[CML 030945] 原発賛美の映画

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2014年 4月 21日 (月) 23:36:55 JST


 坂井貴司です。
 
 今日、福岡市の「中洲大洋」で上映されている

 『パンドラの約束』
 http://www.pandoraspromise.jp/

を見ました。

 19時の回でした。100人が入る上映会場は、スーツ姿のサラリーマンで席
の半分が埋まっていました。今まで見たことがない光景でした。仕事帰りの時間
ですので、サラリーマン姿があるのは普通ですけれど、今までに見たことがない
多さでした。会話を聞いてみると、九州電力の社員でした。会社が配った前売り
券を持って見に来たようでした。九電が会社ぐるみで動員をかけていました。

 さて映画は、どうであったかと言うと、

「反原発は過ちである。
 
 反原発は感情的な放射能嫌悪ヒステリーにすぎない。
 そもそも原発による放射能汚染は存在しない。
 
 地球が抱える最大の問題は原発の放射能汚染ではない。
 最大の問題は二酸化炭素増加による地球温暖化である。脱原発は地球温暖化を
加速させる犯罪的行為である。
 
 石炭を使用する火力発電書から出た汚染物質で死んだ人の数は、チェルノブイ
リ原発事故などの放射能障害で死んだ人の数万倍にものぼる。なのに誰も脱石炭
火力発電は言わない。おかしいではないか。

 二酸化炭素を排出しない原発を主たるエネルギーにすれば、節電などという馬
鹿げたことをせずに、エネルギー不足を解決することができる。同時に貧困問題
を解決することもできる。

 ただし、それは軽水炉などの既存の原発ではなく、統合型高速炉(IFR)や
トリウム原子炉、プリズム原子炉、モジュール原子炉などの第三、第四世代の原
子炉である。これらの新型原子炉は、メルトダウンは起こさない、軽水炉のよう
な大量の放射性廃棄物は排出しない、100年は保つという利点を持っている。
これこそエネルギーの主役にふさわしい。未来は明るい」

と主張するものでした。

 監督のロバート・ストーンを始め出演者は、「著名な」環境活動家や反原発運
動家だったそうです。いずれも反原発の過ちに気づき、原発推進に転向したとす
る人達です。

 原発の開発者たちを、先見の明を持った先駆者と称える一方、反原発運動を、
狂信的でヒステリックな破壊活動者として描いています。反原発デモの場面では、
警官との衝突や器物を破壊する映像を何度も繰り返しています。

 高速増殖炉を研究していた技術者は言います。

 「原発の不幸は、大量の廃棄物を出す軽水炉が商業化されたことだった。軽水
炉は建設コストが安かったので広まった。だが、大量の放射性廃棄物を出すこと
が欠点だった。それに比べれば、高速増殖炉は投入した量以上のプルトニウムを
増やすことができるので、放射性廃棄物の問題は出ない。高速増殖炉に力を入れ
るべきだったのだ。」

 「現在研究中の統合型高速炉などの新型原子炉が実用化されれば、廃棄されて
いる使用済み核燃料をエネルギー元として使うことができる。しかも廃棄物は出
さない。効率が極めて良く、安全でクリーンだ。」

 チェルノブイリを取材します。

 チェルノブイリ原発事故の死亡者は世界保健機構(WHO)などの調査では6
8人しかいない、と断言します。そして、事故から一年後、立ち入り禁止区域に
避難した住民が続々と帰還したことを取り上げます。
 「帰還した住民の中で、放射能障害で死亡した人は現在まで一人もいません」
 
と言い切ります。

 福島第一原発事故の現場へ行きました。
 取材したマーク・ライナースは言います。

「福島の国連科学委員会によると、ガンのリスクはほぼゼロで、今後も増えない
そうです。
 格納容器を持つ60年代の原子炉で福島第一原発事故は、最悪の事態でした。
しかし、このようなことは通常起こりません。」

 脱原発を国策にしたドイツを、世界有数の二酸化炭素排出国であるとこき下ろ
す一方、電力の80%を原発に依存するフランスを、地球温暖化防止に貢献する
すばらしい国である、と賞賛します。

 原発の放射能汚染に対する懸念を、感情的なヒステリーとしています。

 「原発から出る放射能と自然界の放射能を比べたら、自然界の方がはるかに放
射能が強い。バナナを食べると放射性カリウムを隊内に取り込みます。なのに誰
もバナナを食べることをやめません。それっておかしいでしょ?」

 映画は最後に言います。

「次世代原発こそ人類の希望です。現在のエネルギー消費量を減らすことなく、
地球温暖化を防止する離れ業を実現させます。太陽や風力などの不安定なエネル
ギーに依存すべきではありません。」

 怒りがわきました。

 「『原発さえなければ』と書き残して首つり自殺した酪農家や、長期間の避難
生活で絶望し灯油をかぶって焼身自殺をして主婦の前でよくもそんなセリフが言
えるな」と。
 
 この映画は、原発推進論者がどのようなウソ八百を並べ立てるのかよくわかり
ます。その点で見る価値はあると思います。
 
坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
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「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
その現実がここに書かれています・
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