[CML 026801] 原発汚染水放出の調査報告 研究者が誤報指摘~日本報道検証機構(GOHOO)の 2013年9月28日付け記事から 

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2013年 9月 28日 (土) 10:03:05 JST


安倍首相が先のIOC総会の2020年夏のオリンピックの東京招致を目指すプレゼンテーションで、福島第一原発の汚染水問題に
ついて「完全にブロックされている」、「コントロール下にある」とうそのプレゼンテーションをしたことが大きな批判を呼んでいますが、
その批判の一環ということでもあるでしょう。少なくないマスメディアは「福島原発 外洋に1日600億ベクレル放出」という気象研の
研究官がこの9月18日に国際原子力機関(IAEA)の科学フォーラムで報告した内容をそれぞれ大きく報道しました。

例:「外洋に1日600億ベクレル放出 福島原発、気象研の研究官報告」(東京新聞 2013年9月18日)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013091801001988.html

しかし、これに関する記事の一部に誤りがあるとして、同調査結果をIAEAで発表した気象庁の研究員が訂正を求めており、その
ことを日本報道検証機構(GOHOO)が2013年9月28日付けの記事で指摘しています。

IOC総会における安倍うそ発言批判は重要であるだけに、その批判はなおさら正確で、正鵠をえたものである必要があるでしょう。

そういう意味で、以下、ご参考にしていただければと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■原発汚染水放出の調査報告 研究者が誤報指摘(日本報道検証機構(GOHOO) 2013年9月28日)
http://gohoo.org/alerts/130928/

▼気象庁の研究員がIAEAで福島第一原発の汚染水の外洋放出について調査結果を発表したが、これに関する記事の一部に
誤りがあるとして訂正を求めている。

      【朝日】 2013/9/20朝刊2面「実態なき『ブロック』 汚染水『影響は港湾だけ』首相は明言」
      【共同・日経】2013/9/19朝刊43面「外洋に1日600億ベクレル放出 福島第1の放射性物質」

《注意報1》 2013/9/28 07:00

朝日新聞は、9月20日付朝刊で、安倍首相が福島第一原発を視察し、汚染水の影響は港湾内で完全にブロックされていると
述べたことを報じました。その中の「外洋で薄まり不検出/フェンスを出入り」と中見出しをつけた記事で、気象庁気象研究所
の青山道夫主任研究官の試算と見解を伝え、汚染は「単に薄まっているにすぎない」と指摘しています。しかし、青山氏は当
機構に対し、記事の一部に誤りがあり、朝日新聞社に訂正を申し入れたところ、「取材した上で訂正したい」と回答があったと
述べています。

青山氏は18日、ウィーンで行われた国際原子力機関(IAEA)の科学フォーラムで、福島第一原発からセシウム137とストロンチ
ウム90が1日あたり計600億ベクレル外洋に放出されているとの試算結果などを報告。これを、共同通信や朝日新聞などが報
じました。

      朝日新聞2013年9月20日付朝刊2面より一部抜粋(省略)

朝日新聞の記事は、青山氏の研究報告について「放射性物質は自然に時間とともに一定の割合で減っていく性質がある。し
かし、東電などの観測データでは値が減っていかない。600億ベクレルの放出がないと計算が合わないという。」と伝えていま
す。しかし、青山氏は、当機構に対し、報告の中で「放射性物質は自然に時間とともに一定の割合で減っていくのに、観測デ
ータでは値が減っていかない」という趣旨のことは述べていないと強調。セシウム137とストロンチウム90は半減期が約30年と
長いため、放射性物質の海洋放出により濃度が減少しない理由として「自然に時間とともに一定の割合で減っていく」現象は
今回の時間のスケールから考えると無視できると説明しています。

青山氏は、沿岸で海水の「流れ(移流)」と「拡散」があるにもかかわらず濃度が減少しない現象を説明するには「ソース(放出
源)」が必要で、その濃度を維持するために必要な放出量を計算すると「福島第一原発からセシウム137とストロンチウム90が
1日あたり計600億ベクレル外洋に放出されている」と推定されると解説。この計算方法は、すでに論文等で報告しているとの
ことです。

また、青山氏は、記事のうち「離れた所で検出できないのは、外洋に広がっているためとみている」という部分も、「離れた外洋
で全く検出できていないというのは間違い」と指摘。青山氏の観測によると、微量の放射性物質(セシウム137、ストロンチウム
90それぞれ1立方メートルあたり1~2ベクレル)が検出されており、「原発事故前にも核実験などの影響でこの水準の放射性
物質は検出されており、その水準ににほぼ戻っている」というのが正確な表現だとしています。

このほかに、青山氏の研究報告を報じた19日付日経新聞の記事(共同通信ウィーン発の転電)のうち「青山氏は総量に着目
し『この水の中に魚が生息すると放射性物質が濃縮され、日本の規制値を超える』と指摘した」との記述についても、青山氏
は「総量に着目し」は「濃度と魚へのセシウムの濃縮係数に着目し」の誤りだと指摘しています。

青山氏は、18日の研究報告について朝日新聞から直接の取材がなかったと指摘。他方、共同通信からはウィーンできちんと
取材を受けたが、取材時に話していなかった誤った説明が記事に付け加えられていたとしています。青山氏は「記事の掲載後、
誤った記事を見た研究者仲間から問い合わせがあった。読者にも科学的に誤った知識を与えることになりかねない」と話して
います。


■青山道夫研究員の研究報告「Fukushima derived radionuclides in the ocean」(2013/)(IAEA Scientific Forum 2013)
http://www-pub.iaea.org/MTCD/Meetings/PDFplus/2013/cn207/Presentations/1028-Aoyama.pdf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



CML メーリングリストの案内