[CML 030972] ウクライナ、クリミア情勢の見方(23)――ウクライナ次期大統領選候補者にして横領犯でかつ元首相のユリア・ティモシェンコという「美しすぎる」女性について

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2014年 4月 23日 (水) 00:41:03 JST


4月18日付けの毎日新聞はウクライナの次期大統領候補として立候補表明しているユリア・ティモシェンコ氏の最近の動静を次のように伝えています。

【ドネツク田中洋之】ウクライナのティモシェンコ元首相は18日、東部ドネツクで会見し、州政府庁舎などを占拠する親ロシア派勢力と事態打開のため直接協議する考えを示した。自ら立候補している来月25日の大統領選は国内情勢安定に重要で、延期すべきではないと述べた。また米露と欧州連合(EU)、ウクライナの4者協議について「(危機の)政治的解決につながる」と評価する一方、ロシアの特殊部隊が東部の不安定化に関与していると批判し、撤収を求めた。最新の世論調査によると、大統領候補の支持率はポロシェンコ元外相が28%とトップで、ティモシェンコ氏は13%で2位に付けている。ポロシェンコ氏は親欧米派の候補一本化のためティモシェンコ氏に出馬取り下げを呼びかけているが、ティモシェンコ氏は拒否している。(「ウクライナ:ティモシェンコ氏 親露派と直接協議の意向」毎日新聞 2014年04月18日
http://mainichi.jp/select/news/20140419k0000m030121000c.html

しかし、このティモシェンコという「美しすぎる」元首相は同首相職を2度つとめたことがあるものの、国庫に入るべきガス輸送収入を何百万ドルも抜きとって着服し、政治資金にしていた罪と職権乱用罪で7年の刑が確定し、極右政権の樹立時に超法規的措置によって釈放されるまで服役していたといういわくつきの女性(田中宇の国際ニュース解説 2014年4月18日)。

しかし、なんといっても、この女性の最大のいわく(こみいった事情)は、つい最近のこと、彼女が電話で「東ウクライナの親ロシア派連中を是非とも核攻撃で灰にしてやりたい」「我々が銃をつかんであのロシア野郎どもをその指導者と一緒に殺す時がきた( “It’s about time we grab our guns and kill those katsaps [a 
derogatory Ukrainian word] together with their leader,” )」などとロシア戦争とプーチン大統領の殺害を示唆する話をしていたことが盗聴されていた一件でしょう。その電話の会話の模様は英語字幕付きビデオ( 
https://www.youtube.com/watch?v=6RxSzSWbcxo )で見る(聴く)ことができます。(「ウクライナをめぐるメディア戦争」童子丸開訳)
http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction/The_Media_War_Being_Fought_Over_Ukraine.html

以下は、そのユリア・ティモシェンコ元首相を主人公にした最新のウクライナ情勢記事です。この記事の筆者は次のような言葉で記事で締めくくっています。「アレ-ユリア! 民主主義と遵法は張り付けにされてし 
まい、我々は、欧米によるウクライナにおける政権転覆という救済にひざまずくよう期待されているのだ」。

■アレ-ユリア! 欧米によるウクライナ政権転覆という救済、主をほめたたえよ(マスコミに載らない海外記事 2014年4月22日)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/--d77d.html

Strategic Culture Foundation
Finian CUNNINGHAM
20.04.2014 | 04:00

今年の復活祭週末、有罪判決を受けた横領犯で元首相のユリア・ティモシェンコが東ウクライナを歴訪し、“妥協案”を見いだし、“国の結束”をするよう訴えた。今週、ウクライナ全土の緊張緩和の為に作り上げられたジュネーブ宣言にもかかわらず、反キエフ抗議行動参加者が公共の建物を占拠し続けているドネツク、ハリコフやスラビャンスク等の都市住民の不満に耳を傾けたいと彼女は述べた。

ドネツクで、ティモシェンコがマスコミに言ったこの宥和的な調子は、驚くべき変身のように響く - アレ-ユリア! -キリスト復活を祝うキリスト教祭事時期に相応しい。恐ら 
く淑女の編んだ髪形は、今や高潔さの後光の象徴だろう。

わずか数週間前に、ティモシェンコは、個人的な電話会話で、東ウクライナの親ロシア派連中を是非とも核攻撃で灰にしてやりたいと言ったのを盗聴された。同じ流出した電話会話で、ちなみに彼女はその会話が本物であることを認めたのだが、不祥事を起こしたこの政治家は、キエフ暫定政権に反対するロシア系住民は、暗殺部隊に“頭を強打される”べきだと言っていた…

そうした犯罪的な煽動は今や忘れさるよう期待されており、ティモシェンコは東部を“歴訪”する理性の声を装っているようだ。週末、彼女に対して激しい軽蔑を抱く抗議行動参加者達の声を実際に聞いたかどうかは疑わしく、恐らくはキエフ暫定政権が、地域の市長として新たにしつらえた新興実業家連中から概況を聞いたに過ぎなかったろう。

自殺願望の横領犯から、国家の女家長への転換は、ティモシェンコによるそうした偉業としては二度目だ。2月末に権力を掌握したキエフ暫定政権によって解放されるまでの服役中、健康悪化のせいで車椅子から離れられないと、ティモシェンコは主張していた。刑務所から解放された今、淑女は完全に回復したようで、クーデターで任命された、やはり彼女のネオ・ファシスト政党全ウクライナ連合「祖国」の主要人物たるアセルニー・ヤツェニューク首相を褒めたたえる為に、歩いて壇上に登場した。

長年の投獄期間、ティモシェンコは、欧米政府の支援者達やマスコミに、当時のウクライナ当局による虐待という取り乱した訴えを主張し続けていた。残酷な監獄生活のおかげで起きた麻痺の為に必要なのだと主張していた刑務所の車椅子に座って、彼女は惨めに訴えていた。その7年の刑は、国営ガス供給に関わる何百万ドルもの莫大な賄賂について告訴され、有罪が認められた結果であったことなどどうでもよいのだ。

2月22日にキエフで権力を掌握した、欧米が支援する政権が、彼女の有罪判決を破棄した。親欧米派で、IMF経済略奪賛成派で、親NATO派のティモシェンコは、2004のCIAが支援したオレンジ革命で有名になった。彼女は来月予定されているウクライナ大統領選挙に出馬する予定だ。恐らく、彼女の大統領としての野望には、車椅子をほうりだし、大またで歩けるようになるのみならず、大量虐殺という醜悪な考えを抱くこともあきらめるという感情浄化効果があるだろう。

そして今 - アレルヤ! - ティモシェンコは、わずか数週間前には核兵器を投下したいと思っていた人々に和解の手を差し伸べるのだ。

今は復活祭かも知れないが、東ウクライナの政府庁舎を占拠している抗議行動参加者達がこの驚くべき変身を信じないのは正しい。また今月始めに彼等が占拠を始めた庁舎から立ち退くべきでも、武装解除すべきでもない。

キエフ暫定政権指導部のヤツェニュークと自称暫定大統領オレクサンドル・トゥルチノフは、ティモシェンコ同様、突如として“国の結束”について語り、“憲法改訂”について曖昧な約束をし始めた。

先の木曜、アメリカ、ロシア、EUとキエフ政権が署名したジュネーブ宣言の下、キエフ政権は、これらの地域において、より大きな自治を認めることを考慮した上で、ウクライナ東部と南部の政敵達と全国的対話を始める義務を課されている。

決定的なことに、ジュネーブ協定は全国の全集団の武装解除と全都市で違法占拠されている庁舎からの退去も呼びかけている。この規定はマイダン広場や他の公共空間の占拠を続けているキエフ・クーデターやネオナチ国会議員達にも適用されるべきだ。

ジュネーブ文書署名からわずか数時間の内に、キエフ政権と、その主要スポンサー、アメリカ政府は、一方的な歪曲したやり方で条件解釈を始めたのだ。

致命的な誤りは、ジュネーブで、キエフ政権に“ウクライナ統治”の権限を与えてしまったことに起因する。この政権は主権政府ではないのだ。アメリカ政府と、ヨーロッパの同盟諸国が、犯罪的な打倒によってしつらえた政権だ。この政権が持っている唯一の権限は、アメリカ政府とEUが与えてくれたものに過ぎない。

キエフ暫定政権は“国の結束”についてあいまいな言い方をしているが、具体的に、東部都市における抗議行動参加者達の一方的武装解除を要求している。

しかも、もしドニェツク、ハリコフとスラビャンスクの抗議行動参加者達が即座に武装解除し、庁舎を明け渡さないならば、キエフ政権はウクライナの国家安全保障部隊を動員し、“対テロ”取り締まりを再開すると、キエフの自称外務大臣アンドレイ・デシツィヤは述べている。

ジュネーブ宣言の、この一方的な適用で、キエフ暫定政権はアメリカ政府の全面的な支持を受けている。アメリカ政府は、ロシア政府が、親ロシア派抗議行動参加者の武装解除を促進することを期待しており、もしそうしなければ、アメリカ政府、ロシア経済に対し、更なる経済制裁を強化するとアメリカのバラク・オバマ大統領は述べた。アメリカ政府は“非致死性”兵器を、キエフ暫定政権に供給するつもりだとも述べている。

こうしてキエフ・クーデターは、選挙で選ばれた大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチと、その政権を退陣させての暴力的、かつ違法な権力掌握、ウクライナ憲法の破棄、ロシア系住民に対する集団暴力行為の威嚇、更には、IMF借款や、NATO、EUとアメリカとの連合に関し、主権国家として判断することを認められたのだ。選挙で選ばれてもいないこのファシスト政権が、武装し続け、反動的な政治上の狙いの為、ウクライナ国軍を動員する権限を不法に自分のものとすることを認められたのだ。ところが他の全ての反対派は、このようなさん奪を目の前にしながら、抗議行動を控えることを強いられ、実際、反対派は、このぺてん師連中を黙って受け入れるか、さもなくば暴力的報復を受けるぞという最後通告を与えられている。

アレ-ユリア! 民主主義と遵法は張り付けにされてしまい、我々は、欧米によるウクライナにおける政権転覆という救済にひざまずくよう期待されているのだ。

記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2014/04/20/alle-yulia-redemption-western-regime-change-ukraine.html
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【訳者注】
・アレルヤは「主をほめたたえよ」の意 (「ヤハ(=ヤハウェ神のこと)を誉め讃えよ」の意、だと岩波キリスト教辞典にある。さらに、ローマ典礼では、中世以降のラテン語でHが無声であることから、アレルヤと唱える。とある。

・アレ-ユリア!アレルヤとチモシェンコの名ユリアをかけた語呂合わせだろう。

・ロシアは圧倒的にロシア正教信者が多いが、ウクライナも同様に正教信者が多い。ロシア正教会信徒数、約9000万人とWikiPediaにある。ウクライナ正教会、ロシアから分離独立以来、分裂し、いがみ合っているようだ。ロシアから破門されたという記述もある。ウクライナ正教会キエフ総主教庁 - 50.4%、ウクライナ正教会 (モスクワ総主教庁系) -26.1%と、 
WikiPediaにある。ともあれ、ウクライナ国民の7割は正教徒。


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
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