[CML 033034] 今日の言葉~抜録~朝日新聞の慰安婦報道検証問題について ――辺見庸「日録28」(2014/08/06)から
higashimoto takashi
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2014年 8月 7日 (木) 09:28:52 JST
辺見庸「日録28」(2014/08/06)から。
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*辺見庸の「今日の言葉」の注釈(リンク)については上記URL(左側)をご参照ください。
従軍慰安婦問題について、朝日新聞がこれまでの報道を点検し、一部の誤りをことさら麗々しくみとめて、とり消した。
いわゆる「真実の報道」のためにそうしたのか、歴史修正主義の怒濤に呑まれた世論と政治権力に屈してそうしたの
か。後者であろう。首相官邸、「日本会議」や右派系各紙、週刊誌を大いによろこばしめ、従軍慰安婦問題などそも
そもなかったという首相Aの思惑どおりの流れがこれでできた。歴史が崩壊している。事実が鋳つぶされている。この
伝で、文化大革命報道を点検したら、とり消しに値する誤報・虚報が何万件あることか。なぜそれはやらないで、慰安
婦問題なのか。朝日の記事とり消し騒ぎの後景には、理解をこえる嫌韓・侮韓のうねりもある。こうしたおぞましいセン
チメントが歴史的与件を蹴ちらしている。「ユダヤ人について持つ観念が歴史を決めるのであって、『歴史的与件』が
観念を生むのではないようである」(『ユダヤ人』)という指摘を、この場合、なぞってみる必要がないであろうか。ヒロシ
マの平和記念式典は首相Aの出席を拒否すべきだった。ないしは,集団的自衛権行使容認の閣議決定反対を鮮明
にうちだすべきであった。そうしない原爆記念日は、殺されたひとびとをすこしもなぐさめはしない。諍いはいま、おきる
べきであり、おこすべきである。エベレストにのぼった。(辺見庸「日録28」2014/08/06)
東本高志@大分
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