒子のバスケ」裁判被告人の「冒頭意見陳述」を読み得たか。もちろん読んだのでしょうが、読んだ上で「くむべ
き点(情状)など一切ない」などと言うのであれば、あなたは「文章読解力」など一切ない人だ、と断言せざるをえま
せん。判決文には被告人の心理に寄り添おうとするひとりの人間としての意気はもちろん、被告人が犯罪を犯す
に到る心理への裁判官としての洞察力も微塵も見られません。こうした裁判官の薄っぺらな人間観察力で人が安
易に裁かれてしまう。そうした釈然としない思いは決して私だけのものではないでしょう。
参考:「格差犯罪」ということについて ――「黒子のバスケ」初公判被告人冒頭意見陳述に見る「時代の病(「落ちこぼれた」
痛み)」としての犯罪(弊ブログ 2014.03.25)
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-821.html
東本高志@大分
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