[CML 030927] 戦略兵器としてのマスコミ : ウクライナをめぐるメディア戦争2

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2014年 4月 20日 (日) 23:31:53 JST


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*レンズのコン トロール:ウクライナをめぐって戦われる西側ブロックとロシア
のメディア戦争
BBC、CNN vs RT
*マフディ・ダリウス・ナゼムロアヤ
Global Research, March 27, 2014

 各国政府とメディア企業はマスメディアの報道を通して、世論形成および論争
の過程を支配し、あるいは少なくとも操作しようと試 みている。それらは同時
にマスメディアの報道を通して情報戦争を遂行する。他の地政学的な出来事と同
様にそれは、ウクライナの反 政府抵抗運動と2014年 2月のキエフでのクー
デターに関しても当てはまることである。この情報戦争は、国際的なニュース・
ネットワークと主要な新聞が武 器として活動する戦いだ。 使用される兵器はメ
ディアであり、その最前線は公共圏として知られる相互に浸透し合う領域であ
る。電波の周波数、音響、衛星回 線、ソーシャル・メディア、 携帯電話への
アップロード、通信ネットワーク、そしてインターネットが、この戦争の全体を
作り上げる。

*情報戦争とは何か?*
 情報伝達の様々な技術と形式が、紛争中に特定のテーマを遂行する目的で使用
される。言語、選別された言葉、独特な表現、特定の 画像、マルチメディアに
よるプレゼンテーション、そして情報通信が、この戦争の軍需物資の全てである。
 情報戦争の狙いは、世界中の人々に影響を与え、情報の流れや視聴者の認識や
現代世界を形作る推論の過程で全面的な独占を成し遂 げるために、論争を利用
することである。その基盤で、権力と結合性がマスメディアの情報通信を通して
形作られつつある。
  マスメディアが大量通信媒体を通して伝えるメッセージとアイデアは、メ
ディアをコントロールする者たちによって作られ、続いて視 聴者の認識を形作
るために その者たちによって利用される。現代のほとんどの社会にいる人々の
多数派の知識がマスメディアによって強くその形を与えられるた めに、マスメ
ディアは、そ の視聴者がある特定の意見を持つように仕向けるために、そして
それらの意見に基づいた決定を行わせるために、利用されている。そ れは繰り
返し届けられる メッセージを通して、目立たないようにあるいはあからさまに
為される。
 そのメッセージは、主流のメディアと情報ネットワークによって届けられる
ものだが、一般的に社会的活動の形態である。それは、それらの媒体による情報
伝達が、いかなる情報であっても、発信する以前に視 聴者の反応を計算に入れ
る ためである。勘定に入れられる反応には、具体的な対応つまり物質的な動き
のプロセスが含まれる。それはまた、伝えられる情報に対 する反応としての抗
議の示 威行動への考慮、あるいは出資者の撤退や通貨の切り下げや市場の変動
といった経済的な考慮をも含んでいる。
 大衆的に伝えられる話を独占して、代 替のまたは対立する話の信用を貶める
ことは、それが真実であろうと嘘であろうと、情報戦争の重要な局面である。こ
の形の戦闘行為 は決して新しくは無いのだ が、顕著になる一方の今世紀の非-
通常戦争の道具箱にある重要な手段となるにつれて、それがどんどんと洗練され
激化しつつあるの だ。
 私営と公営 の主要なニュース・ネットワークが追求するこの種の情報管理は
結果として、特定の主題と状況に対して視聴者がとる行動と反応を教 示する、
社会科学者たちが 共通認識という仮定(common sense assumption)と呼ぶもの
を産み出す。こういった共通認識という仮定は、 現実の世界に存在するいかな
る事実にも基づくものではなく、事実であり普通の 認識であるというように繰
り返して指し示されるものを基盤にして、形作られるものだ。国際的な出来事の
報道の中で視聴者に伝えら れるきわめて政治化された メッセージが、シーア派
イスラム教徒とスンニ派イスラム教徒が激しく争う敵同士であるとか、ウゴ・
チャベスが独裁者であるとか、 セルビア人とクロアチア人 の間に深く抜きがた
い不可逆的な憎しみがあるなどといった、共通認識的な態度を導き出している。
こういった仮定のどれ一つとして現実に根ざしたものは無 い。しかしそれは、
国際的な出来事について世界の視聴者のある部分に情報を伝える偽りの仮定の
砲身に徐々に染み込んでいるのだ。さらには、多くの場合これ らのメッセージ
は非政治的で自然な客観性を装って伝えられるのだが、そのことが大多数の視聴
者に、そのメッセージ伝達の動機や意 味合いに対する疑問を持た せないように
するのである。
 世界的な情報戦争の中で、現在ではウクライナが、シリアやベネズエラと全く
同様に、最前線になっている。それは、国 際的なメディア・ネットワークの戦
闘を通して映し出されつつある。このメディア戦争の目的は、キエフで起きた
クーデターとキエフ の新しい暫定政権への支持 あるいは反対の、国内的・国際
的な世論を確保し管理することである。

*国際的メディア戦争:BBCワールドとCNNインターナショナルをめぐって
の動き*
 アメリカ合衆国はかつては国際的メディアの中で情報発信のほとんど独占状態
を享受していた。しかしその点は、ロシアやイラン、 中国、ベネズエラといっ
た国々が、アメリカとその同盟国の国際メディア・ネットワークに対抗して、
Russia Today(RT)、Press TV、中国中央テレビ(CCTV)そしてpan-Latin
American La Nueva Televisora del Sur (teleSUR)といった国際ニュー
ス・ネットワークを立ち上げるにつれて変化してきた。これらの新しい反-体制
派国際メディア・ネットワーク ― もしそう呼んでよいのなら ― は、ロシア、イ
ラン、中国、ベネズエラから、そしてどこからでも共同して、国際的メディアの
それ までのあり方に挑戦し始めた。
  特にアトランタに本拠地を置くCable News Network (CNN)と国営の英国
放送協会(BBC)は、国際的な舞台でほとんど独占状態を保っていたのだが、
そういった支配的な国際的ニュース・ネットワークに よって提示される語り口
は、突き崩されゆっくりと損なわれていった。ロシア大統領のウラジミール・
プーチンの言葉を借りるなら、 彼が2013年にモスクワのRTのスタジオを
訪問 <http://rt.com/news/putin-rt-interview-full-577/>した時のものだが、
RTのような反-体制派国際ニュース・ネットワークは「全地球的な情報の流れ
に対するアン グロ・サクソンの独占を打ち破ろうとするもの」なのだ。
  RTやPress TVのような新しい国際的ニュース・ネットワークは、CNN、
BBC、Fox NewsそしてSky Newsのような主要ニュース・ネットワークによって
広められる論調に対して、実に効果的に対抗し始めた。そのため、アメリカとイ
ギリスの当局者たちはそ のメディア戦略の見直し始め自分たちの情報流通に挑
戦する国際的ニュース・ネットワークに立ち向かって無力化する方法を試み始め
た。アメリカとその同盟者 たちに採用される手順には、英語版Press TVやアラ
ビア語版Al-Alam、その他の国有イラン放送局の報道を、ヨーロッパででもどこ
ででも妨害すること
<http://www.nytimes.com/2012/10/18/world/middleeast/iran-media-
officials-castigate-europe-over-satellite-blackout.html?_r=0>が 含まれた。
  アメリカとイギリスが国際的舞台で享受したほとんど独占の状態は、大勢の
観衆がその情報源を多様化させるにつれて、2011年が 始まるまでに明らか
に打ち 壊された。CNNやBBCといった放送局は、社会主義リビアに対する
アメリカ主導のNATOの戦争への報道に関して、激しく不信 を買った。
 ヒラ リー・クリントンは、アメリカ合衆国67代目の国務長官であった間、
アメリカの外交政策の成功において国際的ニュース・ネット ワークとマスメ
ディアが果た した重要な役割の概略を公開の場で説明せざるをえなかった。
2011年にアメリカ議会の外交問題を取り扱う委員会での答弁の間 に、クリ
ントンは、ワシント ンが世界規模での情報戦争に敗れつつあると語った。彼女
は委員会に対して、多様なメッセージを伝える外国のメディア・ネットワー ク
に対する情報戦争遂行の 手段としてアメリカの国家メディア戦術のための資金
を増額するように要求する一方で、アメリカが冷戦スタイルのメディア通信と受
信方法に立ち戻ることの必 要性を確証すると述べたのである。彼女は、直接に
名前を出すことを避けたのだが、英語によるロシア人のチャンネルであると述べ
そ れが「非常に啓発的であ る」と語って、RTを非難した。
 クリントン国務長官は、アメリカと国営BBCが国際的メディア作戦を縮小さ
せつつあることを嘆き、「アメリカの メッセージを外に出すために」ワシント
ンがその縮小を逆転させる必要があると訴えた。しかしながら、アメリカと
BBCの縮小につ いて彼女は誤っていた。発 信源の問題ではないのだ。CNN
インターナショナルやBBCのような放送局に接続する視聴者数の減少こそが本
当の問題点だったの だ。
 クリントンの発言はアメリカの連邦機関である米国放送管理委員会に反響をも
たらした。そこはRadio Free EuropeやVoice of America (VOA)、イラクの
Alhurra、そしてアメリカのあらゆる国際的な放送を運営する国営機関である。
その委員長ウォルター・イサックスンは2、3ヶ月 前に、アメリカが情報戦争
を遂行中であり、「アメリカが敵どもの声によって伝えられることは許されない
<http://www.rferl.org/content/press_release_isaacson_newseum
/2170998.html>」 と宣言した。イサックスンは、以前はCNNの幹部だったの
だが、同時にまた「ニュース配信の上意下達がソーシャル・ネットワーク に触
媒作用を及ぼす新しい アプローチによって補われる必要がある」とも強調し
た。反政府抵抗運動とソーシャル・メディア、そして主流メディアの相互関連を
考える際に、この点に留意 することが極めて重要である。【訳注:大メディ
ア、ソーシャル・メディアによるベネズエラ「反政府抵抗者たち」という映像詐
欺
<http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction/Deception_of_the_Anti-
Government_Protests_in_Venezuela.html>を参照のこと】
 アメリカの主流メディアの報道は、全世界的な情報戦争に対するアメリカの取
り組みについての2011年のクリントン国務長官の 発言に応えつつ、 彼女の
発言を、単に外部世界と対話するために働くアメリカ政府の友好的で無垢なイ
メージを描く目的で、選別しゆがめた。アメリカ の高官たちはアメリカ政府 の
対外プロパガンダを先鋭化させ世界の公衆に提供される情報を支配することにつ
いて議会で議論を行っていたのだが、 アメリカのメディア機関はそれを何一つ
反映させず、それを説明する具体的で分析的な報道をなんら行うこともせずに、
クリントン国務長官の公聴会での発言に ついて漫然とうわべを取り繕うか完全
に見過ごしてしまった。
 実例として、ワシントンポスト紙は
<http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/03/02
/AR2011030206898.html>そ の記事の中で、クリントンとアメリカ上院議員たち
が議論している内容を分析しようとしなかった。たとえば、好戦派で軍事拡張主
義 者として知られるリチャー ド・ルーガー議員が米国放送管理委員会の国際的
メディア戦略を「我々のメッセージを知らせるための重要な外交の力」であると
語っ たときに、ピューリツァー 受賞記者であるワシントンポストのジョビー・
ワリックは、ルーガーの語ることが、他国の国民にアメリカ主導の情報を流し込
むこと を通してその国の政府に影 響を与えようとする、米国政府によるメスメ
ディアを用いた他国への権力の行使に関するものだという点について考察すらし
なかっ た。
 このクリント ン発言の報道が示した主要メディアの受身的な姿勢は通常、偽
りの目的をベースにして正当化される。行政や企業、主要メディアが批 判や妨
害をしたくない機関 が関わる重要な事柄になると、それは極めて普通のこと
だ。偏りや主観的な解釈なしで事実を伝えている、という主張がなされるので
ある。
 もしもロ シアの高官が外国に影響を与えるためにロシアのメディアを使うこ
とをロシア議会の委員会で発言するようなことでもあれば、それに ついてのア
メリカの主流メ ディアの報道は全く変わってくるのだろう。敵対する実体をそ
れらの報道機関が取り扱う場合には先と同様の基準が適用されない。そ ういっ
たニュースについて の主流メディアによる能動的なつまり独断的な主張を含む
断定的な報道の代わりに、これら敵対する実態の決定と行動に対する攻撃と 妨
害が、調査報道と批判的 分析の名のもとに、報道に適用されることとなる。

*シリアでの失敗に関してイラン、中国、ロシアのメディアに激しく襲い かかる
西側メディア
* 現在続行中の情報戦争がある一方で、2011年には非常に異なるメディア
戦争が顕著になり始めた。リビアに対するNATOの戦争
<http://www.globalresearch.ca/journalism-as-a-weapon-of-war-in-libya
/25441>は、 その遂行に国際的メディアネットワークが重要な役割を果たしたの
だが、この点を浮き彫りにした。反-支配的ニュース・ネットワー クがアメリカ
のプロパガン ダに挑戦して、CNNとBBCによる報道の正当性に異議を唱え
る代替の話題を提供し、それらの信用を傷つけて国際的・国内的な視 聴者層を
減らすまでに十分 に成熟していたのである。しかしながらリビアは単にその始
まりに過ぎず、シリアで明らかに示されたものは、主に英語、アラビア 語、ス
ペイン語によって戦わ れるそれらのニュース・ネットワーク間の、公開の激し
い争いであった。シリア問題に対するCNNやBBC、フォックスニュース、
そしてアル・ジャジーラの ようなネットワークの主張に挑みかかる反-支配的メ
ディア・ネットワークの有効性は、アメリカがそれまでずっと行ってきた情報の
流れが締めあげられている ことを白日にさらした。
 アメリカとイギリスのメディアは2012年初頭までに、シリアについての話
で中国とイランとロシアの国際的なニュース・ネット ワークに対する非常に
はっきりとした非難を開始した。BBCはその見出しの一つ「国連シリア解決案
拒否の背後にあるのは中国とイラン国営紙のみ
<http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-16909458>(2012年2月6
日)」が示すような不正確な主張をした。一方でその何日か後、2012年2月
10日に、 ニューヨークタイムズのロバート・マッキーは、「ロシア、イラン
所有の衛星チャンネルにおけるシリア危機の極めて異なる様相
<http://thelede.blogs.nytimes.com/2012/02/10/crisis-in-syria-looks-very-
different-on-satellite-channels-owned-by-russia-and-iran/?_php=true&
_type=blogs&_r=0>」 と題する記事で自分の見解を述べた。アメリカとイギリス
の新聞は、中国とイランとロシアのメディアの見方を激しく攻撃しながら も、
それらと同様の視点を持 つアフリカ、アラブ、アジア、ヨーロッパとラテンア
メリカの一部分を見過ごした。それらはアルジェリア、アルゼンチン、ベラルー
シ、ボリビア、ブラジル、 キューバ、エクアドル、エルサルバドル、インド、
イラク、レバノン、ナミビア、南アフリカ、ウクライナ、そしてベネズエラと
いっ た国々である。アメリカと イギリスのメディアが、一部の国際社会からそ
の視聴者に至るまでのシリアへの応援を懸命に誹謗し軽視しようと試みる間に、
その論 調をコントロールする独裁 権力の政治的アジェンダを頓挫させてしまった。
 メディア戦争は現実世界のパワフルな役者たちの間にある敵対関係の反映であ
る。だからこそ、その 危機をはらむ情勢の中でヒラリー・クリントンがロシア
人と中国人に対するアメリカの焦燥感を公に明らかにしたことは、何の驚くべ
きことでもあるまい。クリ ントン長官は、シリアに対する政権転覆と軍事攻撃
を支持する仲間の国々の外務大臣が集まる国際会議で講演し始めた。彼女は他国
の 外務大臣たちに、ロシアと 中国がワシントンの「前進」という考えに反対す
るならその「代価を支払う
<http://www.theguardian.com/world/2012/jul/06/syria-crisis-clinton-
china-russia>」 必要があると語ったのである。
 2012年7月
<http://iipdigital.usembassy.gov/st/english/article/2012/07
/201207068578.html#axzz2viBBw2dU>以 後のクリントンの発言は振り返ってみる
値打ちがある。彼女は次のように述べた。「私は、ロシアと中国がアサド政権の
利益の為に行 動することに対して、その いかなる代価をも、何一つ支払う気を
持っていないと思う。変化を起こす唯一の方法は、ここ(この会議)に出席する
全ての国が、直 接に緊急に、ロシアと中国 に対して前進を押しとどめている代
価を支払うべきことを明らかにすることだ。彼らは前進を妨害している。もはや
堪忍ならない
<http://iipdigital.usembassy.gov/st/english/article/2012/07
/201207068578.html#axzz2viBBw2dU>!」 クリントンによるシリアでの前進の定
義は、はっきりさせなければならないのだが、ダマスカス政権の転覆とシリア人
に対する爆撃の 軍事作戦を指している。彼 女はワシントンの激怒ぶりを表明し
ていた。彼女の発言が、国連安全保障委員会でアメリカとイギリスとフランスが
求めた対シリア戦 争の公認をモスクワと北京 が拒否した直後に為されたものだ
からである。
 シリアの政権転覆を妨げたロシアに対するワシントンの激怒の後で、合衆国
は、ロシアに対する制裁を 科する方法と、両陣営の間で行われる情報メディア
戦争の中でロシアの国際的なメディア・ネットワークを標的にする方法を真剣に
じっくりと考え始めた。そこ で考えられたことが、現在ウクライナ危機に伴っ
て具現化つまり実行されつつあるのだ。しかしながら、ロシアに対する制裁の呼
びか けは単にウクライナ危機の 結果というだけではない。それは、ロシア人と
イラン人が交渉を続けている大規模な石油と物資の物々交換取引を破綻させる
<http://www.reuters.com/article/2014/01/10/us-iran-russia-oil-
idUSBREA090DK20140110>方法について、合衆国の高官たちによってワシントンが
すでに考慮に入れていた動きの一部でもある。

*西側メディアがウクライナ危機の中でどのように役者たちを作り上げて いるのか
*  主流メディアは有力な会話から取り出すべき語り方とメッセージを選び抜
く。ある特定の声だけが聞かれることを許されるが、他の声 は会話から除外さ
れるか完 全に無視される。その一方で、主流メディアが視聴者に聞かせるため
に作り上げようとしつつあるものに抵触する状況は、多くの場 合、話の筋書き
から除外され るか、あるいはささいなものとされ信用を失わされる。
 欧州連合とNATOのウクライナへの拡張を支持する操作された語り口が形作
られつつあるの だが、そこではキエフで起こった出来事に関して捻じ曲げられ
た事実が描かれつつある。反政府抵抗運動についての論調のテンポを決 める語
彙の連鎖あるいは言 葉の関連付けがすべてを物語る。ヴィクトル・ヤヌコ
ヴィッチは常に腐敗政治家として描かれ、メディアはいつでも彼の富と豪邸に
<http://www.washingtonpost.com/blogs/worldviews/wp/2014/03/12/what-did-
yanukovych-take-with-him-as-he-fled-his-mansion-paintings-guns-and-a-
small-dog-according-to-new-video/>、そして親ロシアであることに焦点を当
て、一方で抵抗者たちは活動家の民主主義者として紹介されているのだ が、反
対派リーダー達の背景についてはほとんど追求されることが無い。【訳注:ウク
ライナのファシズム革命
<http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction
/The_Brown_Revolution_in_Ukraine.html>を参照のこと。】
  単語と文節はメディア・ネットワークの政治的な立ち位置を指し示してい
る。もっとはっきりと言えば自ら暴露している。これらの描 写の仕方とメッ
セージは、 客観的とされる情報源の立場を伝える判定をベースにして形作られ
る。これらのニュース・ネットワークをひと括りにしての伝達は、 視聴者がウ
クライナの反政 府運動についての同じ視点と語り口に恒常的にさらされるため
に次第に受け入れられていくにつれて、ますます心理的な刷り込みの方 に向か
い始める。
 腐敗した親ロシア政権が民主的な革命によって追い出されたという話が煽りた
てられる。これは実際に起こったことへの認識を含ま ないものである。 ヤヌコ
ヴィッチを貪欲な人物であり腐敗した官僚として描いた当のメディア情報源が、
実に好ましいものとして紹介される反対派の者 たちもまた同様に富豪であ り、
大邸宅や値段のつけようも無い芸術品やプールや車のコレクションや莫大な資産
を持っていることの説明を抜かしている。それら はまた、主要な反対派リー
ダーたちが以前にすでに権力を握っており、不始末と腐敗のために支持を失って
いたことをも説明していない。反対派リーダーたちが いわゆるクーデターを通
し て権力を握ったというのも事実ではない。ヤヌコヴィッチが親ロシア派で
あったという点について言うなら、ウクライナの政治家につ いてどの情報源も
嘘をつい ているか無知であるかのどちらかだ。地域的に見るとヤヌコヴィッチ
の党は大部分が(それだけというのではないが)、ウクライナに おけるロシア
語圏そして民 族的なロシア人の地域(アメリカやヨーロッパよりもロシアを好
んでいる地域)の要求に応じるのだが、しかし彼の党自体は断じて親 ロシアで
はなく、むしろ NATOとの協力を推し進めてきたのであり、ウクライナの最
近の選挙の後には、自らの憲法を裏切ってウクライナをロシアではなく 欧州連
合に近づけることさ えしてきたのだ。
 これらの記事にあるロシアとウラジミール・プーチンに対して中傷する言葉も
また実に効果的である。その言葉はこれらのメディア 機関がロシア連邦とプー
チンの上に投影したいと願う態度や信条を描く、あるいは表出する。プーチン大
統領は独裁者そして野蛮な軍 国主義者という濡れ衣をか ぶせられつつある。
プーチンの元KGBという背景が彼を悪魔化する手段として繰り返し言及される
のだが、一方でジョージH.W. ブッシュSrのCIAの背 景は、彼が合衆国
の大統領であったときにその同じ報道機関によってほとんど言及されたことがな
かった。ジョージH.W.ブッシュ SrのCIAの背景が言及 される場合は、
受身の状態で語られるかまたは肯定的な響きで語られるかのどちらかだった。ロ
シアによるクリミア侵攻に関してプー チンのためにとっておかれ たネガティヴ
な言葉は、アフガニスタンやイラクやリビアへの侵略と戦争に関与したいかなる
アメリカ大統領やイギリス首相に対して も、CNNやBBCのよう なネット
ワークによって同じように使用されたことはない。
 ロシアとプーチンへの誹謗的な論調を煽るこれらの態度は、ロシアに対する経
済的・地政 学的な競争相手としての敵対的な姿勢に基づいている。それは北ア
メリカとヨーロッパ連合にあるマスメディアをコントロールする権 力機構の中
に構造的に染み ついたものである。ジャーナリストとメディア部門の従業員た
ちは、意識的にであろうと無意識的にであろうと、その外郭の周辺で働 き、そ
して、知ってであろ うと知らなくてであろうと、ロシアを中傷して敵または部
外者として異化するという目的に仕えるのだ。

(以下、3につづく)


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