[CML 030844] ウクライナ、クリミア情勢の見方(20)――小倉利丸さん(富山大学教授。ピープルズ・プラン研究所共同代表)のイシュチェンコ(社会学者/ウクライナ)のもうひとつの論の訳出

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2014年 4月 16日 (水) 14:50:53 JST


小倉利丸さん(富山大学教授。ピープルズ・プラン研究所共同代表)が前回に引き続いてさらにウクライナの社会学者のヴォロ
ディミール・イシュチェンコの論を訳出されています。ウクライナ、クリミア情勢の見方(20)としてご紹介させていただこうと思い
ます。

■ヴォロディミール・イシュチェンコ(Volodymyr Ishchenko): マイダンか反マイダンかなのか?ウクライナの状況を理解するには
微妙な差異を理解する必要がある。我々は双方の進歩的な側面を支持し、双方の偽善的な正当化に加担すべきではない。
(小倉利丸ブログ 2014-4-16)
http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/no_more_cap_blog/details.php?bid=201

訳者前書き
ウクライナ情勢についての日本の報道は、東部ウクライナの反キエフ政府運動がロシア政府が糸を引く軍事集団によるもので
あるかの報道一色である。しかし、そうであっても、テレビのインタビューに答える人々は、重装備した民兵風の人物たちとは対
照的に、自分たちの生活の窮状を訴え、キエフの新政権への不信を口にしているように見える。民衆の欲求と具体的な抗議の
姿は一つではなく、複雑な様相をもっているのだが、これを、西と東の大きな権力(EU-USとロシア)が、国益のために利用しよう
とするなかで、マスメディアは問題を、欧米=善、ロシア=悪とみなし、民衆の運動もこの両者のどちらであるかの色分けをする
ことで極端な単純化をしようとしてきた。しかし、親西欧政権に極右が参加しているといったことが明確になると、戸惑いを見せる
が、それでも、極右の参加がもつ深刻な意味をむしろ軽視しているようにみえる。言うまでもなくこうした日本のメディアの態度は、
日本政府の態度とほとんど変らない。以下に訳出したイシュチェンコのエッセイは、4月14日に書かれたものだ。彼は、メディア
や東西の政府が主張する善悪の構図を認めない。東西の帝国主義もナショナリズムも認めない。この一見すると困難な立場は、
空想ではなく、それこそが、マイダンにも反マイダンにも見出せる民衆の抵抗の根源にあるものだという確信が彼にはあるよう
に思う。これは、この国のマスメディアが無視している重要な観点である。

他方で、日本の左翼あるいは社会運動のなかでウクライナの問題は、未だに積極的に議論しうるところにまでは至っておらず、
論争にすらなっていない。これは、「アラブの春」、ギリシアやスペインなど南欧の反政府運動などからトルコ、ボスニアから、タイ
や台湾の運動に至るまで、おしなべて国内の運動との関わりで、とらえるところには至っていないように見える。東欧であれ旧ソ
連圏であれ、いわゆる「社会主義」を経験した諸国における根強い極右や反ユダヤ主義の存在は、今現在の資本主義や新自
由主義の問題に還元して済ませられる問題ではなく、「社会主義」の時代にこうした問題、つまり、民族問題が解決されないまま、
集合的な無意識に内部に抑圧されたに過ぎなかったということを示しており、これは、左翼であれば徹底した総括が必要な問題
である。私が言っているのは、スターリン主義の誤謬ではなく、トロツキズムに解答があるという問題でもなく、より根源的なコミュ
ニズムの再定義の必要を言っている。

以下、省略。

■ウクライナ、クリミア情勢の見方(20)――小倉利丸さん(富山大学教授。ピープルズ・プラン研究所共同代表)のイシュチェンコ
(社会学者/ウクライナ)のもうひとつの論の訳出 ――メディアや東西の政府が主張する善悪の構図を認めない
(弊ブログ 2014.04.16)
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-850.html


東本高志@大分
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