[CML 026795] 泉田知事が柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働を事実上容認した件について

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2013年 9月 27日 (金) 18:35:41 JST


泉田知事が柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働を事実上容認した件に関していくつかのメーリングリストに以下のような投稿があり
ました。

      第一信:
      泉田新潟県知事の最新の会見です。
      車で追跡をうける圧力から、これからは東電ではなく、国が直接『説得にあたる』と通知がきているなど、極めて重要な
      内容を公言されています。
      過日、サンケイ紙が直接泉田批判を開始した時、何かの予兆だと投稿しましたが、暗黒の動きが始まっていると感じま
      す。
      是非まず、会見の内容をお聞きください。そしていたるところに拡散をお願いしします。
      http://takumiuna.makusta.jp/e230270.html

      第二信:
      皆さん、下記サイト、ぜひごらんください。
      サンデー毎日も追っている事態です・
      http://tanakaryusaku.jp/2013/09/0007943

以下は、同投稿に対する私の応答です。

「泉田知事に何があったのか・要注目」と指摘されるの「泉田知事に何があったのか 『特捜部がターゲットに』報道も」(田中龍作
ジャーナル 2013年9月26日)という記事を読んでみました。
http://tanakaryusaku.jp/2013/09/0007943

田中記者は、同記事で、「新潟県の泉田裕彦知事がきょう午後、柏崎刈羽原発6、7号機をめぐり東電が原子力規制委員会に提
出する安全審査申請を条件付きで容認することを明らかにした」。「昨夜の段階では『規制基準をクリアしても安全は確保できな
い』とまで話していた泉田知事が一転、容認した背景には」政府や検察の「圧力」があったのではないか、と推論しているわけです
が、その推論の根拠としているのは以下の2点です。

      (1)急展開の背景に何があったのだろうか? 思い至るのは、5日に新潟県庁で持たれたメディア懇談会だ。「第2の佐
      藤栄佐久氏(前福島県知事)になると思ったことはないか?」と筆者が質問したところ、泉田知事は「ありますね」と答え
      た。「黒塗りの車にビタっとつけられた時は気持ちが悪かった」と話した。 


      http://tanakaryusaku.jp/2013/09/0007943

      (2)その検察庁が「泉田知事をターゲットにした」との記事が『サンデー毎日』(10月6日号)に掲載された。同誌は地検
      特捜部関係者のコメントとして次のように書いている――「地検上層部からの指示で泉田知事を徹底的に洗っています。
      立件できれば御の字だが、できなくても何らかの圧力を感じさせることで、原発再稼働に軌道修正させる助けになりた
      い考えではないか」(同上)。

しかし、上記の推論の根拠は、根拠薄弱、ないしは「事実」として提示している根拠に信憑性がありません。

第1。5日に新潟県庁で持たれたメディア懇談会での田中記者の「第2の佐藤栄佐久氏(前福島県知事)になると思ったことはな
いか?」という質問に対して泉田知事が語ったとされる「黒塗りの車にビタっとつけられた時は気持ちが悪かった」云々の記述に
は歪曲があります。

下記の同日のメディア懇談会の映像記録によれば、同記者の上記の質問に対して泉田知事ははじめは「あのう、事実関係から
申し上げると、いまのところですね、直接的なプレッシャーっていうのはあまり感じていないというのが正直なところなんです」(32:
20頃)と答えています。田中記者の「(権力側の)圧力があったのではないか」という質問に対して泉田知事は「否」と答えているわ
けです。それが「正直なところ」だと。

田中記者はさらに「『一瞬』は感じたことはありませんか?」と質問を畳みかけますが、その問いに対する泉田知事の答は「いや、
感じたことはありますよ。車つけられたときはやはり怖かったですよね。ひょっとして降りてなんかあるとイヤだなと感じたことはあ
ります」(33:00頃)というものでした。泉田知事は単に「車つけられたときは」と語っているだけで、「黒塗りの車にビタっとつけられ
た」などとは言っていません。この部分は田中氏の創作です。田中氏は「黒塗りの車」「ビタっと」といういかにもおどろおどろしい
事態を連想させる言葉を挿入することによって自らの想像の域を超えることのない「権力の圧力」説を修飾しているだけのことに
すぎません。ジャーナリストとしてはあってはならない文章作為です(だから、こういう人の言は「信用できない」ということにもなり
ます)。
http://takumiuna.makusta.jp/e230270.html

第2。「検察庁が『泉田知事をターゲットにした』との記事が『サンデー毎日』(10月6日号)に掲載された」という点についても、ただ
『サンデー毎日』に掲載されたという事実だけでその記事の信憑性が担保されるというわけでもありません。同記事にいう「地検
特捜部関係者」とはいかなる人物か? 同記事のいうように真に「地検上層部からの指示で泉田知事を徹底的に洗って」いるの
だとすれば、その指示は特命を帯びたマル秘扱いの指示であるはずで、そうやすやすと一介の記者に地検特捜部検事が口を
割ってしまう体のものではありえないでしょう。また、地検特捜部関係者とはあいまいな概念で、地検特捜部に勤務している検事、
あるいは職員を指しているとは限りません。「関係者」とはその情報を知る立場の者の謂いですから、雑誌記者だって見方によっ
ては「関係者」といえなくもないのです。もしかしたら、雑誌記者が「関係者」の意見として創作している可能性も捨てきれません。
したがって、「『サンデー毎日』に掲載された」という事実のみをもって根拠とするのも、根拠薄弱の感を免れません。

日本経済新聞(共同)は、泉田知事が「東電の安全審査申請を条件付きで承認する」とした理由について、「事業者が安全確保
のために第三者の目を入れたいという状況を放置するのは、地元にとっても望ましくない」。安全審査の対象となるフィルター付
きベント(排気)設備について「地元の避難計画との整合性を県の技術委員会で検討する必要がある」と語ったという報道をして
います(日本経済新聞 2013/9/26)。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2602Q_W3A920C1000000/

泉田知事が東電の安全審査申請を条件付きで承認するとした理由はおそらくそういうことでしょう。ここに私は、同知事の合理
的な思惟方法の特徴があるし、限界もあるように思います。

「新潟県泉田裕彦知事は26日、東電申請を条件付きで承認し、東京電力は26日、柏崎刈羽原発6、7号機再稼働に向けた安全
審査を原子力規制委員会へ27日午前に申請する。泉田知事、佐藤栄佐久元福島県知事の轍を踏むことはないのだろう」(マス
コミに載らない海外記事「追記欄」 2013年9月27日)という指摘もあります。この記事も泉田知事の「限界」性を指摘している記
事ということがいえるでしょう。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-64fa.html

今後、柏崎刈羽原発6、7号機再稼働問題はどのように動き出すか、もちろん予断を許しません。しかし、いたずらに泉田知事
を英雄視したり、あるいはまたいたずらに「陰謀説」を持ち込んだりする見方は、この問題についての冷静な見方とは言い難い
ように思います。



東本高志@大分
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