[CML 033099] 放射能被害の実態がわからないと、問題そのものがないと片付けられてしまう。その危険はフクシマにも共通
京都の菊池です。
ekmizu8791 at ezweb.ne.jp
2014年 8月 10日 (日) 22:56:31 JST
放射能被害の実態がわからないと、問題そのものがないと片付けられてしまう。その危険はフクシマにも共通
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京都の菊池です。
いよいよ南海放送制作
テレビ番組「消えない雨 〜17万カウントの謎を追う〜」
(2014年5月25日(日)25:50〜26:40に愛媛県で放送されました)
が全国放送されます。
ご覧ください。ぜひ録画も
日本テレビ系列にて、
続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今
放送時間:2014年8月10日(日)24:50〜
http://www.ntv.co.jp/document/
です。
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映画『放射線を浴びたX年後』監督・伊東英朗さんインタビュー「日本人の記憶から消し去られてきたビキニ事件。その全貌を知ることが、福島の今後につながります」
http://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/genpatsu/itoh/
より
――2012年には、今回の映画のベースにもなったテレビ番組『放射線を浴びたX年後』が全国放送されました。
福島の事故があった後もなお、あえてビキニ事件を追及し続ける意味はどこにあると感じられていますか。
伊東 たしかに「そんな古いことを調べてどうするんだ、今はそれより福島の問題だろう」と言われることもあります。
でも、ビキニ事件というのは、映画の中でも描いたように、乗組員たちの被ばくだけではなく、
実は日本全土が核実験による放射性降下物に覆われて、日本人のほとんどが被ばくしたと言ってもいいほどの大事件にもかかわらず、その全貌がまったく未解明のままなんですよ。
そこが解明されれば、
被ばくから1週間後、3年後、5年後、そして数十年後に何が起こるのかが、少なからず見えてくるはずなんです。
例えば、直接被ばくしたマグロ漁船の乗組員、日本近海で漁をしていた漁師たち、
それから放射性降下物によって被ばくするとともに、汚染された魚を食べ続けていた一般の日本人。
それぞれのその後の健康状態を国を挙げて調査すれば、被ばくが健康に与える影響についての、相当詳しいデータが集まるでしょう。
それを検証していけば、福島で今後何が起こるかをシミュレーションできる。もちろん完全ではないにしても、今後こういうことが予測されるからこういう薬を配布しようとか、今からなら対処できることもかなりあると思うんです。
――逆に言えば、そうしたデータが検証されないままだと、
また同じことが起こる。
伊東 そうです。それに、事故が起こったあとのさまざまな動きも、ビキニ事件と福島のケースは似ています。
ビキニ事件は1954年の3月に第五福竜丸の被ばくなどが発覚した後、その年の12月31日に政府が安全宣言を出し、それまで行なわれていた指定された5つの漁港での放射性物質検査が打ち切られました。
一方、福島の事故も2011年の3月12日以降に起こり、やはり12月に政府の安全宣言が出るという、同じようなスパンで事態が進行しているんです。もしかしたら、人間が「そろそろ幕引きしてもいいんじゃないか」と考えるスパンということなのかもしれません。
なぜビキニ事件は、 記憶から消し去られたのか。
――先ほどもお話に出たように、映画の中では、ビキニでの核実験の際、世界規模で放射性降下物が飛散し、日本も全土が降下物に覆われていたことが、アメリカエネルギー省の機密文書によって明らかにされています。
これも非常に衝撃的な事実だったのですが、実は当時は新聞などでも、大きく取り上げられていたんですね。
伊東 事件が起こった1954年から2〜3年は、新聞などでも連日、各地に降下してきた放射性物質のことが報道されていました。
お茶や牛乳などから放射性物質が検出されたという話も、報じられています。
被ばくによる健康への影響がある、ないといった学者同士の議論なども繰り返されていて、それも今とそっくりですね。
ところが、年月が経つにつれて情報がどんどん少なくなって、ある時点からまったく書かれなくなる。そしてそれ以降、なぜか人々の記憶からも、ビキニ事件はすぽっと「消えて」しまうんです。
その「消え方」は本当に、恐ろしいほどですね。
――それは、誰かが仕組んだとか、隠したとかではなく……。
伊東 僕は、いろんな利害関係が密接に絡み合った結果ではないかと考えています。
政府だけではなく、例えば漁業関係者は、被ばくのことを騒ぎ立てて魚が売れなくなるのは困るから、生活のためにも早く決着させてほしい。
当時、魚は日本人の重要な栄養源でしたから、一般の人たちにも、早く安心して魚を食べたいという思いがあった。
さらに、被ばくのことを気にし続けるのは精神的にもつらいから、もう被ばくの話はやめて、明るく前向きに行こう、という思いも多くの人にあったでしょう。
そうした利害関係が合致したどこかのポイントで、事件はみんなの記憶から消失してしまったんじゃないでしょうか。
こうした「記憶の消失」についても、誰かがメカニズムを検証する必要があると思います。でなければ、これもまた福島で同じことが起こる可能性はありますよね。
特に東京以西の人たちには、「被ばくの話はもういいよ」という思いはあるだろうし、そうするとメディアは「被ばくの話を取り上げても視聴率が取れない、売れない」からもうやめようということになる。そしてどこかの時点で事故の詳細はみんなの記憶から消え去り、
「何か事故があったらしいけど、大したことはなかったらしい」とされて、
教科書に「福島で原発事故がありました」と一行書かれるだけ、という時代がくる。
そしてもし、その後に被ばくによる健康被害が出てきたとしても、本人たちも被ばくとの関連を自覚せず、もちろん補償もされないまま……、ということが起こりかねません。
死んでいった人たちの 「仇討ち」の思いがある。
――まさか、という思いもありますが、ビキニ事件がこれだけ「忘れられていた」ことを思えば、十分にあり得ることですね。
伊東 もちろん、忘れるというのは人間が生きていく上で大事なことです。
でも被ばくについては、『忘れること』は、
たくさんの人の命と引き替えになってしまう。
だから、ビキニ事件のときに何が起こったのかをきちんと知ることで、福島で同じことが起きないようにしたいんです。 そしてもう一つ、またさらに「次の事故」が起こらないように、という思いもあります。ビキニ事件が「忘れ去られて」きたことで、日本人には被ばくの本当の恐怖が浸透しませんでした。だから例えば原発を再び稼働させようという動きに対して「ノー」を言う強さがない。
ビキニ事件がちゃんと解明されて、被ばくした人たちがどれだけ亡くなっているかが明らかになれば、そうした動きにはっきりとノーを突きつける力になると思うのです。・・・
テレビ番組「消えない雨 〜17万カウントの謎を追う〜」 日本放送文化大賞 中国・四国審査会 「最優秀」受賞
http://www.rnb.co.jp/node/53118
より
・・・
番組審議会
番組審議会とは、南海放送が放送する番組の向上改善と適正を図るため、
放送番組等の審議を行うことを目的として設置された審議機関です。
番組審議会選定 平成25年優良番組はこちら
【第608回 番組審議会】
テレビ番組
「消えない雨〜17万カウントの謎を追う〜」
ラジオ番組
「この上なにを失いましょう〜詩人・塔 和子〜」
6月の番組審議会が6月30日(月)午後3時から本社役員会議室で7名の委員が出席して開かれました。
http://www.rnb.co.jp/rnb/banshin
はじめに、テレビ番組では「消えない雨〜17万カウントの謎を追う〜」について合評が行われ、委員から次のような意見が出されました。
・・・
南海放送では、「第五福竜丸事件」と呼ばれ、矮小化されて記憶された1950年代の中部太平洋での核実験に焦点をあて、これまで11年間にわたって被害の実態を追い続けてきました。
今回の番組では、「海」から「日本本土」に視点を変え、一連の核実験が、いかに重大な影響を日本本土にもたらしたかを実証します。
核実験が行われた当時、日本の各地で高濃度の放射能雨が測定されていました。このため、爆心地から地理的に近い沖縄の被ばく実態を明らかにすることで、日本本土の被ばくの実態が証明されると考え、舞台を沖縄において取材を進めました。
汚染した海で操業していた、沖縄のマグロ漁船の乗組員や気象台の職員ら、捜し当てた生存者からは、貴重な証言を得ることができました。
また、核実験を裏付けるために、沖縄県内4ヶ所で行った土壌調査では、核実験当時に生成された人工の放射性物質が検出されました。
1954年当時、沖縄近海で多くの被ばくマグロが見つかっているにもかかわらず、沖縄のマグロ漁船からは一匹の魚の被ばくも報告されていないのはなぜか、取材を通して解き明かしていきます。
今年5月に、南海放送が発見したアメリカエネルギー省の機密文書からは、1954年のビキニ事件よりもさらに2年前、すでに日本本土が被ばくしていた事実がわかってきました。
番組では、貴重な証言や科学的根拠にもとづきながら、半世紀以上たっても、今なお残る被ばくの実態を明らかにすることで、闇の中に埋もれていた歴史的な空白を浮き彫りにしてゆきます。
○私自身も3回ほど見直さないと全体を理解できなかった。あまりの衝撃で、番組途中に気持ちが止まってしまうんですね。それくらい見なければならない番組になっていたように思います。
○放射線量を実際に測定し、安全であるとアピールした当時のアメリカ軍関係者に事実を証言してもらうため、消息を追いながらそのプロセスも番組に構成すれば、もっとすごい番組になっていた。
○この先さらに取材を進めていけば、南海放送さんの取材領域を超えてしまうのかもしれませんが、そこまで視野に入れてもこの問題は追及する価値があるし、いろいろな手立てを講じて問題提起をすれば、すごく効果的ではないかと思います。
○全世界の人たちが事実を事実として知らされていない場面が、数多くあります。マスコミは可能な限り、事実を情報として伝える義務があるというせめぎあいの中で、今後とも事実を多くの人に明らかにしていく努力をし続けていただきたい。・・・
南海放送ラジオ3作品が日本民間放送連盟賞 中四国最優秀獲得!!
プレスリリース
平成26年7月18日
http://www.rnb.co.jp/node/52748
モーニングディライト えひめ デスクに聞け - 南海放送
http://blog.rnb.co.jp/md/?cat=4
17日(木)「デスクに聞け!」 「消えない雨〜17万カウントの謎を追う〜」について
http://blog.rnb.co.jp/md/?p=4318
ディライトモーニング - YouTubu
http://www.youtube.com/channel/UCwKgFmlzljfVWtU_ndbkFfw
http://www.youtube.com/watch?v=ZcGZJqa2OKA
朝日新聞。テレビ番組紹介記事
フォーカスオン
被曝の実態を追い続けて
続・放射線を浴びたX年後
日本テレ系 10日
深夜0時50分
http://www.asahi.com/articles/DA3S11282538.html
8/10(日)に全国放送される、その後の調査取材のようす
「続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今」について、
伊東監督のインタビューがしんぶん赤旗に掲載されました!
ローリングストーンズ日本版
伊東英朗 インタヴュー|54年の6回の水爆実験で広がった放射能が日本全土を覆っていた
http://www.rollingstonejapan.com/politics/sh/sh-1302-hideaki-ito/
2014年6月10日(火)
ジャーナリストの水島宏明さんによる、huffingtonpostの記事で、
映画「X年後」と、映画に登場の山下さんのインタビューが取り上げられました!
《放射線被害を告発した「ドキュメンタリーな学習」映画で脚光を浴びても衰退の危機はなぜ?》http://www.huffingtonpost.jp/jcej/radio-active-documentary_b_5328853.html?utm_hp_ref=japan
劇場映画 「X年後」公式サイト
http://x311.info/
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