[CML 030926] 戦略兵器としてのマスコミ : ウクライナをめぐるメディア戦争1

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2014年 4月 20日 (日) 23:31:33 JST


みなさまへ    (BCCにて)松元(3分割で送ります)

バルセロナの童子丸開さんが、ウクライナを事例とした「メディア戦争」の解析
記事を翻訳紹介しています。著者のマフディ・ダリウス・ナゼムロアヤ 氏は、
「情報戦争」における「マスメディアに よる情報のコントロールと誤魔化し」
についてBBC からCNNにいたるまで実例を挙げて警告しており、未曾有の
情報戦争に市民がどうかかわるか貴重な示唆を提供しています。

======以下、全文転載=====

お忙しいところ、長文で恐縮ですが、お読みいただきご拡散いただければ幸いです。
このグローバル・リサーチ誌の記事は、私が長年感じてきたことを 最も的確に
表わしてくれています。現在、いわゆる西側メディアの素顔が、その反対陣営の
メディアによって相対化されるにつれて、西側世界の人々に はっきり と意識さ
れつつあります。米国や欧州ではもはやマスコミの論調を信用しない人が多数派
になりつつあります。
こんな状況がなかなか日本では起こらな いようですが、その重大な原因として
言えることは、インターネットが世界情勢を知るために十分に活用されていない
ことと、反対派陣営からの情報が 多くの場 合英語で伝えられ、日本語で伝えら
れる割合が極めて限られていることだと思います。
拙い和訳ではあるのですが、私のささやかな力が少しでも状況を変えるために役
立つようなら幸いです。
よろしくお願いします。

2014年4月16日 童子丸開 拝

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http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction/The_Media_War_Being_Fought_Over_Ukraine.html
*戦 略兵器としてのマスコミ
**ウクライナをめぐるメディア戦争
*
  今年の2月に、政治的・経済的にアメリカとEUからの全面支援を受けたネ
オナチのならず者ども(+謎の狙撃手)の暴力によって、ウクライナの 合法的
で正当 な選挙で(つまり民主的に)選ばれた大統領が追い出された。このクー
デターの結果生まれたキエフ傀儡政府は、同国東部のロシア人地区(歴史的 に
は元々ロシ ア領でウクライナ人フルシチョフによってクリミアと共にウクライ
ナに併合させられた地区)の分離独立を求める勢力を「テロリスト」と呼んで軍
を繰り出し た。その動きを、ワシントンがCIAの高官を送り出して全面支援
している( White House confirms CIA director visited Ukraine over
weekend <http://rt.com/usa/white-house-confirms-cia-ukraine-448/>-RT)
のだ。米欧メディアの一部をなすスペインの主流マスコミは、マイダン広場の
ファシストどもを「抵抗者(protestantes)」と呼び東ウク ライナの親ロシア
派住民を「反乱者(rebeldes)」と呼んで、西側プロパガンダ機関としての本領
を発揮している。今後いつこれが「テロ リスト (terroristas)」に変わるの
だろうか。

 私は前に拙訳文「ウクライナのファシズム革命
<http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction
/The_Brown_Revolution_in_Ukraine.html>(イズラエル・シャミール著)」の中
で次のように書いた。
《今 後はウクライナ西部の米欧ファシスト支配地域と東部・南部のロシア語地域
に分かれて事実上の内乱状態となり、ウクライナ各地で、かつてナチ協 力者た
ちの末 裔であるファシストどもによって、ロシア系住民・ロシア語圏住民に対
する壮絶な弾圧と破壊・リンチが打ち続くことが予想される。そして南部に 海
軍基地を持つ 以上、ロシアは様々な形で積極的な関与をせざるをえなくなるは
ずだ。プーチンが(そしてNATOが)すでにその準備を進めていることは明ら
か である。クリ ミアではすでに前哨戦が始まっている。こうやって世界は加速
をつけて「きな臭い時代」に突入していくのだろう。 》
 こんな悪夢のような予想が当たらないことを 祈るのみだが、実際に、ネオナ
チのおかげで牢獄から解放されたユダヤ系ウクライナ人の腐敗政治家で次期大統
領の最有力候補(として米欧が後押 しする)ユリア・ティモシェンコは電話で
次のように語った。*「我々が銃をつかんであのロシア野郎どもをその指導者と
一緒に殺 す時がきた( “It’s about time we grab our guns and kill those
katsaps [a derogatory Ukrainian word] together with their leader,” )」*
(WSWS(World Socialist Web Site) <http://www.wsws.org/>3月25日
付の記事Leading US-backed Ukrainian politician calls for annihilation of
Russia <http://www.wsws.org/en/articles/2014/03/25/tymo-m25.html>による
)。この対ロシア戦争とプーチン大統領の殺害を示唆する ティモシェンコの話
は盗聴された電話によるものだが、会話の相手はウクライナ国家国防安全保障委
員会の元副書記長のネストール・シュフリーチ である。こちらでその英語字幕
付きビデオを <https://www.youtube.com/watch?v=6RxSzSWbcxo>ご覧いただきたい。
 この下品で野蛮な女は同じ電話で、東ウクライナにいる800万人のロシア人
を(核兵器で?)皆殺しにすること、そして米欧諸国にロシアを灰 にすること
を要求したという。あの「Fuck the EU!」と叫んでウクライナのネオナチを全面
支援したヴィクトリア・ヌーランド
<http://www.theguardian.com/world/video/2014/feb/07/eu-us-diplomat-
victoria-nuland-phonecall-leaked-video>(ユダヤ系アメリカ人のネオコン)
と同列の下劣さだが、ロシアとウク ライナのロシア人たちはこのニュースを
知っている。その言葉が酩酊状態での冗談ではないことは誰にでも分かる。皆殺
しにされる前に命がけで戦 おうとするのは当然だろう。
*(4月16日付のロシア国営RTのニュースは、東部ウクライナのスラヴヤン
ス クで、**数多くのウクライナ軍部隊がキエフ傀儡政権の「テロ鎮圧」命令を
拒 否して親ロシア派武装住民側に投降し、あるいは自ら参加を表明した劇的な
事実* <http://rt.com/news/ukraine-troops-withdraw-slavyansk-940/>*を伝え
ている。兵士たちは「何が本当の愛国心なのか」を知っていたの だ! しかし
その一方で、ウクライナ南東部のマリウポルにある軍基地周辺で**4人の反傀儡
政権派メンバーが射殺された*
<http://rt.com/news/mariupol-base-shooting-ukraine-008/>*ことも伝えられ
ている。ロシア外相ラヴロフは紛争拡大を防ぐロードマップについての合意を発
表した <http://rt.com/news/geneva-document-ukraine-deescalation-224/>
が、今後の展開は予断を許さない。)
*
 ここに、少し前のものだが、3月27日付Global Research誌記事の拙訳を掲
げておくので、ぜひお読みいただきたい。
http://www.globalresearch.ca/controlling-the-lens-the-media-war-being-fought-over-ukraine-between-the-western-bloc-and-russia/5373364
Controlling the Lens: The Media War Being Fought Over Ukraine Between
the Western Bloc and Russia
The BBC and CNN versus RT   (By Mahdi Darius Nazemroaya  Global
Research, March 27, 2014)
 この記事は、近代戦争において*大規模情報媒体(マスメディア)が必要不可
欠 の兵器*である事実、そして現在のウクライナをめぐって二つの陣営が繰り広
げる壮絶なメディア戦争に ついて語る。*戦争プロパガンダ*は、 敵陣営を混乱
させ戦術の誤りやその内部での離反を誘発するための対外的な攻撃手段であると
いう以上に、自陣営に住みその税金や労力や命で陣営 を支えるべき 人々を大規
模に囲い込み、戦争目的に沿って動かし離反を許さないための、対内的な攻撃手
段である。必然的にそれが広める情報は、嘘、誇張、ね つ造を含む、 つまり*
虚構*にならざるをえ ず、またそれを理 屈だけではなく人間感情の最も深い部
分からしっかりとつかんで一人一人の内部から突き動かし疑念すら排除するも
の、つまり*神話* として機能することになる。

 私は『「スペイン内戦」の幻想と傷と癒し』
<http://bcndoujimaru.web.fc2.com/spain_jouhou/guerracivil.html>の中でセ
ビーリャ大学研究員コンチャ・ランガ・ヌーニョの論文の一部を紹介した。ここ
で「プロパガンダをすぐれて公的な機能に まで、国家と社会の中心柱にまで高
めるための手段」と書かれているのがマスコミであることは言うまでもない。
《(前 略)このような状況の中で、プロパガンダとそのコントロールが最も大切
な手段となった。アレハンドロ・ピサロソが断言したとおりであ る。「スペイ
ン内戦は 武器と戦術の実例の宝庫であったと共に、情報とプロパガンダの分野
におけるパイオニアだった」のだ。この点に関しては、大戦間のヨー ロッパで
全体主義のシ ステムが主役を演じていたことを思い起こす必要がある。スペイ
ンの両陣営によって追求された形態はそれに沿っていた。そしてそれはヘ ス
ス・ティモテオ・ア ルバレスが次のように示唆している。
 『ここでは、このような全体主義のシステムが幅を利かす。それは党派主義者
と狂信者であることによって、少 なくとも精神的に帝国主義者であることに
よって、大衆の共感を得る必要があるし、プロパガンダをすぐれて公的な機能に
まで、国家と社 会システムの中心柱に まで高めるための手段を必要とするので
ある。》


 *マスコミの兵器としての機能*は 既に1898年の米西戦争で発揮されてい
た <http://bcndoujimaru.web.fc2.com/spain_jouhou/maine.html>わけであり、
2度の世界大戦、中東戦争、冷戦とその「代理戦争(ラテンアメリカのクーデ
ター・軍事独裁
<http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction/re-
CIA_contra_Americalatina.html>を含む)」、冷戦後の湾岸戦争とバルカン戦争
と、それはある意味で核兵器以上の威力を持つ戦略兵器として、 ただし*ほとん
どの人にはそうと悟られることなく*、使用されてきた。軍事的な戦争だけでは
なく、核開発(日 本では「原子力開発」と呼ばれる)やネオリベラル経済とそ
のグローバリゼーションといった非軍事面での戦略で、絶大な威力を発揮してき
たのが マスメディアの情報力であった。
  その情報がほとんどの人にプロパガンダであると悟られなかったのはなぜ
か? 冷戦時代を思い起こしてみれば明らかだろう。アメリカとヨーロッ パに
本拠地を 置く西側メディアの論調は、学校でそれを受け入れやすく訓練された
人々の頭脳に毎日のように繰り返して大量に刷り込まれた。たまに対立陣営か
らの情報が 入って来ても、ほとんどの場合は数日あるいは数年遅れてのことで
あり、また西側メディアのフィルターを通してのものだった。直接に入ってくる
ものはごくわ ずかであり、その多くが無視と嘲笑と攻撃の対象となるに過ぎな
かった。個々人の判断の元になる情報の比較対象が不可能だったからだ。



 だがその状況は、皮肉なことにいわゆる情報革命が本格化し情報社会と言われ
る21世紀になってから劇的に変化し ている。今日、一部の地域を除いて世界
中のどこででも、インターネットなどの手段を通してロシア国営RT
<http://rt.com/>やイ ラン国営Press TV <http://www.presstv.ir/>などのチャ
ンネルに接続でき、一方の側からだけでなく*そ の敵対者の側からも瞬時に、同
時並行的に、文字だけではなく視聴覚的な手段を通して、情報 を得ることが可
能となってきた*。 このことが、従来の西側マスメディアが持つプロパガンダ機
関としての機能の有効性を致命的に後退させている。メディア戦争によって、西
側だけ が一方的にこ の巨大戦略兵器による成果を楽しむ時代は終わりを宣告さ
れたのだ。マスコミだけではなく、それに付随して西側陣営の世界戦略を支えて
きた人権 団体なども、 その権威と信用を大幅に失い、いまや単なる謀略活動の
装置としての顔をむき出しにしつつある。
 2001年のいわゆる9・11事件以来の*軍事的・経済的・社会的な戦争に
おける最も重要な局面としてのメディア戦争*は、 ひょっとすると人類社会を取
り返しのつかない破局に陥れるのかもしれないし、あるいは逆に、あらゆる種類
の戦争と侵略と抑圧を永久に終わらせ る偉大な成果 をもたらすのかもしれな
い。このGlobal Research記事の作者であるナゼムロアヤのような自覚した優れ
た観察者・分析者が今後次々と登場して、プロパガンダ機関としてのマスメディ
アの在り 方を具体的に明らかにしていき、マスコミを本来の文字通りの報道機
関に立ち直らせてくれることを、心から祈らざるを得ない。

※ 関連情報として以下も参照いただきたい。
**ウクライナ・ネオナチ司令部の下で動く**イスラエルの特殊部隊*
<http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction/Ukraine-
Israeli_Special_Forces_Unit_under_Neo-Nazi_Command.html> *(2014年
3月10日)*
***ウクライナのファシズム革命*
<http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction
/The_Brown_Revolution_in_Ukraine.html> *(2014年2月28日)
*大メディア、ソーシャル・メディアによる**ベネズエラ「反政府抵抗者たち」
という映像詐欺*
<http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction/Deception_of_the_Anti-
Government_Protests_in_Venezuela.html> (2014年2月24日)
*ウクライナでのファシズム運動の背後に潜む寡頭支配 者:**東西欧州を襲う
ファシズム の嵐*
<http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction
/fascisum_in_eastern_and_western_europe.html> (2014年2月4日)
2014年4月17日 バルセロナにて 童子丸開

(以下、翻訳本文につづく)


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