[CML 030744] 小松一郎という人(内閣法制局長官)をやんわりと批判する毎日新聞木戸哲社会部記者の「課長からの手紙」 という冴えた記事 ――「国民投票『改正』案」審議入りの日に

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2014年 4月 10日 (木) 22:22:48 JST


「集団的自衛権の行使容認に道を開くため、安倍首相が『禁じ手』の手法で法制局以外から異例の形で長官に起用した」(沖縄タイムス社説、2014年3月16日)元外務官僚(駐仏大使)の小松一郎内閣法制局長官について毎日新聞の『発信箱』に「課長からの手紙」という興味深い記事が掲載されていました(2014年04月10日)。小松一郎という人のひととなりを彷彿とさせる記事です。先日、私は、毎日新聞『風知草』筆者(編集委員)の山田孝男記者を批判する記事を書いたばかりですが、毎日新聞にも人あり、いや、記者ありということでしょうか。見る目が確かですし、文章力も冴えています。ご紹介させていただきたいと思います。奇しくも今日は「国民投票『改正』案」審議入りの日でした(辺見庸「日録12」2014/04/09付参照)。
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2014/0407.html
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=64853
http://yo-hemmi.net/article/393668685.html

■発信箱:課長からの手紙=木戸哲(毎日新聞 2014年04月10日)
http://mainichi.jp/shimen/news/20140410ddm005070049000c.html

もう二十数年前のことだ。私立大で国際法を研究していた教授の元に、一通の手紙が届いた。差出人は外務省で国際法の解釈を担当する部署の課長。教授が書いた論文の内容は我が国の立場と異なる、と記されていた。

自分は国のために論文を書いたわけではない。在野の研究者が政府と違う見解を持つのは当たり前だ。それなのに、外務省の官僚が、ああしろこうしろと言ってくるのはおかしくないか。教授は反論をまとめて返事を書いた。やりとりはそれで終わったが、上から国の考えに従えと押しつけられた気がして、後味が悪かった。

課長はその後、順調に出世の階段を上り、省を代表する「国際法の権威」となった。昨年夏には内閣法制局長官に抜てきされる。集団的自衛権の行使容認を目指す安倍内閣で、法制局勤務経験がないまま長官を務めている小松一郎氏のことだ。

国内外に向けて政府の立場を説明するのは外務官僚の大事な仕事だろう。歴代担当課長の中で、教授にそんな手紙を送ってきたのは小松氏だけというから、誰より熱心に職務に励んでいたに違いない。初めて課長というポストに就き、力が入り過ぎた面もあったのだろうか。学問の自由は憲法で保障された国民の権利だ。いくらなんでも、それをないがしろにする独自の憲法解釈に基づいて手紙を書いたわけではないはずだ。

政府の解釈を見直すだけで、実質的に憲法9条を改正することが許されるのか。法制局長官は、その議論の中心にいる。自分の考えを振りかざさず、慎重に、謙虚に検討してもらいたい。釈迦(しゃか)に説法だろうけど、それが「法の番人」にふさわしい姿だと思う。(社会部)

参考:
■私たちはいま政治の貧困を目撃している=与野党7党が国民投票法改正案を衆院に共同提出の愚(Daily JCJ 小鷲順造 2014年04月09日)
http://jcj-daily.seesaa.net/article/394215484.html


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



CML メーリングリストの案内