[CML 030979] (原発利権を追う 九電王国:中)地元支配、再稼働へ追い風

BARA harumi-s at mars.dti.ne.jp
2014年 4月 23日 (水) 11:35:59 JST


新聞記事
(原発利権を追う 九電王国:中)地元支配、再稼働へ追い風
2014.4.23
朝日新聞・朝刊
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11099148.html?ref=nmail_20140423mo&ref=pcviewpage

東シナ海に面した鹿児島県薩摩川内市に、再稼働第1号となる公算が
大きい九州電力川内原発はある。
人口10万人の街の中心から少し離れた5階建てビルに、九電の
地元対策本部「総合事務所」はあった。

 当初は3号機増設を目指して開設したが、2011年の東京電力福島
第一原発事故を受けて川内原発1、2号機が停止した後、地元に
再稼働への理解を広げる前線本部となった。
九電社員二十数人がここを拠点に市内各地を駆け巡る。

 ビルの不動産登記簿を調べると、地元有力建設会社のファミリー企業が
所有していた。
この企業がビルを買収したのは、九電が事務所開設を発表した直後の
09年3月。
その2カ月後の同年5月に九電が入居した。

 九州各地の九電幹部やOBに接触を重ねる中で、川内原発の内情を
知る九電関係者に出会った。

 「九電と地元建設業界は30年以上前の1、2号機建設工事からの付き合いだ」

 13カ月ごとの定期検査の際は、核燃料の交換や追加工事など1基ごとに
数十億~100億円の費用がかかるという。
「そのうち2割のカネは地元に落ちるようにしていた」と明かした。

 地元業者の受注競争は激しい。鹿児島県の地方議員が口利きしてきた
薩摩川内市の業者が県外の九電工事の下請けに入ったこともあった。
業者が週末に九電社員をゴルフに誘い、夜は宴会という付き合いが
当然だった時期もあったという。

 ■建設業は歓迎色

 川内原発の停止後、市内のホテル・旅館に空室が目立つなど街の活気は
急速に失われた。
安倍政権が誕生し、再稼働の機運が出始めた昨年ごろから安全対策工事が
本格化。
川内原発では現在、再稼働に向けて九電社員約300人、協力会社約1500人が
働く。
玄海原発(佐賀県)とあわせて約3400億円の安全対策工事を進めているという。

 地元の建設業界は「再稼働歓迎」一色だ。建設会社の元役員が打ち明けた。

 「原発の地元説明会があると、建設業界を中心に様々な業種が1社5人ずつ
ぐらい動員する。
できるだけ社員ではなく、家族を出す。
賛成派400~500人はすぐに集まった」

 薩摩川内市議会は26人中、再稼働賛成派が約20人とみられる。岩切秀雄
市長も「日本で一番安心・安全な原発」と公言している。
九電や関連会社への就職希望は多く、市議が就職を世話することもあるという。

 「九電のカネの恩恵はホテルやタクシーなど市内の隅々に行き渡る。
原発の安全性に疑問を持っても反対の声はあげにくい」

 再稼働に慎重なある市議はこう漏らす。原発事故を受けた「原発停止」が、
地元の「原発依存」をかえって浮かび上がらせた。

 ■原発政策の主役

 「九電支配」が強い鹿児島県では近年、原発の高レベル放射性廃棄物の
最終処分場の誘致をめぐる動きも明らかになった。

 国が最終処分地の公募を始めた02年以降、誘致が表面化した全国
12自治体のうち五つは九州、そのうち三つは鹿児島県内だ。
南大隅町では昨年、町長が処分場誘致を第三者に一任する委任状を作成
していたことが問題化した。

 東電原子力部(当時)で1970年代に処分場の候補地調査を担った
元社員は言う。
「当時もシミュレーションの候補地は鹿児島県の離島だった。
他の電力会社と比べて九電の地元支配力が強いことも考慮した。
現在もその力は変わらない」

 電力業界で君臨してきた東電は実質国有化され、業界リーダーから転落。
それに続く関西電力や中部電力でも早期再稼働の見通しは立たない。
九電は「王国としてそびえ立っている。あんなに強いところはない」
(関電幹部)と評される。
原発への逆風が電力各社に吹き付けるなかで、九電が日本の原発政策の
「主役」に浮上してきた。

(明日に続く) 



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