[CML 033149] 東急不動産・三枝利行社長いわき土地取引疑惑

林田力 info at hayariki.net
2014年 8月 13日 (水) 17:54:52 JST


東急不動産の三枝利行社長が福島県いわき市のゴルフ場「新たいらカントリークラブ」跡地の取引で反社会的勢力の一員らの立会人を務めたと批判される(「「東急不動産」「武田薬品」「シャボテン公園」「ワタミ」プレジデントが大火傷する炎上「株主総会」の火元」週刊新潮2014年7月3日号)。東急不動産は東日本大震災復興支援プロジェクトへの取り組みを掲げるが、内実は利権と欺瞞の世界である。

 問題の土地は愛媛県松山市の不動産業者が所有しているが、この業者には暴力団との関係を吹聴し、競売を妨害したとして福岡県警に逮捕された過去がある。この松山市の業者は2014年3月4日に北海道函館市の観光会社にゴルフ場跡地を売却する契約を締結した。この契約書には三枝利行・東急不動産事業創造本部取締役常務執行役員(現社長)が「立会人」として署名捺印している。

 売買契約は二つに分かれていた。一つはゴルフ場跡地のほぼ全体になる150筆の売買契約で価格は約6億9900万円である。もう一つは入口部分の2筆の売買契約である。この2筆は売買契約から1ヶ月も満たない3月28日に函館の観光会社から東急不動産に所有権が移転した。この不自然な取引は「新規事業や再開発において、わずかな土地を取得、居座って高値売却を狙うのは、反社会的勢力が絡む業者の常套手段である」と評される(伊藤博敏「東急不動産を「いわき市100億円事業」から撤退させた「現社長署名の契約書」流出騒動」現代ビジネス2014年7月17日)。

 東急不動産が松山の業者から直接購入せず、函館の観光会社を経由する理由はダミーである。「この疑惑、本当に社長のクビが飛んでもおかしくない内容である」(「「東急不動産」トップの反社疑惑」アクセスジャーナル2014年7月7日)。

 以下の報道もなされた。「「3課と4課が内偵合戦!?」…「恐喝未遂」or「特別背任」――「新たいらCC」買収めぐるトラブル発生で三枝某・東急不動産社長周辺でキナ臭い噂。(買った相手が悪かった?)」(「東京仙人島通信局取材メモ」週刊0510 2014年7月1日)。

 東急不動産のダークな土地取引は東急不動産には他にもある。東急不動産は渋谷駅桜丘口地区市街地再開発地域(渋谷区桜丘町)でも、暴力団員による賃借人への暴力的な地上げが行われた雑居ビルを地上げ会社から購入している。暴力団員らは賃借人に「火をつけるぞ」と脅し、出入り口をふさぎ、共用部分の電気を切ったため、暴力行為法違反容疑で逮捕された(「渋谷再開発:組員ら逮捕 脅し立ち退き迫った疑い」毎日新聞2008年7月17日)。
http://www.hayariki.net/tokyu/saegusa.html
 脅迫を受けたオーナーは「地上げした暴力団員と裏で繋がっている可能性はないのか」と東急不動産に抗議した(山岡俊介「本紙既報の東京・渋谷再開発地区違法地上げ(最終とりまとめは東証1部大手不動産会社?)で、暴力団組員など逮捕に」アクセスジャーナル2008/07/18)。

また、東急不動産消費者契約法違反訴訟の舞台となった東京都江東区東陽のマンションを地上げされた土地を東急不動産が購入したものである。地上げを行ったブローカー・井田真介はマンション建設中に東急不動産の近隣対策屋となっている。このブローカーは裁判でマンション建設地の地上げを行ったと証言している(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』「地上げ屋の証言」)。

 東急不動産自体がダークである。東急不動産の高田知弘係長はトラブルになった顧客女性に脅迫電話を繰り返して逮捕されている(林田力『東急不動産係長脅迫電話逮捕事件』Amazon Kindle)。話をゴルフ場跡地に戻すと、東急不動産の疑惑が広がり、4月には公開質問状が出された。東急不動産は6月20日に問題の2筆の所有権を「錯誤」で、函館の観光会社に戻した。

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林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
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